お久しぶりです。皆さんお元気でしょうか? 立ち食いそば放浪記です。ウマイそばを求めて色んな町を放浪するこの連載。突然ですが、皆さんはファミレスのそばにどんなイメージをお持ちでしょうか。
そばはそば屋で頼みたい派の私(中澤)。ゆえに、これまでファミレスのそばに興味が出なかったんですが、この度、そんな私でも思わず注文したくなるそばに出会ってしまいました。フラッと入ったファミレスのメニューに記載されていたそのそばとは……
・わんこそば(税込み1150円)
そう、わんこそば。ファミレスで!? わんこそばがメニューにある店に出会うのも初めてだが、まさかのファミレス。歴史あるそば屋とかなら「お、珍しいもんがあるな」くらいのものだが、ファミレスでわんこそばを提供している店があろうとは。
・大空と大地の中のファミレス
そんな店があったのは北海道上川郡比布町基線4号。土地勘のない人にはピンと来ないと思うので、ざっくりした場所を言うと比布町は旭川の隣町だ。しかし、隣とは言え、電車は1時間に1本以下。地理的にも海から見て中の方で、北海道の奥地と言ってもいい場所である。
おまけに、駅からも車がないと行けないくらい離れた立地。大空と大地の中を車で走っていると佇んでいる。
その店の名は『紙風船』。メニューは丼物や定食などの和風から、オムライスやハンバーグ、カレーなどの洋風まで揃うオールマイティーっぷり。そばも鴨南そばとかまである充実っぷりで、その中の1つにわんこそばがあったわけだ。
・食べてみた
わんこそばということはお替わり自由なのだろうか? そこで店員さんに確認してみたら、お替わりはできないらしい。さすがにそこはファミレスか。
注文してみたところ、運ばれてきたのは、5つのお椀に小分けにされたそば。マグロ、とろろ、山菜、なめこ、海苔とそれぞれ具が違って、つゆだけでなくそば湯もついてきた。ファミレスのそばセットでそば湯をつけてくれるのが地味に嬉しい。
まず、つゆを飲んでみると、鰹出汁だが味が尖りすぎてなくて甘みがある。つゆだけでもイケるつゆだ。コシがあるそばは、そんなつゆの味と相まるとさっぱりした食べごたえ。何気なくウマイ。
・ふとしたウマさ
そう言えば、そばの名産である幌加内はここの近く。このそばのウマさの理由はそういったところにもあるのかもしれない。
ふと窓から差し込む光の温かさに気づく。窓の外には大空と大地とまっすぐな道。雲が緩やかに流れていく。有名な絶景スポットではないが、ふいに心が洗われた。言うならば、『紙風船』の味は比布町の景色のようだ。ふとしたウマさがここにある。放浪したなあ……。しみじみ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 紙風船
住所 北海道上川郡比布町基線4号
時間 11:00~22:00
定休日 水曜日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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