世はコンビニスイーツ戦国時代。

もうコンビニのスイーツで何が来ても驚かないな……と思っていたんだけど、久しぶりに「そう来たか!」と衝撃を受け、狂喜乱舞したのがセブンイレブンの「キャロットケーキ」である。

「キャロットケーキ」……。食べたことない人にはピンとこないどころか、「野菜のケーキ? どうせ美味しくないんでしょう」と思われがちだと思う。しかし、好きな人はめちゃくちゃ好きなスイーツである。

「シナモン香る しっとりキャロットケーキ くるみ入り」これは完全にコンビニスイーツの革命であり、ある種の到達点である。なんなら、キャロットケーキ大ブームがここから巻き起こってもおかしくないとさえ思う。

・得体のしれないキャロットケーキというスイーツ

イギリスの伝統菓子である「キャロットケーキ」。海外の童話などで名前を目にしたことはあっても、食べたことがある人は多くないのではないかと思う。

そもそも、日本だと売ってるお店が少ない。実際、私が初めてキャロットケーキを食べたのも上京してから。私が食べたキャロットケーキは吉祥寺にあった「ローズベーカリー」というのベーカリーブランドの看板商品だった。

初めて食べたときの衝撃は今でも忘れられない。食べる前は人参くさくて、ほっこり優し〜い素朴な甘さだろうと思っていた。ところが実際は予想と違いハッキリした味わいでめちゃくちゃ美味しかったのである。


・本格的なセブンのキャロットケーキ

さて、セブンイレブンの「シナモン香る しっとりキャロットケーキ くるみ入り」(税込み300円)は、その衝撃的な美味しさを思わせる完成度の高さだった。

カップ入りで、ケーキ生地とチーズクリームの2段重ねになっている。人参グラッセの鮮やかな飾りが素朴でかわいい。

まず、最大のポイントは上に載っているチーズクリームのキュッとした甘酸っぱさ。これが全体の味を引き締めている。このクリームだけペロっとなめたいくらい美味しい。

そして、しっとりしたケーキ生地の部分は、ほどよくシャキっと食感が残るすりおろし人参に、ガツンとシナモンの風味がきいている。そして、くるみの香ばしい食感、アクセントに時おり口に入ってくるレーズンの甘酸っぱさ……。

甘みと酸味がしっかりしているので、にんじんのケーキというよりも、実際はスパイスの効いた一風変わったチーズケーキのような味わいなのだ。それはまさに唯一無二の味わい。生地もさることながら、ポイントはなんといっても甘酸っぱいチーズクリームとのバランスだと思う。


・時は来た……

セブンイレブンのキャロットケーキはその美味しさのバランスが絶妙に成り立っているのだ。これがコンビニで300円で買えるなんて、ホントにすごいことだと思う。


スパイスやハーブの入ったお菓子が好きな人
・チーズケーキが好きな人
・かぼちゃのタルトやかぼちゃプリンが好きな人
・海外の甘いお菓子が好きな人


こういった人たちはきっと好きだと思う。もしセブンがファースト・キャロットケーキならみんなキャロットケーキ好きになるんじゃなかろうか。いやあ、本当に逸品。まさかローズベーカリーのキャロットケーキみたいな味わいが、コンビニで食べられるなんて。

海外の食べ物らしさもあって、ひとくち食べただけで、『不思議の国のアリス』や『ピーターラビット』の世界にひとっ飛び。

思えば今はアフタヌーンティーブームでスコーンなどのイギリス菓子も人気上昇中。

さらにチャイやスパイスカレーのブームもあって、昔に比べてスパイス好きも増えた。スパイスたっぷりのキャロットケーキが日本に根付くための機は熟した……のかもしれない。これを機にキャロットケーキを扱う店が増えてほしいぞ!

2023年6月15日現在、セブンイレブンの公式サイトなどに「キャロットケーキ」の情報がないので、ひょっとしたら今は地域限定商品なのかもしれないけど、見かけたら絶対買い! 騙されたと思って、ぜひ食べてみてほしい!


執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼同時発売?の「アールグレイ香る紅茶バウム」も傑作! 

▼「紅茶バウム」のほうが激推しされてた

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]