私は今年で42才。今のところ健康面になんの問題も抱えていないが、着実に老いている。これから年齢を重ねるにつれて体はもっと動かなくなるだろうし、疲れは取れにくくなるだろう。──そんな将来を想像しているとき、ふと思った。
体力がなくなって、食べられる量が少なくなっているときに「マクドナルドのチーズバーガーを味わいてぇ」となったら、どうすればいいのか? と。
今なら何も考えずに食らいつけばいい。ハンバーガーの2個や3個くらい余裕で食えるんだから。だけど、老いるとそうはいかない。
ハンバーガー1個が限界になり、半分も食えるかどうかとなり、やがて1切れでお腹いっぱいに……となったら、絶対に、絶対に、ひと切れのチョイスでミスりたくない。
胃のキャパがハンバーガーひと切れ分しかないのに、「肉がほぼ無いところ」を口に入れてしまったら絶望感に打ちひしがれること間違いなしだからだ。
そこで!
「ひと切れしか食べられなくなる未来」を見据え、確実に満足できる “最強のひとくち” を探しておくことにした。
今回調査するのは、マクドナルドのチーズバーガー。まぁ厳密に言えば、年老いてひと切れが限界という状態にもかかわらずチーズバーガーを食べたくなるかどうかは分からない。
だけど、可能性は十分にある。私の場合、マクドナルドのチーズバーガーを無性に食べたくなることが現時点でちょくちょくあるからだ。
その傾向が変わらなければ、人生の最後で「マクドナルドのチーズバーガーを食べてぇ」となってもなんら不思議ではない。
想像すると居ても立っても居られなくなってので、近くのマクドナルドへ向かった。
2023年11月時点でチーズバーガーは単品200円。数十年後、この価格はどうなっているのだろう?
と思いながら、1つテイクアウト。家に帰って開封すると、包み紙からバンズのいい匂いがフワっと漂って来た。
これよ、これ。もしかすると、「私が死んだらこの包み紙を鼻に詰めて焼いてくれ」と身内に伝えることも検討した方がいいかもしれない。
さて、今回はこのハンバーガーを細かく切り分ける。自分が老人になった時のひとくちはかなり小さいだろうから、そのサイズ感をイメージして包丁を入れていく。
こんなもんかな?
苦戦しながらのカットが終わった時点で、私は将来が不安になった。というのも、どう見てもチーズがぜんぜん無いピースが爆誕したからだ。
ひと切れしか食べられない状態で、NOチーズのピースを選んでしまったら……想像するだけでゾッとする。「チーズバーガーにした意味ないやんけ!」と身内に八つ当たりする未来しか見えない。
そうならないために、チーズバーガーのチーズはバンズを満遍なく網羅しているわけではないという事実、死ぬまで覚えておこう。そして、チーズが無い “ジョーカー” は端に隠れがちということも。
つまるところ、選ぶなら真ん中のピースということになる。だがしかし……! 実際に真ん中のピースを手に取ったところで、この日1番の絶望が私を襲った。
ピクルス問題である。といっても、ピクルス無しのピースが結構あるのがダメというわけではない。ピクルスが入っているピースのパンチが強すぎるのだ。
考えてもみてほしい。年老いたときのひとくちをイメージしてカットしているので、当然ながら普段の自分がガブリと食べるサイズよりも小さい。
その小さいピースの中でピクルスが普通に入っていると、必然的にピクルス濃度が異常に高いひと切れになってしまうのだ。
老人になってこのピースを選んでしまったら、「ピクルスで殺す気か」と身内に八つ当たりする未来しか見えない。
そうならないために、何が出来るのか? 色々と考えた結果、面倒だけど事前にピクルスを取り出し、細かくカットした状態で再びハンバーガーに挿入するよう身内に頼んでおくのが最善手……という結論に落ち着いた。
またケチャップも同様で、こちらも事前にある程度ムラを調整しておいた方がいい。普段の “ひとくち” では気づかないけれど、小さいピースだとケチャップの存在感がすごいことになるから。
・最強のひとくちは?
まとめよう。調査の結果、マクドナルドのチーズバーガーで最強のひとくちは……
無い!
正確に言うと、細かくカットすると最強のひとくちは存在しなくなってしまう。
ただし……!
真ん中のピースを選び、ピクルスを事前にカットして仕込むなどの手間をかければ “最強のひとくち” を人工的に生み出すことは可能……というのが、今回の調査を通して私が得た気づきである。
老後にマクドナルドのチーズバーガーを無性に食いたくなったら参考にしてくれ。
参考リンク:マクドナルド(TOP)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼バンズを取って中を見ると、エリアによってケチャップ格差は結構ある。普通に食べる分には気にならないが、小さくカットするとケチャップ爆弾になるピースもあるから気をつけたい