現在、日本全国で統一地方選挙の後半戦が繰り広げられている。2019年4月21日の投票日まで、あちこちを選挙カーが走り、候補者は自らの政策について訴えている。必要なことだとは思うが、正直うるさい。昔ならほかに訴える術がないとしても、今はスマホが普及して個人レベルまでインターネットの情報が行き届くというのに、いつまでこのやり方が続くのだろうか。

日本人の私(佐藤)でも時々うんざりするのに、外国人はどう思っているのだろう? 気になったので、在日アメリカ人に尋ねたところ、アメリカでは選挙期間中に、日本にはない別のわずらわしさがあるらしい……。それもまた面倒くさそうなのだ。

・アメリカの選挙

意見を求めたのは、当サイトの英語版( soranews24 )のライター、ケーシーさんである。彼に選挙カーをどう思っているのかを尋ねた。


ケーシー日本に引っ越した時に選挙カーには驚いたよ。日本は普段マナーがよくて、人に迷惑かけないように住宅街は静かなのに、こんなにうるさい方法で投票を訴えるのは、日本らしくないなと今でも思っている。以前の仕事は基本的に夜仕事だったから、朝(9時頃)に選挙カーが走ると寝れなかった。選挙が終わったらホッとしたもんだよ」


佐藤「アメリカには選挙カーってないんだよね?」


ケーシー「アメリカでは、日本みたいな感じの選挙カーはない。ありがたいことに禁止されているからね。日本のように近所の駅前などで、スピーチしていることもあまりないな。大手の政治家は市役所前などでスピーチすることはあるけど。アメリカは基本的にネットやテレビでの宣伝活動がメインなので、選挙に政治家本人の主張がうるさいとは感じないね」


佐藤「そうなんだ。じゃあ、選挙活動はうっとうしいとは感じないんだね」


ケーシー「いや、そうでもないよ。政治家本人よりも、政治家を応援する人の声がめっちゃうるさい。うるさいというか、うっとうしいというか。会社や学校に行ったら「私は〇〇を応援しています! 応援していない人はゴミ!」みたいな話をよく耳に入る。

学校のキャンパスならどこでもよくあるし、たまに町の道路を許可取らずにパレードみたいなことして、交通渋滞を引き起こしていることもある。

アメリカは二大政党制(共和党(Republican)と民主党(Democrat))だから、支援者の考え方も極端なんだよ。0か100か、白か黒か、みたいな極端な議論ばかりしてるよ。

「我々共和党だけが正しい、共和党の政治家の考えから少しでも外れたらアウトだ!」とか、「えっ、うそ? あなたは民主党支持じゃないの? なるほど、あなたは自分がバカだと証明していますね」、こんなのばっかりだ。

もう中世や戦国時代でもあるまいし、世にある社会問題はそう簡単で当たり前の解決なんてどこにもない。仮にその解決策があったとしても、大体0でも100でもない、その間くらいのところに答えらしきものがあるのに、アメリカでは極端な結論を導き出そうとしてしまう……」


佐藤「なるほど~(面倒くさそう~……)」


選挙にはその国それぞれの事情があるようだ。日本とアメリカで選挙のやり方を50対50でブレンドするとちょうど良くなるのかも?

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24