毎回あまりにも本気すぎて、もはや狂気すら感じるセブンイレブンのカレーフェスこと、カレーの祭典。
泣く子も黙るカレーの名店とコラボしまくり、モノマネ王座決定戦なみのクオリティでその味を再現してくる。私が街のカレー屋さんだったら廃業しているかもしれない。
老舗のデリー、行列がすさまじい魯珈、食べログのカレーランキング1位の荻窪トマト……とコラボしてきて、さすがにもうこれ以上は無理だろうと思っていた。それでも毎回「マジかよ!」と思わせてくる。
今回のカレーフェスのヘッドライナーは「エリックサウス監修 ビリヤニ バスマティ米使用 チキン&バターチキンカレー」である。
全国のコアなカレーファンが震えた理由は……。
・ついに本気のビリヤニが来た
カレーフェスの常連ならば気づくかもしれない。「あれ、エリックサウスって、毎回コラボカレー出してない?」「前もビリヤニ出してなかったっけ」と。
そう、そのとおり、エリックサウスはセブンのカレーフェスに必ずと言っていいほど参加している店である。現在のおしゃれな南インドカレーのプレートやビリヤニブームの火付け役と言ってもいい名店。
フェスに毎回出てきて、会場を盛り上げてくれる中堅バンド……的な立ち位置だったかもしれない。
実際、以前のカレーフェスで、ビリヤニも出していたが……今回のカレーフェスで出してきたビリヤニはそれとは2段も3段もレベルが違う! 本気も本気の本場のビリヤニを出しちゃったのだ!
・バスマティライス使用の衝撃
ちょっとその前にビリヤニの説明を簡単に。ビリヤニというのはインドの宮廷料理で、スパイスをたっぷり使って、壺の中で米を蒸して作る料理。インド風の炊き込みご飯のような、チャーハンのような、ドライカレーのようなものである。
カレーブームでジワジワと流行しているのだが、ビリヤニは作るのが難しいのでどこででも食べられるものではない。
ビリヤニで使われるのは細長くてパラパラとした香り高い「バスマティライス」と呼ばれる品種の香り米。パラパラ系のインディカ米の中でも最高級のものなのだ。ちなみに、炊き方も日本のお米とはちょっと違っているみたい。
で、今回の「エリックサウス監修 ビリヤニ」は、そのバスマティライスを使っているのだ〜! 日本でなじみのない食材をコンビニご飯でガッツリ使っちゃう勇気よ。
ちなみに、ビリヤニは本場インドでは結婚式などのめでたい席で食べる料理らしい。それが日本のコンビニに並ぶんだから、意味でもインド人もビックリではなかろうか……。
・食感よし、香りよし、味よし
カレーファンの間でこのバスマティライス使用ビリヤニの衝撃はすさまじく、売り切れが続いてたんだけど、やっとこ入手。価格は税抜680円。安い。
まずはお米をチェック。うん、このひょろ長いお米、間違いなくバスマティライスだわ。香り付けで赤いサフランがかかってるのも彩りがよくて素敵。
レンジでチンして、蓋をあけたらスパイスの香りがブワ〜っと部屋中に漂って、インド料理屋さんみたいになってしまった。
まずはビリヤニ単体でひとくち。スプーンで掬った感じもパラッパラ。香りが良くて、これ単体で食べても十分美味しい。スパイスがガッツリ効いた、パラッパラのカレーピラフみたいな感じかもしれない。
そして一緒についているカレーは2種類。チキンカレーとバターチキンカレー。両方ともチキンで勝負してくるあたり、本気を感じさせる。これがね、同じチキンカレーでも味も香りも辛さもまっっったく違うんですのよ。
まず、右側がみんな大好きバターチキンカレー。こちらはココナッツミルクの甘さとちょっとマヨネーズみたいな酸味も感じられるまろやかな風味。街のインド料理屋さんでよくある、トマトの風味がきいた甘いバターチキンとはひと味違う。
そして左側がチキンカレー。こちらは辛口でサラッとした風味なんだけど、使われているスパイスの種類のせいか、少し苦味のある独特の風味。クローブっぽい香りがする。食べているうちにジワジワと口の中に辛さが広がっていくような、ほどよいスパイシーさ。
ビリヤニはもちろん、バターチキンもチキンカレーも、どちらも家庭では絶対に作れないような奥深い味に仕上げてあるのだ。これはまさにエリックサウスの味に近いと思う。
ビリヤニ単体でも、バターチキンカレーとチキンカレーを混ぜながら食べてもいいし、一皿で4つの味を楽しめる。
・地方でも食べられるぞ
うれしいことに、発売エリアは全国。かなり本格的な味なのでビリヤニを扱うお店が近くにない、地方在住の人にこそ食べてほしい。
いやしかし、こんなビリヤニがまさかコンビニで食べられるなんて、いい時代になったもんだと思うと同時に、やっぱりセブンのカレー担当者は、いい意味でクレイジーだなと思うのだった。