今日は肉を食べようか、それとも魚にしようか? そんな風に悩むことが誰にでもあるはずである。その悩みを1度に解決しようとするとどうなるか? 実際にやってみたところ、さらに悩むことがわかった。

私(佐藤)は最近、東京・新宿の小田急百貨店で行われている催事「秋の食欲全開まつり」を訪れ、肉と魚介の乗った贅沢な丼を食べた。これで悩むことなく、肉・魚を同時に食える! そう思ったのだが、悩ましさに悶絶する事態となった!

・食べあるキングが厳選

この催しは、食べ歩きの達人チーム「食べあるキング」のメンバーが厳選した、美味しいお店が集結したフードイベントである。2019年10月16~20日までの期間限定で、小田急新宿本館の11階の催事場で行われている。


私が訪ねたのは、開催3日目(18日)の開店直後だ。昼時と夕方は大変混雑するとのことだったので、少し早めの時間に会場に足を運んだ。


・肉と魚介を同時に食える丼

会場には名のある33店舗がずらりと並んでいる。目に映る食べ物のすべてが美味そうに見える。ザっと見て回っただけで、早くも何を食べるか迷ってしまう。この中から何かだけを食べるという選択は難しい。可能なら、胃袋が許容する限り食い続けたい。そんな気持ちになってしまう。


こうなったら、肉と魚介を一緒に食おう! そう決断した私は、「築地 いま津」の丼を食べることにした。このお店は、食べあるキングのはっしーさんが絶賛する名店で、彼のInstagramに投稿された丼の写真は、1万いいね! を獲得したこともある。


そんなにウマいなら食ってみたい! ということで、イートインで食べることにした。


・完全に思考が停止した

イートインメニューは2つ。阿波牛の炙りとトロ雲丹いくら丼(税込2700円、各日限定40食)と、阿波牛の炙りとマグロ雲丹いくら丼(税込2000円)のみである。


プラス700円でマグロがトロになるなら、トロ食うっしょ! ということで、奮発して高い方をオーダー。これで肉・魚を同時に食いたい欲求を満たす! 先の悩みは1発解消だッ!!

……と思ったのだが、いざ丼を目の前にすると、私の思考は完全に停止した……。


なんて美しいビジュアルの丼なんだろうか。手前に雲丹(うに)、そして炙り牛。その向こうにトロといくらの地平が続いている。まるで、地上の名もなき絶景を見ているようじゃないか




あれほど肉と魚介を食べることを渇望していたはずなのに、いざその2つを目の前にすると、どこから箸をつけていいのか、まったく分からない。やはり肉から食うべきか。いやいや手前に鎮座した雲丹から口に入れるべきだろう。だが、それではトロを食った時のウマさを感じ辛い。ここはイクラから……。


ああ~! わからん!!

どこから食ったらいいのか、全然わからんッ!



・言葉の足りない私を許して欲しい

丼を前に、箸を手にしたまま硬直。約3分間、思考停止した後に、私が下した答えは「肉から食う」だった。


ひと切れの肉を口に入れた瞬間、私は恍惚の表情を浮かべた。ウマい、ウマすぎる! シルキーな柔らかい口どけに、あふれる肉の旨味。また食事を始めたばかりなのに、私はたったひと切れの肉で、完全にノックアウトされていた。


続けざまにトロを口に放り込む。やはり至福に包まれる。もしかして、私は夢を見ているのだろうか? トロけるような旨味のトロを食べた後にも、雲丹とイクラが出番を待っているだなんて。そんな丼ある?


それぞれの食材を1つずつ食べただけで、絶頂するような幸せに包まれるというのに、これらを組み合わせて食うことも出来る。つまり、牛肉 + 雲丹 + いくらを一口に食べることが出来てしまう。なんて罪深いことだ! 私はこの場で天を仰ぎたい気持ちになってしまった。身に余る贅沢である。


究極のひと匙を、口に放り込む!


「ウマい」という言葉でしか、この感動を表現できない私を、お許しください! 下手な表現で言葉を紡ぐよりも、あえて「ウマい」と言いたい。そんな気分なんです!


驚くべきことに、この一品は催しに集った33店のうちの1つに過ぎない。ほかにも32店舗ある。ぜひとも会場で、ウマいモノを見て食べて、実感して欲しい。「食欲全開まつり」という名にふさわしいイベントである。


・イベント詳細

名称 食べあるキング厳選! 秋の食欲全開まつり
場所 小田急百貨店新宿本店11階催物場(東京都新宿区西新宿1-1-13)
会期 2019年10月16~20日
時間 10:00~20:00(最終日は17:00まで)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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