Wikipedia(ウィキペディア)といえば、ハンパない情報量が掲載されていることで有名だが、一方でハンパない “寄付してアピール” をしてくることでも知られている。では、その “寄付してアピール” に応えてみたら どうなるのだろうか?

──と気になって、実際に寄付をしたのが2017年9月のこと。それから2021年までの5年間、私は毎年Wikipediaへ寄付をし続けた。しかし昨年2022年、「もういいかな」となったので寄付をストップ。すっかりWikipediaのことを忘れていた頃に……来たのだ。

何が来たのかはお察しの通り。Wikipediaからの寄付催促メールである。タイトルは以前のようなポエム型ではなく、直球型。


「あなたはウィキペディアの特別な支援者の1人です」と、中身を見なくても内容がわかるようなタイトルだった。なので「どうせ毎年同じアレだろ」とナメた気持ちでメールを開いたところ……

毎月300円の定額寄付?


サブスクの波がウィキペディアにまで押し寄せていた。実は結構前から寄付画面で毎月寄付する形を選べるようになっていたのだが、メール上で毎月寄付は初パターン。しかも、メール内のリンクをタップすると最低額が1500円になっている。


「なるべく大金を寄付してくれ」というWikipediaの前のめりな姿勢が窺えるが、実際には300円のような少額でも寄付できることを考えたら、軽い詐欺という見方も出来る。

このあたりの受け取り方は人それぞれだろう。きちんと自己主張しているだけと取るか、クソ厚かましいと取るか。私はその両極で揺れたので、「すぐに寄付しよう」とはならなかった。


すると数日後──



また来た!


2発目のタイトルは「もう、たくさんです」と嘆き調。これも2019年に見たことがあるので、「同じような感じだろ」と高をくくってメールを開いたら……


お!


1発目のメールで「毎月300円の定額寄付を設定する」とサブスクへの誘導になっていた文言が、「今年は減額して寄付をする」とパワーダウンしているではないか。


どうしたWikipedia! いつもなら押して押して押しまくるお前が、まさかのステップバック。これは珍しい。と思いながらリンクを開くと……


どこが減額やねん。1発目のメールとまったく同じ金額のアイコンやないか。減額という言葉で「少しでもOKなんで」的な空気を出しといて これはアカン。



というわけで、2023年もWikipediaはWikipediaだった。まったくブレない。ただ、コンプライアンスの厳しいこの時代だから、Wikipediaの寄付催促スタイルはいつ廃止になっても不思議ではない

私としては寄付催促メールを2024年も2025年も見たいので、少額だけでも寄付しておこうかな。でも、このまま寄付しないとWikipediaがどう反応するのかも気になるんだよな……。

今年は寄付か、ノー寄付か。私は「Wikipediaの寄付が批判された歴史」をWikipediaで読みながら、今も悩んでいる。

参考リンク:Wikipedia「寄付のお願い
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼メールの全文はとにかく長い。こちらは1発目の催促メールで……

▼2発目。