コレ、めちゃくちゃ強気だなぁ。近年、奇をてらったクセのある売り方は増えてきたが、久しぶりにここまでのものを見たような気がした。なんせ商品に書いてあったのは、カレーの新常識、一度食べたらリピ確、脳内錯覚などの文字──。
このパワーワードてんこ盛りがまさかのレトルトカレーコーナーにあったのだから。パッと見たところ動物性原材料を使っていないようだが、ここまで強気となれば相当仕上がっているのだろうか。気になったからには試してみよう!
・動物性原材料不使用の野菜カレー
ということで購入したのがこちらの2種。いろいろと激しい主張はあるが、どちらも先に書いたように動物性原材料不使用。そして野菜カレーとなっている。
株式会社TWOとカゴメ株式会社の共同開発商品で、ヘルシージャンクフードを展開する日本発のプラントベースフードブランド「2foods」を冠している。値段は537円。一般的なレトルトカレーに比べ、ちょっとお高い設定だ。
・欧風カレー
それでは実際に食べてみよう。まずは「一度食べたらリピ確!」とまで書かれている欧風カレーの方から。
なんでも、こちらのカレーは8種の野菜と3つの果実、厳選したスパイスを溶け込ませているそうな。そして野菜200g分を使用しているとのことだからヘルシーな感じもする。
ちなみにレトルトカレーだけにレンジ、もしくは湯せんで温めたらOKと作るのは簡単。あとはご飯と一緒に盛り付ければ……
出来上がり! 具材がゴロゴロ入ってはいないな〜くらいでまぁ普通にカレーである。とりあえずスパイス系の香りが漂ってきて美味しそう。ってことで、サラサラ系のルゥをご飯と一緒にかきこんでみたら……
普通にウマいなぁ、ウン
野菜なのだろうか、どこか辛さの中に甘さがあって上品な仕上がりになっている。んでもって辛さにキレがあるからグイグイとご飯が進む。こりゃあ動物性原材料を配合していないと言われないと全く分からんぞ。
とはいえ、これが500円以上かという気持ちもゼロじゃない。確かにウマいが他のカレーと比べたら劇的な差があるとは感じなかった。しかし……だがしかし……!
・まるでバターチキンカレー
もう1つの「まるでバターチキンカレー」がスゴかったから驚いた。「まるで」と書いているように厳密にはバターチキンカレーじゃないのだが、もう結論から言ってしまおう。これは……
まるでというか……
バターチキンカレーだとしか思えない味だったのである。植物性の原料を使って再現しているらしいが、脳がもうバターチキンだと言って聞く耳を持たない。何も情報を与えられないと違いが分からない人ばかりだろう。
濃厚&クリーミーでちょっとした酸味もグッド。しかも、使われているソイミートも完全に鶏肉だと錯覚してしまうクオリティーだからヤバかった。正直に言おう。これはもう……
皿舐めコースの味である。誰も見ていないなら確実に舐めるレベルでウマかった。きっとこの味にたどり着くまで研究というか、相当な努力があったに違いない。
あえて重箱の隅をつつくならば、ソイミートがもっとゴロゴロ入っていたら嬉しかったくらいか。それほど完成度は高かった。これなら強気で、そして目立つように売り出す理由も分かるような気がする。
・未来は明るい
これらを食べて思い出したのが、以前食べた「カゴメの大豆ミートカレー」の存在だ。かなり仕上がっていて肉なしの未来も安泰だと感じたものだが、今回の商品にもカゴメが携わっていることで感心するしかなかった。
未来を見据えているだけじゃなく、その先の味まで追い求める姿勢が新常識を作り出すのだろう。もはや大豆ミートが当たり前になっても大丈夫。個人的に肉の未来は明るいと改めて感じたカレーだった。
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼欧風カレーの原材料はこんな感じ
▼まるでバターチキンカレー