これは天才なのか? それとも逆? いずれにせよこの記事で紹介する『元祖ラーつけ麺』は、人類が辿り着いた超画期的なメニューとしてラーメン史にその名を刻むことだろう。

誰もが思い付きそうで、仮に思い付いても形にはならなかった『ラーつけ麺』──。もしかしたら数年後、日本各地のラーメン店で『ラーつけ麺』はあたり前の存在になっている……かもしれない。

・亀戸から世界へ

つい先日、御徒町方面から秋葉原へ向かって歩いているときのこと。私(サンジュン)の目に一瞬では理解できない文字が飛び込んできた。そこにはこう書いてある「ラーメンつけ麵を一度に喰える 元祖ラーつけ麺」と。

はて……? 君は何を言っているんだ? 「ラーメンとつけ麵を同時に食べられる」ってそんな需要あるか? ……いや、あるかも。私自身は「ラーメン or つけ麺」で悩んだ経験はほぼ無いが、世の中には「ラーメンもつけ麺も美味しい店」だって少なくない。

さらに店頭にあったポスターには「これまでのラーメン業界の常識が変わる!!」と、勇ましいキャッチコピーが記されていた。その店は秋葉原の「超ごってり麺ごっつ」。亀戸に本店を置く背脂チャッチャ系の人気店である。

さすがに「亀戸から世界へ」には笑ってしまったが、誰もがあたり前にように選択していた「ラーメン or つけ麺」に “第3の選択肢” を与えた発想力と実行力は素晴らしい。これは食べてみるしかないヤツであろう。


・第3の選択肢

というわけで『元祖ラーつけ麺』をオーダー。価格は1480円であった。ラーメンはスタンダードなしょう油ラーメンで、3段階から背脂の量を先約可能。また、つけ麺もしょう油と味噌のカテゴリ全5種類の中から好きな味を選べるようになっていた。

今回はどちらもスタンダードに背脂はごっつ(普通)、つけ麺はしょう油を注文。そして数分後、人生で初めて目にする『ラーつけ麺』が現れた。



偏差値が低いんじゃあ!!!


特製の丼の右側にはラーメン、そして左側にはつけ麺。さらにつけ麺用のつけ汁が運ばれてくる。世の中の誰も気付いていない『元祖ラーつけ麺』のため、わざわざ丼まで作ったのかと思うと熱い涙を禁じ得なかった。

で、ボリューム的にはそれぞれが0.6人前ずつくらい(?)といったところだろうか? 単純にラーメンとつけ麺を1人前ずつ、合計2人前が提供されるワケではなく『元祖ラーつけ麺』はあくまで1人前の料理として提供されている。


・オーダーのコツ

味は「いつものごっつ」としか言いようが無く、店員さんがデフォルトで「スープがしょっぱかったらお申し付けください」と言うラーメンは塩分がかなり濃いめ。そして背脂も「これで普通?」と思うほどギトギト of ギトギトだ。

つけ麺も恐ろしいほど背脂が浮いているが、味は比較的まろやか。ただ「味の違いを楽しむなら味噌にすればよかった」と感じたことを記述しておく。今回は似た味を頼んでしまったが、どうせなら違う味を注文した方が『元祖ラーつけ麺』の真価を発揮できることだろう。

この先、ラーメンとつけ麺を同時に味わえる「ラーつけ麺」が普及していく可能性もゼロではあるまい。だが覚えておいて欲しい、ラーつけ麺の元祖はごっつであると。売れるかさえわからないのに、気合いを入れて特製の器まで作ったのはごっつであると──。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 超ごってり麺ごっつ 秋葉原店
住所 東京都千代田区神田松永町18-1 ビオレ秋葉原1F
時間 11:00~翌04:00
休日 年中無休

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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