OM SYSTEMの90㎜マクロ、コシナのZマウント用50㎜ F1、そしてソニーとシグマの50㎜ F1.4の比較。それ等は個別の記事にまとめたが、他にも素晴らしい展示が目白押しの「CP+2023」。
本数の都合上、残りの私(江川)が気になった展示をこの記事でまとめて紹介していくことに。それではいってみよう。まずはニコンのブースから。
・ニコン
開幕から大盛況なニコンブース。最初のアイテムは「Nikon Zfc」のブラック。レンズは「NIKKOR Z 26mm f/2.8」。どちらも2023年3月3日に発売予定。
ブースの方によると、Zfcのブラックはシルバーの発売時から要望を受けていたそう。時間がかかったのはコロナ禍の影響が大きいとか。
26㎜はレンズを装着している感覚がしないほどの薄さと軽さ。この組み合わせでスナップ撮影をしたら楽しいだろう。もちろんZ6やZ7シリーズとも合いそう。
Z9につけてみたところ、テレコンなりマウントアダプターだけ装着した状態に見えなくもなく、ややシュールだった。少しブリージングがあるが、Vlogにも使えそうだ。
しかし今年のニコンブースの主役は「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」の方だと思う。2023年3月24日発売予定。
データの持ち帰りはNG。ブースで試すことだけ許されている。軽量コンパクトとは到底言えない重量とサイズだが、それらのデメリットは解放からの凄まじい解像力と異次元なボケ方の前に消滅する。
すでにある「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」を明らかに超えている。周辺のレモン型の口径食も、F2くらいから急速に円形になり始める。オニオンリングは皆無。これはもう現在のフルサイズ用85㎜の最高到達点ではなかろうか。
・ニッシンデジタル
ニッシンデジタルのブースでは最強に格好よくて面白いモノブロックストロボが展示されていた。「MG-X」とそのコマンダーだ。
薄い長方形のストロボ本体を、磁石の力で複数連結可能というアイディア勝ち的な商品。
1台でも82.7Wsと頼もしい出力。3台連結すれば248.1Wsとなり、ほとんどの場面で十分すぎるパワーを得られるだろう。モデリングライト機能も搭載されている。
何かと便利そうなだけでなく、使っていて楽しそうな所がいい。これは欲しいアイテム。
・ケンコー
今年の夏の天の川は、これまでより手軽に撮影できるかもしれない。ケンコーの「スターリーナイト プロソフトン」を使えば。
その名の通り「スターリーナイト」と「プロソフトン」の機能を併せ持ったフィルター。重ね付けから解放されるぞ! いつも通り各フィルター径向けに展開するようだ。発売は6月を予定しているそう。
・トップガン
富士フィルムブースでは『トップガン マーヴェリック』の撮影に使用されたシネレンズについての話を、映画の撮影クルーたちが語る動画が流されている。必見の内容だ。クルーはとんでもない所に富士フィルムのシネレンズを固定したもよう。
シグマのレンズも『トップガン マーヴェリック』の撮影にてメインで使用された。シグマブースでは撮影監督の要望で作った特別仕様のモデルを展示している。
ちなみにシネマカメラはソニーの「VENICE」が使用されたので、『トップガン マーヴェリック』のカメラ周りは高い割合で日本企業が占めたと言っても過言ではなさそう。
そんな感じで、多くのブースでは様々な方向性でそれぞれの会社の製品に関連する興味深い展示もなされており、見どころしかない。やっぱりリアル開催のCP+は最高だ。
参考リンク:CP+2023、ニコン、ニッシンデジタル、ケンコー、富士フィルム、シグマ、ソニー(英語)
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼シグマ「60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports」はほぼ150-600㎜の上位互換に感じた。手持ちだと腕が震える重さだが、進化した手ブレ補正が震えを打ち消す。筋トレすれば競馬場やサーキット、スポーツ観戦をこれ1本で乗り切れそう。
▼Z9に装着した「NIKKOR Z 26mm f/2.8」のフォーカスリングを回した様子。