インターネットを中心に情報過多なこの時代。何がウソで何が本当なのか? 人は毎日のように情報の波を取捨選択している。
ライターという職業柄、私も「なるべくわかりやすく」を最優先に日々執筆をしているつもりだが、この記事でご紹介する「カツカレー」だけはそれが困難になってしまうかもしれない。
というのも、このカツカレーは「横浜中華街」「裏メニュー」「デカ盛り」……などなど、あまりにも情報が多いライター泣かせの代物なのである。
・中華街でネタ探し
つい先日、久しぶりに横浜中華街へ出かけることになった私は何かネタになるものが無いか情報を集めていた。その中で発見したのが『鳳林』のカツカレーである。
横浜中華街のど真ん中にある中華料理屋なのに「カツカレー」とは珍しい。さらに言えばメニューには載っていない正真正銘の裏メニューだそうだ。
これはネタになりそうだ……というワケで『鳳林』で食事をすることに。この時まだ「衝撃の事実」を知らなかった私は、いま思えば無邪気だったのかもしれない。
・戸惑い
さて、情報通り『鳳林』のメニューは中華料理がズラリと並び、確かにカツカレーは見当たらなかった。もちろん店内の看板などにも『カツカレー』の文字は無い。
もしかしたら売り切れとか……? 何ならもうやめてしまっている可能性も……? 恐る恐る店員さんに聞いてみると「カツカレー? はい、ありますよ」とのことであった。
良かった、これで記事が書ける……と思ったのも束の間、店員さんの口から出た言葉に私は戸惑うことになる。「大・中・小」のうち「中」をお願いしたところ……
「中のライスは600gです」
なぬ? 中で600だと? この時点ですでに他のメニューを注文していた私は慌てて軌道修正。結果、ライス400グラムの「小」を注文した。いや、400でも普通に多いぜ?
・かなりウマい
で、到着したカツカレーはやっぱりデカい! 小にしておいて良かった!! 中高年のおっさんに「食べ盛りなんで中で」などの変なプライドはいらないのである。
食べてみるとルウはかなりスパイシー。カレーの専門店で出てきても全く違和感がない超本格的なカレーである。マジか……めっちゃウマいカレーやん!
一方でカツはおそらく既製品なのだろう。そりゃそうだ、ここは中華屋さんなんだもの。それよるルウにゴロっと入った肉の塊が絶品であった。
そしてお会計のとき。メニューの載っていないため値段が気になっていたのだが、なんとカツカレーは大(800g)中(600g)小(400g)が、
「均一で1045円です」
……とのこと。横浜中華街なのにカツカレー、さらに裏メニューで、デカくて、ウマくて、均一料金で……と、あまりにも情報過多! ポイントを見失いそうである。
だがしかし……。
実は私が1番見失っていたのは「私自身」なのかもしれない。なぜならいざ『鳳林』を執筆するにあたりネット検索したところ……
すでに他の記者が書いていた。
スーーーーーン。
・やっちまった
情報収集の段階で当サイトの記事にはヒットしなかったものの、今から5年ほど前に『鳳林』のカツカレーに関する記事が公開されていたのである。や、やっちまった。
ただ本当にカレー自体が美味しかったため、あえてもう1度『鳳林』のカツカレーの記事を執筆した次第だ。ウマいものは何度食べてもウマい! ……と、強引に締めさせていただく。それでは再見(サイチェン)。
・今回訪問した店舗の情報
店名 鳳林(ほうりん)
住所 神奈川県横浜市中区山下町187
営業時間 11:00~21:00 (料理L.O. 20:30 ドリンクL.O. 20:30)
定休日 水曜日
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.