新宿二丁目にあるロケットニュース24編集部。何の変哲もない雑居ビルの一室なのだが、私(中澤)にはずっと気になっていることがある。それは休憩所代わりに使われているベランダの片隅にあるものについてだ。
椅子2脚が灰皿を挟む形で置かれているベランダ。壁側じゃない方の椅子の後ろにはベランダを圧迫するくらい大きな室外機が設置されているのだが、いつからだろうか? その室外機の上に、ペットボトルの麦茶が放置されているのだ。
・喫煙所利用者の証言
誰のものかも不明なこの麦茶。半分くらい減っていることから察するに飲みかけだ。ベコべコになったペットボトルの表面には埃がついており、相当の月日が経過していることを物語っている。一体いつからあるのか? 以下が喫煙所利用者たちの証言。
亀沢郁奈「去年の夏ごろからじゃない? 違う違う、私のじゃないよ。あんな汚いところに飲み物置くわけないでしょ」
原田たかし「去年の夏くらいからあるような気がします。僕のじゃないですね」
佐藤英典「1年は超えてるんじゃねえか? いや、俺のじゃない。爆発しそうだよなアレ」
P.K.サンジュン「確実に1年前にはあったよね。俺のじゃない……と思う。ほら、俺はお茶とか買ってこないでしょ?」
・ロケットニュースの七不思議
と、ほぼ全員が認識している状態。時期的な証言はバラけているが、昨年の夏からは確実に存在したようだ。犯人については聞き取りをした編集部員全員が「自分のものではない」と証言。喫煙所の利用者は残すところ創始者のYoshio1人のみとなった。
ただ、私がしたいのは犯人探しなどではない。犯人を見つけたところで何になるというのか? 麦茶が放置された事実は変わらないではないか。そこであえてYoshioは聞き取りをせずに放置しておくことにする。麦茶のようにな。
というわけで、謎は深まるばかり。ロケットニュース七不思議である。
・一体どんな味がするのか
まるで、タンクトップを着た40前半のオッサンが「あっついなー」とうちわパタパタさせながらタバコを吸ってる最中に蒸発したかのように、麦茶は今も室外機の上に放置されたまま。その麦茶を見ていてふと気になった。「一体どんな味がするんだろう?」と。
小学生の頃、水筒を忘れて3日目に突入した飲みかけ麦茶は、渋みに発酵的なキツさが混じったくさいウーロン茶のような味がした。今回は魔法瓶どころか、ペットボトル。しかも、少なくとも9カ月屋外に放置されている。気になる。
・食レポしてみた
飲みかけのため意味をなさない数字かと思われるが、一応賞味期限は2023年4月。まずは、フタを開けてみたところ「プシュー!」と、空気の漏れる音がする。コーラかよ。
これまでの経験上、匂う時はこの時点でもう爆発するのだが、特に異常な匂いはしない。そこで直接匂ってみたところ、予想外の香りがした。
ほんのりアルコールっぽい。基本的にほぼ無臭なのだが、よく嗅ぐとワインみたいな香りがするのだ。器に入れてもう1度嗅いでみてもその印象は変わらない。小学校の時の発酵麦茶はもっと臭かったけど、そういった臭みが一切ないのである。
これ、ひょっとして腐ってないかも? そう思い口に含んでみたところ、酸っぱさとかキツさもない。しかし、逆に言うと麦茶的な旨みもなく、ほぼ水みたいな感じ。味がしない。そう思いながらより味わおうとしたところ……
アッーーー!
飲んじゃった。
味わうだけのつもりが、おかしなところがなさすぎて勢いで飲み下してしまった。一応、5時間経った今、特に体調に変化は見られないが、食中毒になったらご報告したい。良い子は真似するな。
ベランダで話す息抜きの冗談がきっかけで生まれることも多いロケットニュース24の記事。雨の日も風の日も、そんな毒にも薬にもならない編集部員たちの息抜きトークを見守り続けた麦茶はロケットニュースの味がした。ネタがない時は体当たり。南無。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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