先日パスタを茹でられるレトルトソース「パキット」を試したところ、パスタを半分に折る工程でバキバキに折れて四散し、ダイニングが大惨事になってしまった。
同じ失敗はもう二度と繰り返すまい……そう考えた筆者は、思いつく限りの方法でパスタを折ってテストをする「パスタを一番キレイに折る方法グランプリ」を開催することにした。
一番キレイにパスタを折るにはどうすればいいのか? 答えを探してひたすら折り続けた様子をお届けしよう!!
・パスタを折るのは難しい
パスタを半分に折った経験がない方のため、まずはなんの工夫もなく惨敗をした前回の振り返りから始めよう。
パスタを手に持って力を込めると、
うわっ!
うわわわわ~~~っ!!!!
中途半端な位置で折れたパスタがピュンピュンと飛び交い、その勢いは思わず目をつむり顔もそむけてしまったほど。
結果、ダイニングテーブルの上はこう。
床にも細かい破片が飛び散ったため掃除機をかけることにもなり、地味なストレスがあった。
Googleで検索すると出てきたマサチューセッツ工科大学の研究によると「ひねりを加えるとキレイにパスタを折れる」らしいのだが、それは1本ずつ折った場合の話。100本近くを一気に食べる実生活においては実現が難しいのである。
・パスタを折ろう
テストを始める前に、まずは折る際の条件から設定していこうと思う。
洗い物が面倒くさいので、道具は使わず手で折ることが大前提。そのうえで手の動きから考えると、以下の点を変更しながら折っていくと結果が見えてくるようが気がする。
・両手の位置 遠い or 近い
・スピード 速い or 遅い
・ひねり あり or なし
・1度に折る量 100g or 50g+50g
少なくとも8回は実験をする必要があるため、パスタもたくさん購入してきた。
とりあえず21束。これで足りなきゃいくらでも買い足して折ってやるぜ!
なお、パスタを折るのはビニール袋をかぶせた洗濯カゴの中。これで飛び散った破片を床に落とさず簡単に回収できるね!
よっしゃ、折ったるでぇ~~~っ!!!!
・両手の位置
個人的な考えを言うと、折ったパスタが四散する一番の原因は パスタがしなる割にもろいからだと思う。
つまりパスタのしなりを封印すれば……もっと言えばパスタを持つ両手の距離を近付けさえすれば 安全に折れる予感がするのだ。
まずは両手の間隔を少し開ける。
パスタはおのおの好きな場所で折れ、小さな破片がピュンピュンと勢いよく飛ぶ。
集めてみると意外と破片の数はないのだが、折れる位置がバラバラになってしまいキレイな半分にはできない。
両手の間隔をなるべく小さくする。
……な、なるほど。
破片が少なければ、パスタの長さもほぼ等しい。
早くもほぼ正解を引き当ててしまったようで 企画だおれの気配にクラクラする。ちょっと待ってよ、ここまで準備をしたんだから最後まで走らせてよ。
・スピード
勢いよく折る方がよいのか、ゆっくり折る方がよいのか。コレに関してはどちらもいけそうな予感がするので 試してみなければわからない。
勢いをつけて一瞬で折ってみる。
瓦割りのような爽快感。
長さがいびつになっただけでなく、破片や砂粒ぐらいの小さなカケラがたくさん発生した。
ゆっくりジンワリ折ってみる。
パスタはある程度まで曲がると急に限界を迎える性質があるらしい。人間みたいだな。
ゆっくり折る方が断然キレイでした。
・ひねり
マサチューセッツ工科大学の研究結果は、1本のパスタを270度以上ひねればキレイに折れるというもの。それなら100g分を一気にひねって折るなら……?
雑巾しぼりの要領でひねりを加えてみる。
うぅぅーん。現状では一番汚くバキバキになってしまった。
まとめてひねることで、力のかかる点がかえってバラついちゃうのかな。
念のため、同じぐらいの力加減でひねらず折ってみる。
やはり断然キレイだ。
・1度に折る量
一度にたくさんの量を折ることで力のかかる点にバラつきが出るなら、逆に言えば少量ずつ折ると力は同じ場所にかかりやすいってことになる……のか?
一旦100gを一気に折ってみる。
まぁこんなもんでしょう。
特に意識をしたつもりはないのだけど、それなりにキレイに折れている。実験を通して自分のパスタ折り技術が上がっていることを実感した瞬間だ。
50gずつ2回にわけて折ってみる。
思っていたほど効果はないが、それでも破片は半分ぐらいになった。少量ずつ折った方がキレイに折れると考えても問題はないだろう。
・まとめてみた
これらの結果をまとめると「両手を近く・ゆっくり・ひねりを加えず・50gずつ」折るのが一番キレイで、「両手を遠く・素早く・ひねりを加えて・100gを一気に」折るのが一番バラバラになるハズ。まとめて試してみよう。
両手を近く・ゆっくり・ひねりを加えず・50gずつ
ちゃんとキレイに折れたぞ!
両手を遠く・素早く・ひねりを加えて・100gを一気に
地獄と言っても過言ではない。
これにて結論が出た。やはりパスタは「両手を近く・ゆっくり・ひねりを加えず・50gずつ」折るのがベストと考えられ……
いや、ちょっと待てよ?
序盤も序盤、両手を近くしただけで何も意識をしていなかった時のパスタと比較をして気が付いた。
全然変わらないっていうか、むしろ手が近いだけの方が破片が少ないよね。
──結論づけるにはまだ早い。筆者が気が付いていないだけで、もっと単純な話なのかもしれないぞ。
・両手の近さがカギだった
ひねりの有無(うむ)と一度に折る量に関しては、手が近いだけの方がキレイなため考慮しなくても問題ないだろう。
わからないのはスピード。最初にどんな速さで折ったのかを覚えていないのだ。
ってことで、
手を近く+スピード速め
手を近く+スピード遅め
一見するとほとんど違いがわからないのだが、観察してみると「速め」の方が砂粒状の細かい破片が多い。
結論、「パスタを一番キレイに折る方法グランプリ」の優勝は、両手を近くして持ち、ゆっくりと折る!
残念ながら この方法でも若干の破片が生じるのは防げない。この記事を読んでいる皆さまは、パスタを折る際は破片が飛び散っても大丈夫な鍋・シンクなどの上での作業をおすすめしたい。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
▼パスタの種類が変わっても通用するか、試してみました。
▼低糖質タイプのパスタは、しなりにくく破片が増えてしまった。より強く握った方がよさそう。
▼早ゆでタイプのパスタは卍の形をしているため細かい破片が多いが、比較的キレイに折れた。
▼輸入品のパスタは特に問題ないが、それでもこんなに破片が出ます。ただ半分に折るだけなのに この難しさよ……。
▼折ったパスタは少しずつ食べていこう。まずはグラタンを作りました。