5年に1度行われるインドネシアの選挙。17歳以上になれば「決める」権利を与えられ、その「声」はインドネシアの未来を決めることになる。
インドネシアでは選挙間近になると、めっちゃ盛り上がる。盛り上がるっていうか、良い意味でも悪い意味でもカオス状態になってしまう。それくらいインドネシア市民にとって選挙は大事なコトである。
というわけでね、インドネシアの選挙がどんなにカオスなのか、お茶でも飲みながら読んでほしい。
・熱狂的なファン(?)
選挙間近になるとまず熱狂的なファンが出てくる。候補を応援したくなるのはわかる、わかるよ。ただ自分の応援する候補を誇張しすぎたり、他の候補やそのサポーターを悪く言ったりする輩が出てくる。うざいほどに。
こんな風に、自分が応援しない候補を貶めるコメントをする。政治と関係がない投稿でも、だ。正直うざいのである。
インドネシア人の悪いところはこれ。自分の好きなモノは過度に誇張し、他は貶す。紹介してて恥だが、日本人のみんなにもぜひともインドネシアの悪いところも知ってほしい。
・街中溢れる選挙ポスター
そしてもう1つ増えるのが、選挙ポスターである。所属している政党、キャッチコピー、顔写真が載っているあのポスター。日本人でも想像がつくであろう、あれが街中貼られる。満遍なく。
本当に街中至るところに貼られてあるので、嫌でも誰が候補なのかわかってしまう。そして数も多いので、悪く言えば景色を遮ることだってある。
大雨のときどでかいバナーが倒れて、被害者まで出した事故あったけ……
・議論は皆の楽しみである
選挙前に行われる議論、各候補のビジョンやミッション、現在抱えている問題に対する各候補の解決案などを議論する。これは各候補の「見方」や「性格」を知る良い機会で、もちろん皆もこれを楽しみにしている。
この議論はテレビ、ユーチューブともに配信されており、ワールドカップ……ほどではなくとも、ほとんどの人は見ており、議論の様子をステータスにあげたりする。
そんでインターネットミームが出てきたりする。世界最大の直接選挙とも言われている今回の候補3組は特に面白いので、ミームが山ほど作られていた。
・皆の笑いものに
皆さんはインターネット・ミームを知っているだろうか。それはあらゆることをジョーク交じりでインターネットに配信したもの。あらゆることと言ったらあらゆること、この選挙も例外じゃない。
今回の候補3組とも若者受けを狙ってか、(いい意味で)謎行動を起こすことが多く、時々ミームが作られることも多い。
議論の内容、ツイッター(X)で一人の候補がミーム画像で反応したこと、一人の候補が他の候補につけたあだ名、ネット民が作ったコラ画像などなど。その候補もミームに反応することも少なくない。
説明するとクソ長くなるからしないけど、正直いうと平和で良いなと思ってる。面白いし。
・投票日
さて、投票日になると、僕らはそれぞれ決められた投票所に行く。投票所は政府が決めているようで、実家の近くを選んでくれている。僕の友達はみんな里帰りして、それぞれの地元で選挙に参加してるよ。
こういう手紙を貰うんだ。手紙には開催時間と指定された場所、そんで注意事項が書いてある。
朝早くに行くと混みそうで待つのメンドイので、10時に行くことに。が……投票所に到着するとなんとまぁ……
混み混みですな
これどこまで載せても良いか分からないからとりあえず大統領候補以外は隠すが、自分の番が来る前にここで候補が誰々でどこの政党からなのか分かる。そんで選挙のやり方などもここで予習することができるよ。
投票の仕方は紙にある好きな候補の欄を釘でぶっ刺して(物理)穴を開けて決める。同じ欄なら何度も穴を開けることができるという。正直ワイルドではないだろうか
まさかこんな時間になっても混んでいたなんて思ってなくて、まぁ来たからには呼ばれるまで帰れないしノンびりすることに。ここではお水、紅茶、コーヒー、そしてお菓子が用意されていたよ。ありがてー
人混みを見てチャンスを見出したのかアイスクリーム屋さんが来た、んであっという間に子供たちに囲まれてる。こういう所は儲かるからねー
……
……
……
結局2時間も待ってやっと自分の番が。うげー
簡単に言うと自分の番が来たら呼ばれて、投票の紙を貰って用意された場所と釘で刺して、丁寧に折って決められた箱に入れる。難しいのは候補を選ぶことと、その紙をキレイに折ること。僕みたいな不器用なやつは折るだけで時間かかったよ。
そんで終わったら、小指(どの指でも良いんだけど)をインクにつける。これが選挙に参加したことの印になる。
家族みんな終わったので帰る前にピース
・所変われば
そんな投票所だが、場所によっては面白い飾り付けがされたりするなど、インドネシア人の創造性がむき出しになる。バレンタインをテーマにした飾り付けがされたり
他にも賞金があったり、食事も用意されていたり、スタッフのみんなが踊りを披露するところもあったりと本当に(良い意味で)やりたい放題。
残念ながら、洪水にあったところもあって、こんな風にむちゃくちゃになってしまう。これは可哀想……
・選挙キャンペーン
投票日になると、キャンペーンを実施するお店やレストランが出てくる。インクのついた指を見せれば、割引や値下げなどしてもらえることもある。選挙前も後も盛り上げようとしてくれるのだ。
僕は待つのに全体力使ってしまって帰ったとたんすぐに寝てしまったよw
・まとめ
14日の投票日から結構日時が経って、結果も無事(?)出たが、それでもまだ選挙気分が抜けきっていない。場合によっては第2第3の選挙もあるが、今回は圧倒的な差だったのでそれは無いかな。
今でも選挙はホットなトピックである。多分次来るラマダーンまでこんな感じだろう。僕の小指にあるインクもまだ消えきっていない。
まぁ、誰が選ばれようと、インドネシアにポジティブな変化をもたらしてくれるのを願うよ。僕の人生はまだ長いからね、先に崩壊されちゃ困るよ
というわけでインドネシアの選挙でした! アメリカほどではないが、カオスになるのは一緒、まー国の未来を決めるようなものだからね、しょうがない
そんじゃ、Sampai Jumpa Lagi!!
執筆:アキル
Photo:RocketNews24