「物議」って聞くと穏やかじゃない印象がある。賛否両論というか、世間の声が割れる感じ。食べ物で言うと、よっぽど味や見た目が攻めてる場合、物議を醸したりする。昆虫食とかまさにそうだ。

英語圏向けに日本食情報を発信しているYouTubeチャンネル『Japan Eat』で「日本で最も物議を醸す食べ物」という動画が投稿されていた。イナゴの佃煮とかかな? と思いきや、紹介されている食べ物は今では当たり前になったアレでした

・すき家のチーズ牛丼

それはすき家のチーズ牛丼。今では当たり前すぎて、誰も疑問を持たないレベルかと思うが、チーズトッピングの牛丼って昔はすき家にしか無かったんだよね。

当時、卵以外のトッピングで牛丼を味変するという考えはエポックメイキングで、私(中澤)は飽きるほどチーズ牛丼を食べたものである。


・すき家のチーズ牛丼は人生

そして、ガチで飽きたため長らく食べていないのだが、Japan Eatの「私たちがここにいられる時間は短い。だから自分の好きなことをして、それを気に入らない人は無視しろ」という熱い言葉を見ると食べたくなってきた。すき家のチーズ牛丼についての動画とは思えないメッセージ性である。もはや人生。



・衝撃の変化

そこで久しぶりに食べに行ったところ、現在すき家で展開されている「とろ~り3種のチーズ牛丼」は並盛で税込580円。本当に久しぶりだから、食べていた頃より結構高くなってる。チーズもミックスチーズだけじゃなくトロけたチーズが入っていた。だが、それよりも衝撃的だったのはタバスコがついてきたこと

え、これ牛丼にかけるんですか? 牛丼にタバスコってありえるの? 和風出汁と合う気がしないんだけど。不安になりながらも、とりあえずかけて食べてみたところ……

激ウマ。和風出汁というよりチーズにピントを合わせた調味料で、タバスコの酸味によりチーズ部分がピザっぽいコントラストを発揮し極めて癖になる。思わず、残り全部にタバスコをかけてしまった。牛丼にこんな未知の領域が隠されていたとは。チーズ牛丼は止まってなかった



・なぜ物議か

では、何が「物議を醸す」のかと言うと、実はJapan Eatの動画では「チー牛」というネットスラングがあることも触れられている。陰キャっぽい外見を揶揄する言葉で使われるチー牛。物議を醸す食べ物ってそっちか。

前述の「気にするな」的な熱いメッセージもそれを踏まえてのこと。ちなみに、コメントによると海外にも似たようなミームで「Soyjack」というものがあるようだ。

というわけで、味や見た目以外でそういうイメージがついているすき家はなんか不憫だが、まあそれも好きな人が多いことの裏返しと言えるかもしれない。少なくとも、すき家が牛丼の可能性を探求しているのは本記事でお伝えした通り。エポックメイキングを更新するその味は、十数年ぶりくらいに食べても出会った頃と同じ感動があったのでした。

参考リンク:YouTube
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.


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