チキンラーメンは日本人の心。よく考えたら「ラーメン?」という代物なのに、たまに猛烈に食べたくなるのは私(中澤)だけではあるまい。チキンラーメンはチキンラーメンという食べ物なのだ。ここまで馴染むと、むしろ、そのオリジナリティーに敬意すら感じる。

そんなチキンラーメンを食べている時ふと思った。「ケンタッキーでチキンラーメンを作ったら、チキンが濃縮されて激ウマなのではないか」と。そこで作ってみることにしたぞ。

・オリジナルチキンラーメン

以前の記事で、チキンラーメンにケンタッキーのナゲットを入れるまでは試したことがある私。ぶっちゃけあれは失敗だったが、今回試すのはただ入れるだけとは根本的に違う作り方である。つまり……

オリジナルチキンの骨を煮て、その出汁でチキンラーメンを作りたい。お湯で作っても、ウマイチキラースープなんだから、お湯を骨の出汁にすればさらに鶏が濃縮されるのではないかと思ったわけである。名付けて「オリジナルチキンラーメン」DA



・骨で出汁を取る

まずは、オリジナルチキンの肉を手で剥がす。ケンタッキーの肉はプリプリしてるから、肉が「プリン!」と剥がれて骨が取り出しやすかった。出汁のことを考慮すると、少しくらい骨周りに肉が残っているのも味が出やすそうである。


続いて、骨を鍋で煮てみた。1度沸騰させた後、火を弱めて灰汁を取ると、早くも色が濁っていて味が出ている雰囲気。

何分くらい煮るものか知らなかったので、様子を見ながら弱火でコトコトしていると、10分くらいで香りも立ってきてかなり良い感じになった。衣を剥がしたおかげか思ったより灰汁も出ず、脂でキラキラした出汁はなんかガチ感がある。元はケンタッキーのオリジナルチキンとは思えない。



・濃縮チキラースープ

温かいうちにオリジナルチキン出汁をチキンラーメンにぶち込む。すでにチキンラーメンスープみたいな色をしているが、ここからさらにチキンラーメンスープが溶けだしてくるはず。


後はふたをして3分待つだけ。このふたは帳(とばり)。今まさに、中では2つのチキンがぶつかり合い混ざり合って濃縮されているはず。これぞケンタッキーと日清の渋谷事変

さて、時がきたよ家族達、猿の時代に幕を下ろしチキンの楽園を築こう。3分経ったのでふたを開けると、なぜかスープの透明度が増していた。




・完成

その姿は全くもってただのチキンラーメン。一応、オリジナルチキンの肉を乗せて当初想定していたブツは完成にこぎつけたのだが……


味もただのチキンラーメンだったらどうしよう? チキンラーメンが強すぎて全てを塗りつぶしてしまっているのかもしれない。見た目からそんな不安を覚えつつ食べてみたところ……



おお……


めっちゃウマイ

チキラースープの鮮烈さだけでなく、まろやかさも加わっていて味が深い気がした。麺にもしっかり味がついており、懐かしさはそのままにちょっとした深みの加わった味は癖になる。止まらねェェェエエエ



・超最強

うっかりラーメンだけ一気食いしてしまいそうになった。まあ、スープが濃縮されることが目的だったからそれでも良いんだけど、せっかくなのでオリジナルチキンと一緒にも食べてみたところ……

100倍ウマイ……!


衣がふにゃふにゃになっていまいちかもとも懸念していたのだがとんでもない。オリジナルチキンの衣のスパイシーさがチキンラーメンの味と融合してネクストステージが見えた。鶏肉の味はもちろん、オリジナルチキンの味付とチキンラーメンがここまで相性抜群とは。

チキラーのエキス、鶏肉のジューシーさ、オリジナルチキンの味……この3つが混ざり合う丼はチキンの結界。丼でチキンが領域展開している。

無限に広がるチキンの宇宙を垣間見た「オリジナルチキンラーメン」。まさしく、チキンラーメン呪術界の五条悟と言えるのではないだろうか。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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