正月も終わり、もうじきバレンタインであるが、今やバレンタインは愛の告白ではなく、自分へのご褒美チョコを買う機会となりつつある。
デパートのバレンタイン催事は大勢の人で賑わい、美しい高級チョコが所狭しと並ぶ……。
そんななか、毎年、催事で出店は見かけるけど常に完売しているのが「YVAN(イヴァン)」というブランドのチョコであった。
マジでいつ見ても買えない。シンプルそうに見えるけど、何がそんなにすごいのか? 一体いつ行けば買えるのか? 実際に買ってみることにした。
・常に完売のYVAN
毎年、かなりの数のチョコレートブランドが出店し、どの店もひとつでも多くのチョコを売ろうと販売員の方が呼び込みをしている。
ゴディバ、ピエール・マルコリーニ、アラン・デュカスなどの有名店が並ぶなか、毎年、異彩を放っているのが「YVAN」の売り場である。昼過ぎに行くと「完売しました」の札がかけてあるだけでガランとしているのだ。
豪華絢爛なバレンタインチョコの中でも、YVANのチョコはパッケージも中身もシンプルなのがまた妙な存在感を放っている。
しかし、催事以外でこのブランドを見たことがないので謎は残るばかり……。
調べたところ、YVANはアメリカ・ロサンゼルスの高級チョコブランドで、数々のセレブが顧客だが、なんと紹介制。
日本だとバレンタインなどの催事のみで一般販売されるのだという……! なるほど、それでこんなに人気なのか。
・ゲットするには
ちなみにバレンタインの催事で全国14箇所に出店しているそうだが、今回は池袋西武の催事・チョコレートパラダイスで購入してみた。
開店時間の10時に合わせて池袋西武へ……。
7階の催事場の前にYVANの整理券受付専用カウンターが設置されており、まずはそこで整理券をもらうのだが……。
開店直後なのになんと渡された番号は60番。
開店前の9時45分から整理券の配布があったそうで、平日火曜なのに、開店前からたくさんの人が並んでいたのである。どこの世界にも「ガチ勢」がいるのだ。
整理券はQRコード付きで、順番が近づいたらLINEで呼び出してもらえる仕組み。ちなみに、配布されたチラシによると、整理券60番台だと呼び出しの目安は11時頃とのこと。
呼び出し通知が来たのは10時55分! ほぼチラシに書いてあった予測時間どおりである。
しかし、まだこの時点では店に行けないのだ!
催事場の入口脇にある「イヴァン・バレンティンお呼び出し状況確認モニター」の前に集合。
そこでさらに10分くらい待ったあとに、整理番号順に呼び出されて……
やっと店の前に並べるのだ!!!!!!
ちなみに、開店から1時間の時点で人気商品の「2024年限定 トリュフ4個入り」は品薄になっており、「限定味の4個入は完売するおそれがありますのでご了承ください!」とアナウンスが流れた。
実際、私の目当てもそれだったのだが私が並んでいる間に完売してしまった。なるほど、これでみんな開店前から並んでいたのか……!
最終的に、私の買う順番がきたのは11時30分……!
定番の4種の味が楽しめる「トリュフ12個入」(6954円)と、シャンパン風味のトリュフ6個入り 「シャンパンボックス」(3702円)を購入。
余談だが、こうしたバレンタインの催事は女性が多いのだが、YVANの行列には若者から年配まで男性の姿も多かったのが印象的だった。
平日の朝10時に並んでも一番人気の2024年限定品は買えなかったことを考えると、土日はすさまじい争奪戦になるのだと思う。
・気になる味は……
そんなこんなで世のバレンタインチョコの中でも入手困難なYVANのトリュフを手に入れた……!
冷静に考えて1粒500円以上するトリュフである。震える。
「トリュフ12個入」(6954円)はダーク、カプチーノ、プラリーヌ、ホワイトの4つの味が3個ずつ入ったもの。
見た目はゴツゴツしたシンプルなトリュフ。ナイフで半分に切ってみると、中にそれぞれ柔らかいガナッシュが入っている。
どこまでもシンプルなんだが、洋酒を使ったりと素材と風味にはかなりこだわっているらしい。
まずは一番ベーシックな「ダーク」をドキドキしながら口に入れると……
うむ、濃厚ながら甘さは控えめでカカオの風味が口いっぱいに広がって……
\高級チョコレートの味がする/
他の味も「プラリネ」はナッツの香ばしさが口いっぱいに広がり「カプチーノ」は本当のコーヒーのような味わいが広がった。
個人的に一番美味しかったのは「ホワイト」で、まったりしたクリーミーな甘さの中にオレンジの香りの余韻がした。
ちなみに「なんかすごいチョコを食べている」とわかりやすく感じられたのはシャンパン風味の「トリュフ6個入」の方。
こちらは本当に弾けるようなシャンパンの風味が口いっぱいに広がった。カシスの酸味やアプリコットの爽やかさも感じられて、特別なチョコだと一口食べてわかるような……。
・すごいんだと思うが…
ただ、もう一度6000円出して買いたいか、と言われたらちょっと迷ってしまう。美味しいけど、私レベルの人間だと「猫に小判」や「豚に真珠」になってしまうのだ。
たとえばコーヒーとかワインから「ドライいちじくとベリーの香り」とか「ローストしたナッツや黒胡椒のような香り」を嗅ぎ分けられるレベルの味覚ならば、YVANのすごさが分かるのかもしれない。
チョコレートの味覚が鍛えられている人ならば「こ、これはスゴイ!」と分かるけど、素人には分かりづらいというか……。
この記事を読んでいる人がYVANのチョコをもらったら、どうか心して食べてほしい。
ただの白い箱に入ったトリュフに見えるかもしれないけど……
このチョコ、一粒500円以上するから!
買うために朝から行列に並んでるから!
アメリカのセレブが紹介制で買ってる超貴重なチョコだから……!
買ってくれた人はきっとあなたを大切に思ってるから……!
行列に並んで、私が思ったことは以上である。ちなみに、整理券をゲットしても途中で売り切れることもあるそうなので、買いに行く人はご注意を!
参考リンク:YVAN、西武池袋本店
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
▼会社のみんなに配ったけど、高度すぎる味で余ってしまった……