子供の頃、500円は大金だった。親におつかいを頼まれて500円玉を渡されたときは、絶対に落としてはいけない重圧からポケットの硬貨を何度も確認してスーパーへ向かったものだ。
あの感覚! 500円玉1枚で緊張したりテンションがブチ上がったりしていた頃の金銭感覚を取り戻せば、お金が無くてもそこそこハッピーに生きられるのではないか?
そう考えた私が向かったのは、新宿の京王デパートである。7Fで期間限定の北海道物産イベントをやっているのだが、500円でどんな海鮮が買えるのか?
イベントのメインはやはり海鮮だろう。かに、うに、いくらなどが売られまくっており、普通に考えれば数千円はマスト。贅沢に楽しむなら1万円以上は欲しいというのが客観的なラインかと思うが、そんな基準などクソくらえである。
大事なのは気持ち。なにより気持ち。小学生の頃のマインドセットに戻れば500円でもイベントを楽しめるのだから、参加者の平均予算額など無視していいのだ。
かといって、お菓子系に逃げる気など毛頭ない。狙うは海鮮系。過去に北海道に5年ほど住んでいた私からすると、北海道の物産イベントで海鮮系を食べないなんて考えられない。
お金が足りない? ふざけんな。500円もあんねんぞ。500円あったらジャンプ2冊買ってビックリマンチョコ2つ買えるやんけ(30年くらい前)。めっちゃ遊びまくれるやんけ〜〜〜〜!
──という無敵のメンタルで、そのイベント「春の大北海道展」の会場に向かった。さてさて、海鮮丼にしようかな? それともウニ丼かな〜?
……
……
……
……
おっしゃー!
買えたぞ〜!
・マジで海鮮買えた
おそらく、多くの方が「マジで?」と思っているだろう。無理はない。イベント会場ではミニサイズのイクラ丼や棒寿司でも1000円以上だったし、豪華な海鮮丼を買おうとしたら4000円くらいしていた。
だけどたしかに500円で買えたのだ。まぁ、海鮮丼やウニ丼ではなかったが、海鮮系であることは間違いない。引っ張るのもアレだから、それが何かを発表しよう。予算500円で私が買えたのは……
イカ2貫
合計440円
説明しよう。簡単に言うと、イベントでは寿司屋(鮨処 桐)が出店しており、会場の一角で職人さんが握ってくれたのである。そこはイートインスペースと言うよりほぼ店で、普通の寿司屋と変わらない。しかも「1貫からでもOK」とのことだったから、私でも楽しめたのだ。
京王デパートの中は撮影がNGだったので写真は無いのだが、ネタとシャリの間に大葉が挟まれたイカで、ねっとりした食感が特徴的であった。美味し。
なお、その店のメニューを一部だけ紹介すると、真イカ(220円)、水たこ(220円)、秋鮭(330円)、ズワイ蟹(440円)、マグロ(550円)、いくら(660円)、生うに(1100円)……という感じ。
なので水たこ ✕ 2でもいいし、水たこ ✕ 1にイカ ✕ 1でもいいし、ズワイ蟹 ✕ 1でもOK。500円以内に収める組み合わせは色々ある。ただ、マグロやイクラは1発でアウトという感じ。
というわけで、500円でもなんとか北海道の物産イベントを楽しめることが証明されたが、これを実行するには会場でどれだけ豪華な海鮮丼を見てもブレない強靭な意思が必要となる。そしてなにより大事なのは、小学生の頃のマインドだ。
ある意味で選ばれし者だけが可能な楽しみ方……と言っていいでしょうか? そういうことにさせていただきます。では!
・今回ご紹介したイベントの詳細データ
イベント名 春の大北海道展
会場 京王百貨店 新宿店 7階 大催場
期間 2024年3月26日〜4月8日 ※「鮨処 桐」は4月1日まで。
時間 10:00〜20:00 ※1日は17:00、8日は18:00まで