森永ビスケットのロングセラー商品「ムーンライト」「チョコチップクッキー」「チョイス」。素朴ながらも完成された美味しさで世代を超えて愛されている。

特に「ムーンライト」は、公式の森永ビスケット人気投票でダントツの1位となった、シリーズきっての人気商品である。卵の風味が豊かで、食べ始めると手が止まらなくなるよね。

2023年秋、そんな「ムーンライト」「チョイス」「チョコチップクッキー」に異変が起きた……! チョコがけになった贅沢版が発売され、話題となっているのである。

・チョコをかけたら美味しいのか

このたび発売されたのは以下の3種。


・ムーンライト仕立てのチョコチップクッキー


・チョコにそまった贅沢ムーンライト


・チョコをまとった贅沢チョイス


「チョコチップクッキー」はクッキー生地をムーンライトにして、「ムーンライト」と「チョイス」にはチョコをかける……というアレンジがなされている。

ただでさえ美味しいものに、さらに美味しいものをプラスしたら、超激ウマになるはずだ という発想から生まれたアレンジだと思う。

たしかに3種類とも美味しかったのだが……、ちょっと気になる点もあったので忖度ナシでいかせてもらう。


・ムーンライト仕立てのチョコチップクッキー

食べたときの第一声は「何がしたかったんだ……」である。生地はムーンライトと同じのようでいて微妙に違う。そして、チョコチップが少ないのだ。「チョコチップクッキー」ってのは、あのゴロッゴロに入った、食べごたえのあるチョコが魅力のはず。ところが、ムーンライトの甘さ強めな生地の中で、チョコチップの存在感が消えているのだ。

大物ミュージシャン同士がユニットを組んで「夢のコラボ!」と話題になったものの、できた曲はそこまでヒットしなかった……という現象を思い出した。美味しいものの、ムーンライトの良さも、チョコチップクッキーの良さもイマイチ生きてこなかった。



・チョコにそまった贅沢ムーンライト

ムーンライトの外側にチョコレートをコーティングしただけでなく、クッキー生地もココア風味になっている。「チョコに染まった」とは言うけれど、ちょっと染まり過ぎじゃないか? 

ていうか、生地がココア風味なら「ブラックムーン」のチョコがけじゃないか! 森永ビスケット素人向けに説明すると、「ブラックムーン」とは昨年登場してレギュラー入りを果たした「ムーンライト」のココア風味バージョンである(とても美味しい)。

外側にチョコ、内側にチョコで非常に濃厚なチョコクッキーではあるものの、卵の風味がする「ムーンライト」の面影はいずこへ……。ムーンライト好きはちょっと寂しかった。


・チョコをまとった贅沢チョイス

3種類の中で、健闘していたのがチョイスのチョコがけ。生地にほのかな塩気が入っていて、チョコの甘さが際立っている。あと、チョコがかかったあとのチョイスの刻印がかわいい。

だけど、なんか食べたことがある味がするのだ……。

記憶の糸をたどった結果、出てきたのはチョコがけの「マクビティ」グリコの「フレンドベーカリー」であった。チョコ×ビスケット、つまり間違いない組み合わせってことだろうか。



・うまい+うまい=激ウマ なのか?

どれも美味しいチョコクッキーであるのはたしかだった。だけど一回食べたらそれで満足というか、「めっちゃ美味しい! またリピートする!」みたいな感動はそこまでなかったのが本音であった。

ステーキにウニやイクラを載せたからって美味しいとは限らないのと同じような気がする。料理は足し算すれば単純に美味しさも増えるわけではない……ということを感じた。

「ムーンライト」と「チョイス」の素朴な美味しさ、「チョコチップクッキー」のチョコのゴロゴロ感を愛する原理主義者としてはあれはシンプルだからこそ完成されていたんじゃないか……と。

我ながら、発想が清純派アイドルが化粧をした途端に「けしからん!」と怒り出す古参ファンみたいでキモいと思うが、何十年もロングセラーが変わらないのはその完成度の高さゆえ……なのだろう。

何もつけなくてもすでに完成されている「ムーンライト」「チョイス」「チョコチップクッキー」の強さをあらためて感じたのだった。


参考リンク:プレスリリース
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.