つい先日、およそ25年ぶりに私(サンジュン)はラスベガスの地に降り立った。言わずと知れた世界最大のカジノ街であるが、それはそれはネオンがピッカピカ! 東京やニューヨークとはまた違って意味で “眠らない街” であったことは間違いない。

人間の欲望や醜悪さ、それとはかけ離れた芸術性──。ラスベガスでは多くのことを感じたが、最も強く印象に残ったのは「なぜアメリカ人はあんなに薄着なのか?」ということである。

・最低気温は2℃

2月のラスベガスは日本と同じ冬。ラスベガスには4日ほど滞在していたが、最低気温は2℃~4℃だったため東京と同じようなものだろう。いや、ネバダ州が砂漠地帯であることを考えれば、空気は東京よりも冷たかったかもしれない。

一方で日差しはメチャメチャ強く、最高気温が15℃近くまで達する日もあった。とにかく湿度が低いため空気が乾燥しており、気付けば私のくちびるはヒビ割れまくり。ただその日中も直射日光さえ受けなければ「肌寒い」と感じたことを記述しておく。

要するに「寒暖差が激しい陽気」というワケだが、私自身は “TOKYO仕様” の服装でラスベガスへ飛んだ。ジーンズ・ヒートテック・フリース、そしてダウンという構成である。暑くなったら脱げばいい──。これが基本的な戦術だ。だがしかし……。

ラスベガスでダウンを着ていた人の割合は、多くても4割ほど。あとの6割はダウンを着用せず「スウェット」で済ませているではないか。これは昼間に限った話ではなく、日が落ちた夜でもスウェット派が多数なのだ。


・ダウンが少数派だと…?

「ウソつけよ!」……と、私は何度心の中で叫んだことだろう? 2月のラスベガスは普通に寒い、寒いのである。仮に私がダウンを着ていないとしたら、終始小走りでやり過ごすか、体を震わせながら歩くしかないハズだ。

さらに言えばまあまあの割り合いで「Tシャツ族」がいたが、あれはいったい何のつもりなのか? 繰り返しになるが、最低気温は2℃である。なぜ彼ら、彼女らはTシャツ1枚で外に出ようと思ったのか? いや、ウソつけよ。

もっと言えば「半袖短パン族」を見かけたときは「ウソでしょ」と思わず声が出てしまった。しかもその割合は意外と高く、5分に1人くらいは「半袖短パン族」を見かけた。どれだけ元気な小学生でも、トレーナーくらいは着てるもんだぜ……?



・なんのつもりなのか?

日中の突き刺すような日差しの下ならば「Tシャツ」も理解できる。ラスベガスの日差しは肌寒さを凌駕するほど強烈だったので、実際のところダウンでは暑く感じた。日なたにいるならば、ロングTシャツくらいがちょうどいいのだろう。

が、日中でも日陰は肌寒く、夕方くらいからはダウンを暑いと感じることはなかった。それなのにラスベガスにいた半数以上の人はスウェットでやり過ごし、何ならTシャツ族や半袖短パン族もまあまあいるのである。いや、2月よ? 2月でこれなら夏場はどうすんねん。裸(ら)か? 裸なのか?

誰もが知る世界最高のカジノシティ、ラスベガス。まばゆいほどのネオンと街のあちこちで繰り広げられるエンターテインメントショー。それでも私の心に最も強く残ったのは「なぜアメリカ人はこんなに薄着なのか?」ということであった。いや、ウソつけよ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.