バイク乗りにとって「モーターサイクルショー」は春の季語なのかもしれない。
3月に北海道・大阪・東京での開催を終え、ただ今「第3回名古屋モーターサイクルショー」が愛知国際展示場(Aichi Sky Expo)にて絶賛開催中だ。(会期は2024年4月5~7日)
「他のモタサイ参加したし 別に行かないでいいかな」なんて言わないで欲しい。東京・大阪への参戦経験がある筆者から言わせてもらうと、名古屋は名古屋で毛色が違って面白いんだから!
①バイクで行きたくなる
名古屋モーターサイクルショーをオススメしたい理由は、大きく分けると5つある。
まず第一に、名古屋モタサイは公共交通機関じゃなくて 自分のバイクで参戦したくなるイベントなのである。コレ、バイク乗りには結構重要じゃないだろうか?
というのも、会場の立地がイイのだ。
愛知国際展示場があるのは、愛知県常滑市にある「中部臨空都市 空港島」、その名の通り中部国際空港セントレアのために作られた人工島だ。
島内には空港と展示場、それに付随するホテル・駐車場の他に大きな施設がないため 道が非常にシンプルでわかりやすい。
会場のすぐ目の前まで「中部国際空港連絡道路」という有料道をまっすぐ走るだけで簡単に到着できるのだ。(あと、走っていて気持ちいいぞ!)
また空港・展示場の利用者以外はほとんど人が来ないエリアなので、他の会場に比べると混雑しにくければ 事故も起きにくい。
会場付近の道路の構造上、いきなり横断する人や自転車と接触しそうになるという人が多い場所あるあるなワナがないのも地味に有難い。
ただし「中部国際空港連絡道路」が自動車道という事情から、125cc以下の小型バイクは走行不可。「BOAT RACEとこなめ」の駐車場から出る無料連絡バスを利用する必要があるため、小型オーナーさんは注意すべし。
空港と駅がすぐ目の前にあるので、もちろん免許を持っていない人や遠方からの来場も簡単だ。
自動車道チカ・駅チカ・空港チカの三拍子が揃っているので、日本一移動の選択肢が多いモーターサイクルショーと言えるかもしれないな。(ちなみに、駐輪代は500円です)
②広々空間でゆっくり見学
会場に入ってまず驚いたのは、あまりにも贅沢な空間使いだ。
ブース間の通路がとんでもなく広いな。この広さ、ひょっとしたら東京の3倍ぐらいあるかもしれない!
正直なところ、東京・大阪モタサイは会場内を歩くだけで一苦労。人の流れに逆らい、かきわけ、あげくの果てに人酔いをして気分が悪くなったことすらある。
その点、名古屋モタサイは 通路が広いおかげで移動の苦労が一切なく、視野が広がるためお目当てのブースも見つけやすかった。
ブース内の人ごみもそれほど酷くないため、人気の車両メーカーにもスッと入ることができた。
参考までに、金曜日14時前後のスズキ・カワサキブースの様子がこちら。さすがに土日となるともっと人が増えると予想されるが、それでも気楽に構えてOKだと思う。
おかげで東京では苦労したカワサキ「W230」と「Ninja 7 Hybrid」も、一瞬でキレイな全体写真を撮ることができた。
今年の名古屋モタサイには、国内外の13社・20ブランドの車両が大集結。車両にまたがりたい人や写真をキレイに撮りたい人には圧倒的にオススメだぜ!
──そうそう、空間が広いのは展示スペースに限ったことではない。
なんと、室内会場の4分の1ほどのスペース(赤く塗りつぶした部分)が、休憩エリアにあてられているのだ!
実際の休憩エリアの様子がこちら。その気になればゴロンと寝転べる 畳まで用意されているのには驚いた。
疲れた時に座りたいのはもちろん、落ち着いてマップを確認したり、戦利品を整理したり、昼食を食べたり、なにかと役立つ休憩エリア。
上の写真は閉場間際に撮影したためガラガラだが、これだけたくさんの席が用意されているんだもの、週末でも席を確保しやすいことは間違いないだろう。来場者に優しいモタサイだな!
