ロケットニュース24

岩手県宮古市の「道の駅みやこ」は豪華な海鮮丼が食べられる上に遊覧船にも乗れる! でも本当に見るべきは “建物そのもの” だった

2023年4月1日

普段、ほどんど運転することのない私(あひるねこ)のような人間からすると、「道の駅」は内陸にあるイメージが強い。周囲を山に囲まれた広大な土地にドンと建っているのが「道の駅」だろうと勝手に思い込んでいたのだが、どうやらそうでもないらしいということに最近になって気付いた。

先日連れていってもらった岩手県宮古市にある『道の駅みやこ(シートピアなあど)』は、本州最東端の「道の駅」ということですぐ真横が太平洋だ。併設のレストランでは豪華な海鮮丼が食べられる上に、近くのふ頭からは遊覧船に乗ることもできる。これはもしかすると最強の観光スポットではないか。

・海の真横に「道の駅」

岩手県の三陸海岸に面する宮古市。国道45号から少し離れた宮古港出崎ふ頭に『道の駅みやこ』はあった。海が見えるというよりは、海のすぐ隣に建っているような感じだ。私がイメージする「道の駅」とは真逆のロケーションである。

中に入ると、1階は「道の駅」らしく地元の特産品や農作物の直売所がメインになっていた。が、今日の私の目当ては2階にある海が見えるレストラン『汐菜』(しおさい)だ。窓際の席に座ると、本当に海が目の前に広がっていてテンションが上がる。

・豊富な海の幸

ラーメンやカレーといった一般的なメニューもあるにはあるが、せっかくの海沿い。ここはやはり豪勢に海鮮丼をキメておきたい(土日祝日のみ数量限定、税込1800円)。食事を注文するとドリンクバーが無料で使えるというのも地味に熱いサービスだ。

それにしても、まさか「道の駅」でこんな豪華な海鮮丼が食べられるとは思わなかったぞ。この日は天気が良く、太陽の光が海に反射してキラキラと輝いていた。それを眺めながら食べる海鮮丼の味が、いかに格別であったかは言うまでもないだろう。

・船にも乗れる

駅の横は広い公園になっており、そこを散歩するだけでも気持ちいいのだけど、ここまで足を運んだのだから遊覧船に乗らない手はない。駅1階の受付にて乗船券を買ったら(周遊券・大人1500円)……

歩いてふ頭の先端部へ。そこが遊覧船『宮古うみねこ丸』の発着所だ。出崎を出港後、国指定名勝の浄土ヶ浜や三陸ジオパーク・ジオサイトをガイドさんと共に巡っていく。


デッキから眺める太平洋や奇岩は迫力満点だが……

それ以上に、エサを求めて集まってくる野生のウミネコたちの猛烈な勢いに圧倒される。こんな間近で彼らを見る機会はそうそうないだろう。貴重な体験だ。

1時間弱かけてぐるーっと周遊したのち、最初のふ頭に無事帰着。海鮮丼を食べて、遊覧船にも乗って身も心も大満足だが、そういえばすっかり忘れていた。ここが「道の駅」であるということを。普通に観光地に来たような気分だったぞ。宮古の「道の駅」恐るべし!

ただ、実は『道の駅みやこ』で本当に見るべきものは、海でも船でも景観でもない。それは建物そのものなのだ。どういうことか? 駅の入口に戻ってきたら、右に進んで壁面に注目してみてほしい。そこには東日本大震災の時の津波浸水ラインが記されている。

・震災の記憶

2011年3月に発生した震災によって、『道の駅みやこ』は大きな被害を受け休館。2013年7月にようやくリニューアルオープンしたという。当時の写真を見ると、津波で施設のほとんどが流されてしまっていることが分かる。海のすぐ近くとはいえ、壮絶な光景だ。

津波浸水ラインの写真を撮りながら、私はそのあまりの高さに思わずぞっとした。今ここに立っている私も、後ろの駐車場にとまっている数十台の車も、こんなところまで浸水されたら ひとたまりもないだろう。それが今から12年前、この場所で実際に起きたのだ。よくここまで立派に復旧したものである。

・忘れないために

岩手県宮古市にある『道の駅みやこ』は、観光スポットとしても楽しめる穴場中の穴場であると同時に、震災の記憶を後世に語り継ぐ記念碑のような場所でもあった。立ち寄った際は、ぜひ建物に刻まれた1本の線にもご注目いただきたい。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名 道の駅みやこ(シートピアなあど)
住所 岩手県宮古市臨港通1-20
時間 8:45~17:00 / レストランは10:30~15:30(平日)、10:30~16:30(土日祝)

参考リンク:シートピアなあど
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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