円安や原材料費の高騰の影響で物価高が止まらない。そんななかで、需要が高まりつつあるのがディスカウントスーパーだ。日本で1番高級な街、銀座にさえディスカウントスーパーの「OK」が出店している時代である。安さこそが、今の日本に1番求められていることかもしれない。

その傾向は郊外型店舗でも進んでおり、埼玉を中心に店舗を展開するスーパー「マミーマート」は昨年来、従来の店舗をディスカウントスーパー業態「マミープラス」にリニューアルしている。実際に行ってみたところ、自社製造の弁当総菜に強みがあると感じた。


・マミーマートの新業態

マミーマートは関東のみで店舗を展開しており、全国的にその名を知られているとはいえない。だが実力はたしかで、一般社団法人全国スーパーマーケット協会が主催する「スーパーマーケットお弁当・お惣菜大賞」を10年連続受賞しており、入賞数は業界最多で毎年その記録を更新しているという。


同社は2022年5月からマミープラスの出店を始め、現在(2023年11月)埼玉と千葉にそれぞれ2店舗ずつ構えている。

埼玉・西堀店を訪ねてみると、緑を基調としたマミーマートと異なり、マミープラスは赤・青・黄の3色を配したロゴを使用している。どことなく、ドラッグストアみたいな色合いだな。



中に入ると、店内はロピアと同じく一方通行になっている。


精肉商品もロピアに近い印象を受ける。やはり、どこでも安くて量が多いものが求められているのだろう。


飲料類はまるで酒屋の倉庫のごとく、ドーンと箱売り。


店内中央には大きなショーケースに冷凍食品が豊富に取り揃えられている。


アイスもめっちゃある! 小売りアイスと箱売りアイスで相当数あるぞ、販売面積でけえ!!



そしてマミーグループの真骨頂、弁当総菜コーナーである。他のスーパーと似たような品揃えに見えるけど、値段が違う。


弁当・丼・軽食各種が税別298円よりとなっており、陳列商品のほとんどが税別398円。小サイズの商品は298円である。これらの商品は500円台でもおかしくないが、実際は500円でお釣りが来てしまうのである。


ちなみにこちらの「厚切りハムカツとタマゴサンド」(税別275円)は、今年の弁当大賞でパン部門の入選を獲得している。


そのほか、スーパー惣菜の定番の1つでもあるピザはホールサイズで1枚税別500円だ。


・398円でコレ

さて、いろいろ商品を見たなかで購入したのは、カレーと鶏天である。


「国産鶏使用のやわらか鶏天」(税別398円)はテレビでも紹介されたことのある、マミーマートの人気商品。この値段で、デカい鶏天が6個ものっかっている。


鶏胸肉は加工工程で1度も冷凍していないそうだ。衣にしっかり味がついているので、何もつけなくてもそのままで十分美味しい。とにかく1個がデカいので、1人で全部食うには多いくらいだ。



それから「こだわりスパイスの国産チキンカツカレー」、これも税別398円である。移動距離が長かったので、中身が片方に寄ってしまった……。


スパイシーかと思いきや辛味はほとんど感じない。味にほどよく深みのある欧風カレーである。大判のチキンカツがのっているので、食べ応えは申し分ない。500円以下でこのボリュームはそれだけで満足に値する


マミーマートおよびマミープラスは、約80店舗のうちのほとんどが埼玉県にあり、都内にはグループのすべてを合わせてもわずか3軒しかない。可能なら都心部にも出店して頂き、毎年受賞する実力派弁当を気軽に食べられるようにして頂きたいものだ。いずれにしても、ディスカウントスーパーの出店は今後も続きそうだ


・今回訪問した店舗の情報

店名 マミープラス 西堀店
住所 埼玉県さいたま市桜区西堀7-9-1
時間 9:00~22:00

参考リンク:マミーマート
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24