つい先日、運転免許の更新で東京都庁にある「運転免許更新センター」に行ってきた。前回の更新からもう5年も経ったのか……。感慨深くなるのと同時に、手続きが終わった瞬間、こうも思った。またやっちまったと──。

たしか5年前も同じミスをしたんだよな。で、次回は絶対忘れないようにしようと思ったんだよな。完全に忘れてたな。この感じだと、たぶん5年後も忘れそうだな……。

・免許の更新

「更新のお知らせ」ハガキに書かれている手続きに必要なものは以下の4点。

・運転免許証
・手数料
・黒色ボールペン(消せるボールペンは不可)
・「更新のお知らせ」ハガキ

免許証を忘れでもしたら話にならないため、財布の中身はしっかり確認済みだ。更新センターがある都庁第二本庁舎に入ると、係の人が「免許の更新ですか? 受付はあちらです」と声を掛けてくれた。すごく親切……な・の・だ・が。

ハッキリ言おう。前回も今回も敗因はこれだった。

・即手続きへ

私(あひるねこ)は案内されるがままに更新センターの受付へと進み、免許とハガキを出して申請書に氏名などを記入。続いて手数料の支払いだ。

何となくこういう役所系の手続きって現金しか使えないようなイメージがあるが、スマホの電子マネーを利用できたのは少し意外だった。QUICPay使えるんかいと。ちなみに5年前は……残念ながらまったく覚えていない。



その後、マッハで終わる視力検査をパスして、4桁の暗証番号を設定。さあ、次はなんだ? ところが……

ここで私は、ようやく思い出したのだ。アカンこれ。


このままノンストップで写真撮影だと──。

・後戻り不可

免許の写真ってのは、一度撮影したら何年も同じものを使い続けなければならない。スマホの自撮りと違って、やり直しがきかない一発勝負だ。だからこそ撮影前は髪を整えたり、でこがテカってたらあぶらとり紙で拭いたり、それなりに準備したいのである。

しかし、実際の免許更新の手続きは乗ったら最後、ゴールまで最短距離で駆け抜けるジェットコースターの如き流れ作業。一応、小さな鏡が用意されてはいるものの、あそこでしっかり身だしなみをチェックできる人は皆無だろう。

次の瞬間には、係のおじさんたちの「はい次の方! はいそこ座って!!」という怒涛の呼び込みによって、あっという間に撮影が終わってしまう。これから約5年間、事あるごとにその写真を提示しなければならないのに。

・悔恨

もちろん試験場や更新センターによって多少の違いはあるんだろうが、私はこの更新作業を終えるたび、いつも激しく後悔するのだ。なぜ受付の前にトイレに寄らなかったのか? なぜ案内されるがまま受付入口に向かってしまったのか? と。



できあがった写真は、パッと見た限りでは至って普通である。特に問題があるようには思えないかもしれない。しかしこの時、私の目はコンタクトレンズが砂漠のように乾いてパッサパサであった。

それでも「ちょっと目薬さしていいですか?」とは言いづらい雰囲気だったし、髪もどうなっているのかよく分からなかった。もしかしたらここに来るまでの間にハゲているかもしれない。

こんな悪コンディションで撮影するのか、それも免許の写真を。くっ、あの時トイレに寄っておきさえすれば……! 誰も気にも留めないだろうけど、写真に写っている私は、人知れず自身のマヌケさと学ばなさに打ち震えていたのである。

・私のようになるな

次回の更新の際は、今日の反省を必ず活かすぞ! そう誓って建物を出たが……なぜだろう。たぶん5年後も同じことをして、同じように後悔している気がする。近日中に免許の更新を控えている人は、くれぐれも私のようなミスを犯さないよう気を付けてほしい。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.