実はキャビアはサメの卵ではないらしい。チョウザメってサメに似てるってだけで仲間じゃないんだってさ。宮崎県のサイトに書いてた。

やっぱり。サメの卵のわりには小さすぎる気がしてたんだよ。と思いきや、御徒町の鮮魚スーパー『吉池』でガチのサメの卵が売られていた。ガチの方も売っとんのか~い!

・アブラツノザメ

ピンポン玉くらいの大きさのそれはどうやらアブラツノザメの卵であるようだ。サメの卵自体を初めて見たのだが、100g150円と全然高くない

むしろレア度で考えると安いのではないだろうか。そこで7個購入してみたところ税込422円であった。鶏卵くらいの価格である。

・調理方法

そしてどうやら、調理においても鶏卵みたいなもののようだ。吉池の公式X(@yoshiike_group)のポストによると、「煮付け、オムレツなどなど鶏たまご料理と同じようにお使いいただけます」とのこと。そこでオムレツにしてみることにした。

もちろん、殻とかはなく、表面は膜で覆われていてぷにぷに。ぬめぬめしているところも含めてタコの卵を思い出す。

・オムレツを作ってみた

ただ、膜がしっかりめで切れにくく防御力が高かったタコの卵と違い、アブラツノザメの卵は包丁で切れ目を入れたら中身がドゥルドゥルッと出てきた。


中身の質感はカスタードクリームみたい。鶏卵に比べ1個が小さめなので4個割ってみた。混ぜると箸に質量を感じる。

温めたフライパンに流し込んでも気泡とかできずに薄っぺらく広がるのみ。オムレツというよりクレープ生地みたいな固まり方だ。

ひっくり返そうとフライパンを振った時、生地に感じる重みも全然別物。「ビタン!」って感じでひっくり返る

・食べてみた結果

ゆえに、ふわふわに作るのは無理だった。ちゃんと表面に黄色っぽい焼き色がついてオムレツっぽい見た目になったのがむしろ意外。魚卵もやればできるもんなんだな。良い感じにオムレツしてるやん。と思いきや、食べてみたところ……


味が全然卵じゃない


これはどちらかと言うと……


いや、なんだこれ

鶏卵のようなコクがなく、たんぱくで後味がスッキリした味の質はどちらかと言うと白身魚。ただ、食感が「ホロッ」というより「モフッ」としており、これは例えるなら目玉焼きの卵黄部と蒸かし芋の中間みたいな感じである。

白身魚の味がするというだけでも衝撃なのに、その食感が脳内で結びつかなさ過ぎてマジで初めて食べる味だ。おまけに、ほんのり魚の香りのような謎の匂いが感じられる。その臭みが本当に一瞬ほんのりする程度なので全然食べられるけど初めての味すぎてウマイかどうか分からない

・ブルーオーシャン

だがしかし、オムレツ定番の調味料をかけてみたところ見え方がガラッと変わった。その調味料とは……

ケチャップ。ケチャップの酸味と甘みで臭みが消え食べやすさが加わると素材の味がグッと親しみやすい。パンやバンズに合いそうな味だ。もしハンバーガーに挟んだらフィッシュと卵の中間の役割として新しい概念のハンバーガーが爆誕しそう

かけ離れすぎているがゆえにまだ業界に注目されていないサメの卵。しかし、ひょっとしたらハンバーガー界のブルーオーシャンになる日が来るかもしれない。現場からは以上です。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.