店の中で、私は思わず「家系」の定義をググった。「家系」の意味が分からなくなったからだ。しかし、調べた結果ますます混乱することになった。これは一体なんなのか?
そんな状態になったのは、陳麻家(チンマーヤ)という中華チェーン。
ご存知だろうか、陳麻家を。名前で何となく察しがつくかもしれないが、麻婆豆腐や担々麺が中心のお店で、王将や日高屋に比べるとガチ目の中華。
以前に当サイトでは新宿西口にある店舗のちょい飲みセットを紹介しており、今回も同じ店である。
というか、陳麻家でランチをする予定はなかったのだが、店の前に張り出された看板を見たらつい入ってしまった。なぜなら、「家系風」と書かれていたからだ。
ゴリゴリの麻婆豆腐屋で「家系」とは一体どういうことか? まぁ、「家系風」であって「家系」ではないが、“風” であっても家系を名乗るからには家系に寄せていないとおかしい。
でも、メニュー写真を見る限り家系的な要素は1ミリもない。これは実際に食べてみるしかないと思い入店。とりあえず、「担々麺セット(900円)」を注文した。
ちなみに、家系ラーメンの定義的なものを確認しておくと……
「神奈川県横浜市のラーメン店・吉村家(1974年創業)を源流とするラーメン店の店舗群、あるいは吉村家に類似する濃厚な豚骨醤油ラーメンのジャンルを指す名称」
「豚骨や鶏ガラから取った出汁に醤油のタレを混ぜた豚骨醤油ベースのスープ、太い中華麺と鶏油に、ホウレンソウ、チャーシュー、海苔のトッピングで構成される」
──とWikipediaに書いてある。だがしかし! 出てきた担々麺セットは……
吉村屋の面影はもちろん、濃厚な豚骨醤油ラーメンっぽさも皆無。ただただ、普通の担々麺である。というか、麺も細めなので、真逆と言っていいかもしれない。
これは、さすがに家系ではない。味は美味しいが、家系の解釈が幅広すぎる。“風” でごまかすにも限度があるというか、寄せる気ゼロだろ。
ただ、私が気付けていないだけで、どこかに家系的な要素があるのかもしれない。
そこで、店員さんに「家系風の要素はどのあたりですか?」と聞いてみると……
店員さん「味がしっかりしてて大盛りにも出来るところです」
……
……
……
……
美味いからOK!!!!
(おわり)