日本有数の米どころとして知られる新潟県。魚沼市のコシヒカリはお米のトップブランドであり、また米菓子の「亀田製菓」も新潟市に本社を構えている。ゆえに私、P.K.サンジュンも「新潟グルメ = 米」だと思い込んでいた。だがしかし……。

なんでも新潟県は「新潟5大ラーメン」が存在するほどのラーメン激戦区であるという。新潟……5大ラーメンだと? せいぜい長岡ラーメンくらいしか知らねえ! 果たして新潟5大ラーメンとは一体どんなラーメンなのだろうか?

・新潟5大ラーメンとは

つい先日、別件の取材で新潟県を訪れたときのこと。「せっかくだから何かウマいもんでも無いかな~?」と検索していたところ、わんさか情報がヒットしたのが「新潟5大ラーメン」である。

にいがた観光ナビによれば、新潟5大ラーメンとは「長岡生姜醤油ラーメン」「燕背脂ラーメン」「新潟濃厚味噌ラーメン」「新潟あっさり醤油ラーメン」「三条カレーラーメン」の5つ指すという。無理矢理増やした疑惑も無くは無いが「にいがた観光ナビ」を読む限り、それぞれ個性的なラーメンであるらしい。

先述のように「長岡生姜醤油ラーメン」は知っていたが、残りの4種類は初耳だった私。中でも各方面から評価が高いのが「燕背脂ラーメン」で、その名の通り “背脂チャッチャ系のラーメン” のようだ。

・あんまり食べたことない……

これまで何となく “背脂チャッチャ系のラーメン” を避けて生きてきたため、私の背脂偏差値はさして高くはない。……が、逆に私のようなビギナーですら感動できるラーメンならば「燕背脂ラーメンは本物」となるのではなかろうか?

というわけで、今回は数ある「燕背脂ラーメン」の中から元祖と言われる『杭州飯店』にお邪魔した。『杭州飯店』はJR西燕駅から徒歩10分ほどの場所に位置しているが、燕三条駅から西燕駅への電車が2時間に1本ペースなので注意が必要だ(乗っちゃえば7分くらい)。

私は新幹線の時間があったため、燕三条駅からタクシーで移動。時間は15分弱、料金は2000円ほどで到着した。なお、タクシーの運転手さんによれば「新潟県と山形県は1人当たりのラーメン消費量が全国TOP2らしいですよ」とのことである。

・平日の悪天候でも

この日の天候はあいにくの雨。なんならビニール傘がぶっ壊れたくらい風が強かった。11時のオープン10分前に到着した私は4番手で並び「雨だし意外と余裕だったな」なんて思っていた……のだが。

オープン直後から埋まりまくる座席。店の奥の座敷も含め、すぐに30人以上で満席になっていた。また食べ終えて店を出た後も、20名単位の行列が出来ていたことも記述しておく。うむ、行列必至の人気店である。

客層は年配の方から若者まで、それこそ多種多様。ただ物腰の柔らかいご主人の対応を見る限り、地元の人がかなり多い印象だ。中には確実に80歳は超えていそうな、おじいさんおばあさんもいらっしゃった。

私の浅いイメージだと “背脂チャッチャ系” は、若者やガテン系など食欲旺盛な方に人気のラーメンである。ご高齢の方すらトリコにしてしまう「燕背脂ラーメン」とは果たして──?

・こ、これは……!

で、注文したのは1番人気の「中華そば(900円)」ではなく「メンマチャーシュー」で、価格は1500円。タクシー代が2000円くらいかかっていたため「この際一緒だろ」と、やや感覚が麻痺していた。また「餃子 2個(400円)」も注文したぞ。

そして満席の店内で待つこと10分ほどで到着したラーメンは、当然のように背脂まみれ! スープの表面はてらてらと輝く背脂で覆い尽くされ、どこからどう見ても “超重量級のラーメン” にしか見えない。

……のだが、食べてみてビックリ仰天! 煮干し系のスープとあいまったモチモチの太麺は、くどさや脂っこさがまるで無いではないか。飲めばまろやかで口当たりマイルドなスープであるが「イヤな重さ」は感じなかった。

実際ほとんどのテーブルの人がスープをグイグイ飲んでおり、それはご高齢の方も例外ではない。ただ背脂チャッチャ系とはいえ、これなら飲める……いや、飲み干したくなる。感動するほど杭州飯店は激ウマであった。

また、素材の優しいウマさをモチモチの皮で包んだ餃子もかなりウマい。ただ1つ1つがかなり大ぶりなので、大食漢でない限り「餃子 2個」の注文がオススメだ。1つで餃子3個くらいのボリュームである。

経験値が低いとはいえ、私は杭州飯店ほどウマい “背脂チャッチャ系” を食べたことが無い。新潟5大ラーメンの一つ、燕背脂ラーメン。新潟にお出かけの際は、是が非でも食べておきたい激ウマラーメンであった。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 杭州飯店
住所 新潟県燕市燕49-4
時間 ランチ11:00~14:30 / ディナー17:00~20:00
休日 月曜日(ほか月2回火曜日)

参照元:にいがた観光ナビ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.