2021年6月の販売開始以来、人気を呼んでいるローソンストア100の「だけ弁当シリーズ」。発売開始から2年を経てシリーズ累計418万個(2023年7月末)を超えるヒットとなっている。
その第8弾が8月23日より発売されている。今回は「漬物 “だけ” 」。実物を見たら、そのわびしさは限界を突破! その向こう側に新しい世界が見えた……。
・わびしき世界
最初に販売されたのは「ウインナー弁当」である。おかずはウインナー5本だけ。申し訳程度にスパゲッティも入っていたが、その潔さが話題となって爆発的なヒットを遂げた。
現在(2023年8月末)はウインナーのほかに、コロッケ・ミートボール・玉子焼きだけをそれぞれ税別200円で販売している。近くのお店に行ってみると……。
だけ弁当シリーズは「人気商品」として棚の一部を占拠している状態。2年前にここまで売れるとは、誰も予想できなかっただろう。
「だけ」とはいっても、これまではおかずは十分に存在を感じられた。ウインナーしかり、コロッケしかり。
ミートボールや玉子焼きも、弁当らしさをギリギリ保っていた。
正直にいえば、おかずが1種類はわびしく、頼りない弁当と言わざるを得ない。本当にギリギリ、土俵いっぱいで踏みとどまっていた。
だが、新作の漬物はこうだ。
新発売なのに、すでに30円引きのシールが貼られている。商品の “出” が悪いのかも。立体的なおかずが乗っていないため、絵的にはのっぺりとしている。
だが、おかずと呼べる漬物がちゃんといるんだぞ。塩味のきいた広島菜漬と……。
しそ風味の安藝紫。
そしてド真ん中には日向漬である。多少心もとないけど、おかずはゼロではない。ちゃんといる!
実際に食べてみると……、結構美味いんだよ。ご飯にはゆかりがまぶしてあって、しその風味が食欲をそそる。1度箸をつけると、一気食いしちゃいそうなほど止めどなく食えてしまう。
美味しいんです。みんな好きな味、とくに中高年のウケは良さそうだ。
この味を強いてたとえるなら「禅」の世界、精進料理の域に達している。動物性の食材に頼らず、菜食のアプローチによって生まれたであろうこの弁当は、まさにサスティナブルだ。ひと口食べるごとに、私(佐藤)の脳裏には遠い未来が見える、地球の息遣いが聞こえる、宇宙の鼓動を感じる。
そうだ、この弁当は宇宙だ!
漬物だけしかないんじゃない。白米の上には全てがあるのだ!
わびしさの向こうに宇宙を感じるぞ!!
……と、まあ妄想は置いておいて。気になるのは、コレを「弁当」と呼ぶべきか? だ。おかず扱いしてるけど、乗ってるのは漬物だけだしねえ。おにぎりにしちゃった方がよかったんじゃないの? と思ってしまう。
だがよく考えると、白米に梅干しを置いただけのものを「日の丸弁当」と呼ぶので、まあこれも弁当で良いかも。とにかく見た目はわびしいけど、結構美味しいのでオススメです。時間をかけてヒットしそうな商品だぞ。