
ボンバブル! ボンバー的な衝撃と、ワンダフルな完璧さを兼ね備えたボンバブル! そんな造語を叫んでしまいたいほどに、私の “ふ菓子史” にはレボリューション (革命)が刻まれた。
こんなふ菓子あっていいのか……? あまりにも凶暴すぎる。この太さで『二度塗り』だなんて、それもう武器。
黒糖の鈍器 (どんき)──。
「──ちょいと味見でもしますかねっと……」
そんな軽い気持ちで封を開けた。完全に油断しながら口にした。
そしたらバッコ〜ン!って。
かじった瞬間に死角からマイクタイソンが出てきて超高速なフックを打ち込まれるくらいの衝撃。
下手すりゃ死ぬ。それくらいの。クマに殴られたくらいの。
端っこ。あまりにも厚塗りな端っこは、それはそれは丸太のように極太く。まるでウォール (壁)。分厚い壁。
「ガリっ」なんてもんじゃない。「ゴゴゴゴゴ……」くらいのスケールで描かれる重圧な食感。
家電量販店のテレビコーナーでループ上映される高画質なイメージ映像くらいダイナミックな切削 (せっさく)。
心なしか、中の「ふ (麩)」自身も相当にクオリティが高い気もするが、圧倒的なのはやはり黒糖。
残るのは、黒糖の塊(かたまり)。口の中が黒糖。
こんなに黒糖を頬張っちゃって大丈夫なのかなと心配になるくらいの、いわば黒糖の大雪崩れ (おおなだれ)。
──放心状態。
ちょっとあまりにもスゴすぎる。こんなのが、あと3〜4口 (くち)も楽しめるとか……前澤さんもビックリの「幸せばら撒き師」である。
あらためて観察すると、目の前に広がる空前絶後の光景に、気を失いそうになる。本当に分厚い。
一般的なふ菓子の黒糖の濃さを1とすると、この『二度塗り』は4倍、あるいは5倍くらいの分厚さに思えるほどのパワープレーで終始畳み掛けてくる。
下手すりゃ溺れる、黒糖の海に──。
あまりにもあんまりな黒糖攻めに、私は喉が渇いた。しかし、この衝撃的な体験に対抗できる飲み物がない。麦茶ではないし、果物ジュースでもないし、炭酸飲料水でもない。
──牛乳かも。
そう思い「牛乳ふ菓子」という、ありそうでなかったカップリングに初挑戦したのだが、かなり合う。
パワー&パワーで、アニマルとホークのザ・ロードウォリアーズくらいのパワー殺法になるが、合う。
こいつは新たな発見だった。
それにしても、こんなふ菓子、どこのどいつが作りやがったんだ。
そう思いメーカーを見ると、「敷島産業」。私の大好きな『ふ菓子のふーちゃん』を世に投下し続けるあの「しきしま」。
こんな破壊力ありすぎな食べ物を製造しているなんて、美味しんぼ署の捜査関係者は今すぐ家宅捜索に入った方が良い。
これ以上のふ菓子はないでしょう。
ありえないでしょう。
限界ギリギリいってる。
黒糖値をこれ以上にしたら、それはもう「黒糖そのまま」と感じるようになるのだ、たぶん。
──その絶妙な線引き。
人間が「黒糖」か「ふ菓子」かを切り分けるギリギリのラインまで攻めたしきしま。
『特攻の拓 (ぶっこみのたく)』よりも特攻(ぶっこ)んでるしきしまの特攻隊長。
ここまでふ菓子の潜在能力を極限まで高めることに成功している敷島産業の『二度塗り』は、国宝にしても良いレベルであると私は思う。
あるいは──。
断腸の思いで禁止にしても良いとさえ思う。
それほどに危険。戻れなくなる。
そこそこの “ふ菓子経験値(OF-EXP)” を持っている人ほど衝撃度は強いと思う。
もしもふ菓子界の海原雄山がいるのなら、あまりの経験にショック死するかもしれない。
私は井の中の蛙だった。
これを食べてないふ菓子人生なんて、食べた後からは考えられない。
おそらく全世界のふ菓子者 (ふがしもの)全員のふ菓子史が、「二度塗り前、二度塗り後」になると思う。
私は知ってしまった。ふ菓子における、ひとつの到達点を。
レボリューション!
ボンバブル!
【完】
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24
GO羽鳥







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