町中華ではなく「ラーメン屋」に行く人はラーメンを食べに行くものだと思う。ただ、町に建ち並ぶラーメン屋を見るにつけ、私(中澤)はこう思わずにはいられない。「ご飯ものがウマそうだ」と。そう、ラーメン屋の券売機の片隅には意外と丼とかがある。
そこであえてラーメン屋でご飯メニューを注文してみようというのがこの連載「ラーメシ通信」だ。第2回の今回はラーメン激戦区の渋谷でひときわ存在感を放つあの店。オレンジの看板がトレードマークの『俺流塩らーめん』である。券売機をよく見ると面白いご飯メニューがありました!
・センター街の門番
渋谷を中心に都心で広がりを見せる俺流塩らーめん。オレンジの看板が目立っているので、行ったことがなくとも知ってる人は多いのではないだろうか。私も入ったことはなかったのだが知ってるくらいだし。そういう意味でも勢いを感じるこの店。訪れたのは新宿東南口店だ。
・メニューに感じた俺流ポイント
見るからにラーメン専門店であるこの店。券売機ではチャーシューとか唐揚げとか煮卵とか麺が見えないくらいトッピングされた「超豪快男盛り(税込1680円)」とか「男盛りガバチ(税込1480円)」が目を引く。この盛り盛りっぷりは塩ラーメンにしては珍しい。まさしく俺流って感じがする。
・隅の隅に謎のメニュー
「我も我も」と先を争うような我の強いメニューの数々。ラーメンの中でも迷うくらいのバリエーションであり、逆に言うとほとんどの人がラーメンを注文しているが、そんな券売機の片隅に謎すぎるご飯ものがあった。その名も「ケチャップライスの玉子のせ(税込680円)」というメニューなのだが……
項目が小さすぎて何がなんだか分からねェェェエエエ!
メニュー名と画像から判断するにオムライスなのだろうか。こういうラーメン専門店のご飯ものってちょっとしたチャーシュー丼とかが多いからオムライスって珍しい。俺流がすぎる。
・実態
それにつけても、サイズ感がよく分からない。680円って結構微妙な価格だな。サイドの小さいご飯ものにしては高いというか。そこで注文してみたところ……
絶妙なサイズ感のヤツが出てきた。
丼と言うほど大きくないのだが、お茶碗というにはちょっと大きめ。そんな中間サイズで、小食の人はこれだけでも十分だし、大食いの人はラーメンと一緒に食べられるくらいの感じ。
・食べてみた
そんなお茶碗の上には、見るからにふわふわのオムレツが乗っている。では、この中はどうなっているのだろう? 食べてみると……
ご飯はケチャップライスというよりもチャーハン寄り。チャーシューも入っていて、炒め度の強い味の中にケチャップの風味が感じられる。大阪王将のオムライスみたいな濃厚さがあった。
ならば、この味を生かすべきだろうと、席にあった「俺流マーにんにく」をトッピングしてみたところ、辛みでパンチが利いてウマイ。他に海苔とかうめとか、調味料も俺流なところはこの店の良さと言えるだろう。
ラーメン屋の券売機に眠るメシ、略して「ラーメシ」に感じた俺流。その味に細部にまでこだわる『俺流塩らーめん』の本質を垣間見た気がした。店内もキツイ匂いがなく比較的綺麗だったし、ラーメン戦国時代の現代において存在感を発揮しているのも頷けたのであった。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼ちなみに、『超俺流塩らーめん』だと普通にオムライスと表記されている
▼料理人のさじ加減なのかあえて変えてるのか分からないけど、ご飯がよりケチャップライスっぽかった