屋外会場にはハンバーガー・ステーキ・焼きそば・ルーロー飯など キッチンカーコーナーも充実して、フェスみたいな雰囲気があった。
やたらと焼き芋屋さんが多かったのもポイント。食べ比べをしたら面白そうだ。
③人気YouTuberが勢ぞろい
名古屋モーターサイクルショーで一番の特徴と言えるのが、企業や団体だけではなく、YouTuberまでブース出展をしていることだろう。
例えば元祖バイク系YouTuberであるホワイトベース 二宮祥平さんのブースでは、オリジナルTシャツ購入者にサインのサービス中。
ひっきりなしにお客さんが来ていて、その人気っぷりはさすが!
何を隠そう 筆者が二輪免許を取得した際も、二宮さんの動画で「急制動」という課題の攻略のコツを学んだ。まさかご本人に会う機会が得られるとは、あの時は想像もしていなかったなぁ。
また 筆者が個人的にお会いしてみたかったのが、二輪・車系のYouTuber夫婦であるチャンネル隊長のたいちょーさんとむうかさん。
タイ産のちょっと変わった車両「ガンナー125」が展示されており、ファンはもちろん 通りすがりの人も興味津々。
フレーム・シート・パーツの配置・キーを差す位置などなにからなにまで不思議なバイクを解説付きで見られるので、レア車両が好きな方も要チェックだ。
他にも現役でバリバリ活躍するYouTuberがたくさん出展しており、ファンイベントみたいな側面がある。ステージイベントも豊富なので、推しに会いに、あるいは推しを作りに行くと楽しいぞ!
④物販が豊富
バイク用のアパレルを限定価格で購入できる物販コーナーが多いのは、ライダーが嬉しいお得ポイントではないだろうか。
ザッと見ただけでも掘り出し物が多く、春の衣替えにピッタリ。キレイめカラーのジャケットが半額で売られているのを発見した時は、つい買っちゃいそうになったよね。(この間新しいのをゲットしたばかりだから我慢したけど)
屋外の展示場では「中古車バイク村」というのぼりが立っていて、「もしや?」と思ったら、
わおっ、車両まで売られてるんだ!!!!
行灯(あんどん)カブに50周年スペシャルモデル……クゥ~~ッ、欲しい!
金曜日の夕方に見に行ったのに既に「売約済み」「商談中」の張り紙が多く、イベントの勢いで買っちゃう人が多いことに驚いたのは、ココだけのお話だ。
また バイク以外のところで言うと、愛知県のご当地企業の物販があるのも 地元のお祭りっぽさがあってよかった。
筆者もつい、やたらとデカいイカ姿焼きを購入。帰ったらコレで日本酒でも飲もう。
知らない人からすると「うるさそう」と避けられがちなバイクだが、バイク業界だけでなく「地域で盛り上げよう」という心が伝わって来て、なんだか胸が熱くなった。
⑤超お得な入場料
最後のオススメポイントは、ズバリ入場料だ。
これだけ1日楽しめて、チケットは大人2000円(当日券)……ですが! なんと高校生以下と女性は無料なのだ!!(こちらから登録が必須)
考えてみて欲しい。カップルや家族で来たら、彼女・奥さん・子供の入場料が無料なのだ。
マジで破格過ぎて、シンプルに行かなきゃ損な気がしてしま……いや、間違いなく行かなきゃ損だろ!
──ってことで駆け足でご紹介したが、以上が名古屋モーターサイクルショーに行くべき5つのポイントでした。
名古屋モタサイはまだ3回目と発展途上のイベント。今後どんどんブラッシュアップされて面白くなっていくことだと思うので、一人のライダーとして応援したい次第だ。
バイクに興味がある人はもちろん「別に行きたくないかなぁ」と思っている人にこそ、試しに参加してみることをオススメしたい。
残りの開催期間は今日と明日、つまり4月6~7日だ。週末のお出かけ先に迷ったら、ツーリングがてら名古屋モーターサイクルショーに足を運ぶべし!
参考リンク:第3回名古屋モーターサイクルショー
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.