皆さんは「ちょろぎ」を知っているだろうか? まるで芋虫のような見た目をしたシソ科の植物で、一部地域ではお正月に食べられているらしい。
広島出身の筆者(高木)は見たことも聞いたこともなく、愛知県の土産物店で見つけて大きな衝撃を受けた。
せっかくなので「ちょろぎを知らない」と言っている知人を集めて試食会を開いてみたところ……予想外に全員が同じタイミングで同じリアクションをとることになった!
・ちょろぎの試食会
筆者が購入してきたのはちょろぎの450gパックで、価格は税込1250円であった。
事前に調べた情報では、おせちの黒豆の上にちょこんと1、2個載せて食べることが多いらしいのだが……それが本当なら、この1パックだけで5年分ぐらいはありそうだ。
今回の試食会に集まってくれた知人は2名。それぞれ出身は、長野県と奈良県。以降は便宜上、二人のことを長野さん、奈良さんと呼ばせてもらう。
※二人とも顔出しNGのため、今回の記事では筆者撮影のイメージ画像とともにお送りします
奈良さん「長老喜ってかいて ちょろぎ って読むんや。縁起よさそう。パッケージの絵は植物の根っこの先に……何かがねじれてる?」
透明なプラスチックケースの中には、イラストと同じねじれた形の “何か” がたっぷりと詰まっている。コレがちょろぎということらしい。
ちょろぎは赤い液体で湿り気を帯びていて、申し訳ないけど とても食べ物には見えない……。
長野さん「振るとスーパーボールみたいなボコボコした感覚で、結構固い」
奈良さん「うわっ、横から見るとキモい! 虫にしか見えんわ!!」
長野さん「よく見ると細かい毛が生えてる。本当に根なんだな」
ちょろぎはポコポコと段差が連続したような形をしていて、初見では芋虫のように見えてしまう。
「これは植物」そう自分に言い聞かせてもなお 気味が悪く感じてしまうのだから、食べ物においてフォルムってのは大事な要素なんだな。
高木「表面積を稼ぐための形だとしても、もっと効率がいい形は他にあるよね」
(後ほど調べたところ、ちょろぎの可食部は塊茎(こんけい)と呼ばれる部位。次の世代を増やす 種芋のような役割を持っているそうだ)
長野さん「匂いは酸っぱいな。なんか嗅いだことあるけど、コレってもしかして……」
全員「カリッ」
奈良さん「……ちょっと待って。コレ絶対食べたことあるわ!」
長野さん「っていうか、カリカリ梅じゃない?」
高木「カリカリ梅だね。カリカリ梅以外の何でもない!」
・ちょろぎ=カリカリ梅?
出身も育ちもまったく違う3人だが、ちょろぎに関しては完全に意見が一致した。コレは知っている食べ物。間違いなくカリカリ梅である、と。
奈良さん「しかも、カリカリ梅には種あるやん。ちょろぎにはないんよな」
長野さん「完全に上位互換だよね」
二人の言葉通り、ちょろぎの中には固い種やスジのたぐいは一切入っていない。ポリポリッとした心地よい歯ごたえが無限に味わえる、ノーストレスなカリカリ梅と表現するのが一番近いかもしれない。
ただし、今回購入した商品に関しては塩味が強く、おやつとして食べ続けるのはツラいように感じた。もう少しマイルドだったら嬉しかったなぁ!
・ロケニュー編集部にも聞いてみた
冒頭でもお伝えした通り、一部地域において ちょろぎはおせちの具としてスタンダードな具材らしい。全国からメンバーが集まるロケニュ―編集部では、どれぐらいの認知度なのだろうか?
実際に聞いてみたところ……
知っている → 羽鳥(東京)、中澤(大阪)、佐藤(島根)、御花畑(長崎)
知らない → あひるねこ(北海道)、Yoshio(東京)、砂子間(埼玉)、P.K.サンジュン(千葉)、和才(京都)、高木(広島)、原田(福岡)
(カッコ内は出身地)
知っている派の羽鳥編集長曰く、
「うちのおせちでは必ず入っています~」
ということ。同じ東京出身のYoshio氏が知らないことや、他でも近い地域同士で意見がわかれていることから想像するに、地域差もあるけど 家庭ごとの違いも結構大きいんじゃないかな。
甘~い黒豆と塩から~いちょろぎ、交互に食べたら美味しいスパイラルが味わえそうな予感がする。今年のお正月は筆者もトライしてみようかな!
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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▼原材料はコチラ。この商品は「梅酢漬け」ということ。ちょろぎ自体が梅味ってわけじゃないんだね!