数時間前にカルディの店頭にうず高く積まれたワインボトルを見たとき、私は半年ほど前の出来ごとを思い出した。あれは2023年の正月のこと。私はカルディの『WINE福BOX(※開封するまで中身がわからないワイン箱)』を買おうとしており、どの箱を選ぶべきか店頭で悩んでいた。すると、店員さんがこのように教えてくれたのだ。
店員さん「一般的にスパークリングワインはボトルがやや重いので、箱も重い傾向があるんですよ〜」
──そのアドバイスを活かすときが来たようだ。今まさにカルディで同じようなことが行われている。賭けではあるが、アドバイスを受けた自分は情報面で有利ではないのか? その優位性を活かせば、お高いシャンパンをゲットすることも……可能ぉぉぉおおおおおお!!!!
・シャンパンが飲みたい
私がカルディで見たワインの山は『サマーチャンスボックス』といい、簡単に言うとワインガチャ。基本的にどのワインが当たるかは分からないのだが、ワインの銘柄一覧は店頭に掲示されていた。こんな感じだ。
表を見ると、もっともお高いのは「シャンパーニュ・ポール・グール ブラン・ド・ブラン プルミエ・クリュ(参考価格7500円)」で、60本に1本しか入っていない。
一方、たとえば「チャカナ・ワインズ・クエバ・デ・ラス・マノス・マルベック2021(赤 / 参考価格2200円)」だと60本に11本の確率だから、先の「シャンパーニュ」よりは当たりやすいことが分かる。
料金は1回1540円(税込)。どれを選んでも2200円(税抜)以上のワインが入っているようなので、損はしない。だから何が当たってもいい……わけではない! 私が欲しいのは「シャンパーニュ」。もっともお高いヤツだ。
確率的には厳しい戦いとなるが、手で箱を持って重さを調べれば、この勝負、勝ったも同然だろう。なにせ、私が欲しい「シャンパーニュ」はスパークリング。先の店員さんのアドバイスに従うならば、重い箱を選べばいいってことになるのだから。
店頭のPOPにも「持ってみて!!」と書かれているから、お言葉に甘えて持たせてもらう。本音を言うとスケールを持ち込みたかったが、さすがにそれはマナー違反。自分の手の感覚を信じて、もっとも重い箱を見つける。指先の神経に全集中だ。
・手の感覚だけが頼り
ところが、実際やってみると結構難しい。「1番重いのはこの箱だろ」と思ったら、数分後には「全然重くないじゃん」と感じたり。逆に「めっちゃ軽いから除外」してたヤツが、2回目に持つと「意外と重いな」となったり……。
正直なところ混乱した。ただ店頭で悩み続けるのも迷惑だから、適当なところで切り上げてレジに持っていく。本来は1本にしたかったのだが、どうしても選びきれなかったので2本にした。
このうちのどちらかはシャンパン……いや、最悪シャンパンじゃなかったとしてもスパークリングではあるはずだ。なぜなら、重い箱を選んだのだから。
・開封の儀
では答え合わせといこう。まずは1箱目。箱を開けると……
え?
赤ワイン!?
全然スパークリングじゃないじゃん! と思ったが、同時に私の心の中にいる仙道が「まだ慌てるような時間じゃない」と言っていた。もう1本買ってあるじゃないかと。
残っている方がシャンパンであればなんの問題もない。残り2分で逆転だ。というわけで、こちらもいざ開封! すると……
は!?
なんと……
1本目と全く同じ!
っていうか、ワインは12種類も用意されているのに……シャンパンを狙ったのに……2本しか買ってないのに……その2本が赤で銘柄が被るって! ある意味で奇跡!!
これはもう「赤ワインを飲め」と神様が言っているようなものだから、赤ワインに合う肉でも買ってくるか。
ちなみに、我が家でいつも買っているのは数百円のボトル。今回当たった「カーメナイ・ピノ・ノワール2020(参考価格2500円)」は普段飲めない価格のワインなので、大変ありがたい。思いっきり堪能するとしよう。
そういえば、私が近所のカルディで『サマーチャンスボックス』を見たとき、「残りわずか」みたいな感じだった。なのでもう終わっている店舗もあるかもしれない……が、もし終わっていたら正月を待て。
これまでの流れを考えると、カルディが来年の正月に似たようなものを販売する可能性は高い。そのときまで「運」をキープしておくのも悪くない。長いスパンで見れば、まだ慌てるような時間じゃないのだから。
参考リンク:カルディコーヒーファーム「サマーチャンスボックス」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.