禁煙にチャレンジしてから1ヶ月以上が経った。いまもまだ禁煙補助薬のニコチネルパッチをしている身ではあるが、もう峠は越えたのではないかと自信を持てている。ここまで来たら大丈夫! やれる……やれるぞ……!!

そして禁煙をしたらしたでいいことだらけ。最初こそキツかったものの、日を追うごとにやって心底よかったと思っている。ということで今回は「禁煙して心底よかったと思った10のこと」をお届けしたい。

・喫煙所を探さなくていい

まずもっともよかったと思っているのは、喫煙所を探さなくていいことだ。これまで初めて行く土地を訪れる際には事前に喫煙所の場所を調べ、どこで一服できるかを把握していた。しかし、今考えるとなんて不毛なことをやっていたのだろうと思うしかない。

また近年、喫煙者に対する風当たりは非常に強い。タバコを吸うのに苦労するケースが多い上、場所によっては喫煙できるところがないなんてこともあるから、そのことを一切考えずに動けるようになったのはとにかくよかった。


・居酒屋で周りに気を使わなくなった

んでもって居酒屋も同様だ。これまでだと「席でも喫煙できるお店」を優先して探し、次に「喫煙ブースのあるお店」へ行こうとしていた。喫煙目的店という看板に嬉しさを覚えていたあたり完全に依存症だった。

禁煙した今なら喫煙所があろうとなかろうとどうでもいい。周りが非喫煙者ばかりでも気を使わなくていいし、タバコが吸いたくて頻繁に席を外すことがなくなったのは心底よかったと思う。


・持ち物が減った

そして何気に「楽になった」と感じているのが持ち物関係。というのも、私はアイコス(イルマ)を吸っていたのだがデバイス、スティック、充電器、ケーブル、さらにはスティックがデバイスに詰まったときのためのピンセットといったように、とにかく持ち物が多かったのだ。

これがゴッソリなくなったことに加え、デバイスの充電の心配もしなくてよくなった。なぜあんなに荷物が多くなりながらも吸っていたのだろうと不思議に思う。盲目も盲目。これも禁煙したから見えた世界だ。


・金銭事情

あとはリアルに金銭面でも良さを実感している。昔のタバコ代ならまだしも、今は500円オーバーのものばかりで1日1箱……もっと吸おうものならバンバンお金が飛んでいく。月に換算すると2万円オーバー。これまで使った金額を考えるだけでゾッとする。

今じゃ、なんでお金を払ってまであんなものを吸っていたんだろうとさえ思っているから不思議なもの。禁煙したら金額だけじゃなく、健康もついてくるし。ちなみに私は節約できたお金でゴルフのレッスンに通うようになって新しい趣味ができた。


・タバコに縛られない時間を手に入れた

物事を進めるにあたり優先順位はあるが、上位に来ていたタバコが消えたことで時間に縛られなくなった。例えば乗り物に乗るときなんかそう。電車、飛行機、新幹線などに乗る前はずっと喫煙所にいた。

しかし、今はわざわざ喫煙所という箱にまで行かなくていいし、「吸いだめ」なんてこともしなくていいのだ。タバコの呪縛から逃れられたと言おうか、タバコを買いに行く時間や手間もなくなったし本当にいいことしかない。


・睡眠の質が向上

そして個人的にもっとも改善を実感しているのが睡眠の質。禁煙当初、眠気とダルさに悩まされて早く寝ていたが、時間が経って落ち着いたら結果として早寝早起きの生活サイクルを手に入れることができた。

それに伴い、目覚めが段違いによくなって目覚めてから起き上がるまでのスピードが尋常じゃなくなった。これまでダルさがつきまとっていて起き上がれなかったのが、嘘のようにサッと起床。快適な朝を迎える日が続いている。


・臭いに敏感になった

また、喫煙所の近くが想像以上に臭いことにも気づけるようになった。何より恐ろしいのが、そんな環境で「たいして臭わない」と思って自分も吸っていたこと。それくらい加熱式でも十分臭いがするのだ。

今じゃ喫煙所の近くを通るだけでも臭さがキツいし、そりゃ非喫煙者たちはタバコを吸ったことに一発で気づくワケである。人によっては結構な不快感を与えていただろうし、そのことが分かっただけでも禁煙の意思がより固まった。


・飲食が美味しく感じる

よく聞く話ではあるが、本来の味覚を取り戻して食べ物と飲み物が美味しく感じるようになった。禁煙して1週間くらいだとそう感じなかったものの、1ヶ月以上も経つと何気ないところで自分の感覚が研ぎ澄まされているのが分かる。

問題は美味しすぎて太ってしまうことなのだが、幸い私はこの春からやっていたダイエットの影響で胃が小さくなっていてそう食べられない。とはいえ、禁煙したら食べすぎてしまう人がいるのも納得だ。それくらい味を感じる自分がいる。


・依存から抜け出せた

それから依存から抜け出せたのもよかった。禁煙序盤こそニコチンは当然として習慣的な依存にも悩まされたが、徐々に離脱していって今は安定してきた。何度もタバコのことを思い出すあの感覚……もう脳がやられていたとしか考えられない。

これまで「タバコなしじゃ仕事がはかどらない」「タバコがないと人間関係が円滑にいかない」「喫煙所で繋がりが生まれる」など思って生きてきたが、これらは全部思い込みだとようやく気づいた。いわゆる依存による思考回路だったのだ。


・自信がついて人生変わった

タバコをやめたことで自信がつき、今は毎日浴びるように飲んでいたお酒との付き合い方も変えた。健康志向になったというか、もう人生さえも大きく変わったと言っても過言じゃない。それくらい自分で自分を後押ししてあげられるものを得ることができた。

百害あって一利なし。それを分かっていながら一度手を出したばかりに吸い続けてきたが、勇気を出して一歩を踏み出して本当によかった。依存症から抜け出す苦しみこそあったが、耐え抜いて本当によかった。この記事が禁煙したい人の一助になれば幸いである。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.