2023年11月24日、東京都港区に大型複合施設「麻布台ヒルズ」がオープンした。この施設には、京都発祥の「大垣書店」が入っており、従来の都内大型施設とはひと味違うテナント構成になっているようだ。
「博多天ぷらたかおUMU」もその名が示す通りに、福岡発祥の天ぷら専門店。ひょっとして、他県のブランドを積極的に取り入れる運営方針なのだろうか? お店を利用してみたところ、大穴子天丼のスケールにビックリ。
しかし食後に私(佐藤)の脳裏に焼き付いたのは、別の食材だった……。
・穴子天よりも……
博多天ぷらたかおの本社(株式会社弘商)は福岡市にある。九州を中心に西日本で店舗を展開しており、東京にも渋谷パルコ(2019年)・東京ポートシティ竹芝(2020年)にそれぞれ出店している。ここ麻布台ヒルズにこのほど3店舗目を構えた。
オープンから2日後の昼時にお店へ行ってみると予想通り行列。というか、ヒルズの開業間もないので、飲食店はどこも入店待ちの状態だ。しばらく混雑が続きそう。
1時間は待つ覚悟で行列最後尾に並んだが、幸い列の進行は早かった。待っている間にメニュ―を見ると、昼は定食と丼だけかな? もっとも安いもので税込1500円。高いものは3500円となっている。まあ、新規の高級商業施設としては妥当な値段かなあ。
単品注文できないのかと思いきや、入店すると卓上にQRコード読み取り式のメニュー札があった。追加はスマホから注文する仕組みらしい。ちなみに入店までにおおむね30分かかっている。
ここでは浅漬けと明太子がおかわり無料。待っている間に、チョイチョイつまんでいたんだけど、この浅漬けが美味い。浅漬けだけでご飯1膳余裕で行けるので、食いすぎに注意。おかわりし過ぎないように。
さて、注文したのは「対馬産活〆大穴子天丼」(みそ汁付き:税込3000円)である。メニューに写真がなかったので、かなり軽い気持ちで注文したのだが、出て来たものを見てビックリだ。はみ出すってレベルじゃねえぞ。
天丼なのに、穴子はご飯に着地していない。フタ付きの丼なら締めるのは不可能だ。どうやって食えばよいのか? 棒きれのような穴子を前に、しばし攻略方法について考えた。
とりあえず、手前から手をつけていくか。まずはマイタケ。薄衣ながら、多少時間が経っても中はアツアツだ。油断すると口の中をヤケドする恐れがあるので、慌てて食わないように。
お次は、里芋かな? と思ったら下仁田葱だった。しっかり熱が入っていて、葱の旨味がグッと凝縮されている。小粒ながら唸る美味さだ。
そろそろヤツと対峙するべきだな。推定30センチの大物だ、箸で持ち上げようにも重くて上がらない。強引に引っ張り上げると、真ん中でポキっと折れてしまいそう。
慎重に半割にすると、中からモワっと湯気が立つ。大口を開けてかぶりつくと、身はホックリとして柔らか。食い甲斐ありまくりだ、これ1本でお腹いっぱいになりそうだよ。
穴子の美味さに舌鼓を打っていると、追加注文した海老(税込300円)と帆立貝柱(税込380円)が出てきた。そうだ、スマホで頼んだんだった。穴子に夢中で忘れてたよ。
本日のハイライトは穴子天になる。そう思っていたのに、帆立にやられた! いまだかつて、これほどまでに美味い帆立の天ぷらを食ったことがない! そう断言できる。
なぜなら、中が半生だったのである。薄衣の向こうから旨味を伴うアツい汁がほとばしり、一瞬混乱した。今、何を食ったんだっけ? 帆立か! これは私の知っている帆立天じゃない。こんなに美味かったっけ?
先ほどまで穴子に釘付けだったはずなのに、私の心は完全に帆立に奪われていた。デカい穴子を食ってたはずなんだけどなあ。帆立の味しか思い出せないよ。
ということで、麻布台ヒルズに行かれる方は「ガーデンプラザB」の地下にあるこのお店もチェックして欲しい。そして大穴子天丼、いや帆立貝柱の天ぷらを食べて頂きたい。口の中にアツい汁がほとばしるぞ!
・今回訪問した店舗の情報
店名 博多天ぷらたかお UMU
住所 東京都港区虎ノ門5丁目9-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1階
時間 11:00~15:30 17:00~22:00
定休日 なし(施設に準ずる)