科学の発達がSFみたいな今日この頃。ゲームもいつの間にかVRとかARとかオープンワールドとか凄いことになっている。そんな中、私(中澤)が子供の頃から何一つ変わらないゲームがオセロだ。

オセロには実はもっと可能性が秘められているのではないか? そこでオセロを超えたオセロを考えてみたぞ。

・角の向こう側

前作まではいけなかったはずの場所にいけるようになった。これはRPGとかでたまに起こる進化である。世界が広くなったような感覚がとても良い。オセロも行けなかった場所に行けるようになったら楽しいのではないだろうか。角の向こう側に行きたい


そこで行けるようにしてみた

そう、オセロ盤は正方形なのでぴったりくっつけて並べて置くだけでフィールドを拡張することができるのである。8面の盤で周りを取り囲めば、誰もが夢見た角の先にも行けるというわけだ。ありったけーの夢をー! かき集めー!!


・オセロが一面だけしか使っちゃいけないなんて誰が決めた

もう盤を並べるだけでワクワクが止まらない。オセロが一面だけしか使っちゃいけないって誰が決めた! 俺たちは行くんだ!! この見慣れた四角い世界の外に

ってなわけで、さっそく遊んでみることにした。オセロのルールは変わらないのだが、そこそこの長丁場が予想されるため打ち手の途中交代はOKということに。もっとも、私はこのゲームのだいご味を知りたいので1人でやるけど。


・ゲーム開始

真ん中に4つの駒を置くと、よりその広さが実感できる。もともとフィールドが狭いとは思ってたんだよね。

まずは何も考えずに陣地を伸ばすことに専念する。普通のオセロも始まった時点では考えることがないので、フィールド9倍になるとなおさらだ。大海に漕ぎ出していく前の気持ちは協力。はたして、この後どんな冒険が待っているのか。



・魅力その1「爽快感」

最初の興奮は開始30秒くらいでやって来た。1つ1つ取り合いながら縦に伸びていった駒の並びが世界の外に飛び出した後、一気に白にひっくりかえったのである。まだ序盤も序盤なのに5個もいかれた! だが、そんなのはまだ序の口で……

6個白になった後に7個黒にひっくり返すみたいな攻防が頻出し始める。ちなみに、オセロの盤の1辺は8マスなので直線で7個ひっくり返すということが普通はない。早くもありえない領域に突入しているが、それもまだまだ序の口で……

直線17個取り……!


実は、ゲリラでYouTubeライブ配信をしており、これはゲーム開始から15分くらいした頃なのだが、見直してみると取られた私も感嘆の声をもらしている。この豪快なひっくり返り方は確実にだいご味の1つと言えるだろう。で、ゲーム開始から30分経過した頃の盤面がこちら。



・遭難

普通のオセロであれば1ゲーム終わるくらいの時間だが、角に配置された盤はほぼ手つかず。ただし、上下左右の4つのフィールドに関しては半分から3分の1くらい進出しているため中盤戦に突入したといったところだろうか。

確かに我々は世界の外に出た。だがしかし、盤の最端にはまだ遠い。何を目標として打てばいいのか。だんだん遭難しているかのような心境になってきた。辛い時間帯の到来である。そんな時、相手側から声が聞こえてきた。「誰かかわってくれ……」と

そうつぶやいたP.K.サンジュンの目は完全に死んでいた。もはや共に世界の外を目指したあの頃の輝きはない。クッ、限界か。恐るべし、超オセロ。というわけで交代でYoshioがやって来た直後……


角をゲットしてみた。

普通最後まで残るはずの角が遭難者サンジュンにより道が繋げられていたのである。どうやら、超オセロは自分との闘いの側面がより強いようだ。何もしてないのに、帰ったサンジュンのミスをその身で受け止めるYoshio。さすが上司である



・魅力その2「ゲーム性」

それにしても、たどり着くだけでも遭難者が出る広さだけに、角を取れた時の喜びもまた普通ではない。もう勝ったやろこれ。と思いきやゲーム開始から約2時間が経過した盤面がこちら。

中の方をコツコツとひっくり返されて局面が傾かない……! 端から端までが広すぎて途中で絶対に相手の駒が入ってくるため、端が普通のオセロほどの威力を発揮しないのである。

同様に、盤面が広すぎることにより、どちらが多いのかもパッと見よく分からない。これは最後までそうだったので、お互いに行方の分からない白熱したぶつかり合いがギリギリまで続いた。意外なゲーム性と言えるだろう。



・魅力その3「絆」

気づけば5時間が経過していた。海だと思っていたら砂漠だった。その圧倒的な乾きの前に我々はただ1つ1つ駒を置き続けることしかできない。壁の外の世界は我々が考えていたよりはるかに厳しかったのである。だが、ついにその時がやって来た。そう、最後の1手である


負けられない戦い


ふりしぼった知力


時には泣き


時には笑い


時には一緒に考えた



これはみんなの1手! Yoshioが最後の1手を指した瞬間、ハイタッチが巻き起こった。もはや勝ったとか負けたとかどうでも良いじゃないか。戦いは終わったのである。言葉にするのも野暮なくらいYoshioと気持ちが1つになった瞬間であった。

というわけで、オセロの角の向こう側には絆がある。摩擦だらけの世界を飛び出して、あなたも言葉を超越した絆を掴んでみないか? ちなみに、勝負は白258対黒318で私の勝ちでした。ありがとうございました。現場からは以上です。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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