VELOCE ← この表記を見て、「なんて読むんだろう?」と思っていた頃から、私はコーヒーゼリーをよく注文していた。やがて「ベローチェ」と読むと知り、コーヒーフロートにハマり出しても、コーヒーゼリーは特別な存在であり続けたように思う。

早い話が、私の中でコーヒーゼリーはカフェ・ベローチェの象徴だった。ところが……。つい先日ベローチェへ行ったところ、最強の地位に君臨しているはずのコーヒーゼリーが寂しそうに佇んでいるように見えたのだ。


といっても、コーヒーゼリーの味が変わったとかそういう話ではない。コーヒーゼリーは相変わらず最高なのだが、異色のライバルが出現していたのである。その名は……


「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」。私は思わず商品写真を二度見したが、たしかにそれは「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」だった。

私の知る限り、ベローチェは年配の利用者が結構多い。もちろん若い人もよく見かけるが、スタバに比べるとサラリーマンや高齢者の割合が高いように思う。

それだけに商品ラインナップは堅実で、定番のもので固められている印象があった。しかし、それは過去の話であることを「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」が教えてくれたのだ。

っていうか、商品名が「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」って……。陽キャすぎるだろ! 制服がきっちり決まっている高校にアロハシャツの転校生がやってきたくらいの衝撃である。



こんなヤツがショーケースに並ぶと、当然ながら目立つ。言い方を変えれば、他の商品が目立たなくなる。しかも、「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」はコーヒーゼリーの隣に鎮座していた。あろうことか、王のサイドポジションを取るとは……!

隣に並ばれたコーヒーゼリーの気持ちを考えると、私も穏やかではいられない。ここは「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」の味を確かめて、コーヒーゼリーが今でも最強であることを証明したい。

そう思った私は、「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」を食べてみた。いきなり感想を書くと、「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」な味だった。


「そのままだろ!」と言われそうだが、ほんと商品名通りの味だったのだ。ココナッツ風味がほんのりとするマンゴープリンに、パイナップルのソースがかかっており、上にソフトクリーム。


ちなみに、「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」はベローチェで開催中のフェア『一瞬でハワイアン』の関連商品で、2023年9月13日までの期間限定。価格は単品420円(セット660円)だ。


コーヒーゼリーは単品370円だから、「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」の方が50円高いってことになる。で、どっちが美味いかというと……わからない。

あまりにも味の系統が違うので、なんとも言えないという方が正しい。ただ、私が思ったのは「ベローチェは若者を取り込もうとしてるんだろうなぁ」ってこと。


先にも述べたように、私の中では「ベローチェ=年配層が多い」というイメージがあったし、この先ずっと同じような感じなんだろうとぼんやり考えていた。しかし、それは私の思い込みだったようだ。

ベローチェは変わろうとしている……! いや、もっと前から変わろうとしていたのだろうが、少なくとも「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」は変化のための大きな一歩だったのではないか?



となると次は一体どんな商品が発売されるのだろう? 「ココナッツ・マンゴープリン〜パイナップルソース〜」より派手なものを出してくるのだろうか?

それとも逆に地味路線か? ベローチェの次の一手が気になって夜も眠れない……ほどではないが、シンプルに楽しみである。

参考リンク:カフェ・ベローチェ「一瞬でハワイアンフェア(PDF)」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.