うぉぉぉおおおおお!!! ついに! 登場!! 俺たちのケンコー・トキナーが、やってくれた!

プロアマ問わず、日本の多くの星景写真家にとって、これは素晴らしい朗報だ。星景写真にちょうど良いリアソフトフィルターが無くなった問題に、終止符が打たれたぞ!! 

・LEEの製造中止

星景写真を撮る際の表現方法の1つに、ソフトフィルターを用いて星を美しくにじませるというものがある。

明るい星ほど強くにじむため、実際の見た目よりも大きく目立たせることができ、幻想的な演出が可能となるのだ。

レンズの前に装着するものとしては、ケンコー・トキナー製の「プロソフトン」シリーズが有名。プロアマ問わず、多くの方が使用している。

しかし前面に装着するタイプのソフトフィルターは、星景写真的に2つの問題を有している。1つは、ねじ込み式フィルターの場合、魚眼のように前玉がせり出している出目金タイプのレンズには装着できないということ。

もう1つは、写真の周辺部の星ほど、光が楕円形に長くのびて滲み、人によっては好ましくないと感じる写真になってしまうことだ。

前者は角型フィルターを使うことや、シートタイプを手持ちでレンズ前にかざすことで解決できる。だが、その場合は後者がより顕著になってしまう。

そこで、レンズの後ろ側に装着するタイプのソフトフィルターを用いれば、両方の問題を解決できる。このように後ろ側に装着するフィルターは、リアフィルターと呼ばれている。

今回の場合はリアソフトフィルターだ。星景写真を意識したレンズの中には、そのためのフィルターホルダーが設けられているものもある。


さて、このレンズのリア側に装着する用途で優れたソフトフィルターは、長らくLEE Filtersのものしか、少なくとも国内では流通していなかったと、私はそう認識している。

しかしLEEが、いつの間にかソフトフィルターの生産を終了してしまったのだ。私がそれを知ったのは、約2年前のこと。以降、調べても代替品は発見できず、私のように難民となった人々の声だけが沢山見つかった。

以来、リアソフトフィルター不在の暗黒時代が続いていたが……ついに解決される時がやってきた。



・Kenko リア プロソフトン

これが、ケンコー・トキナー社から6月に発売予定の『Kenko リア プロソフトン』だ!


角型のシートタイプで、ポリエステル素材。自分で好みの大きさにカットして使用するというもの。フィルム本体は57×60㎜で、ソフト加工部分は52×54㎜だそう。


CP+のブースでは、SIGMA製のレンズに装着した状態も、使用イメージとして展示されていた。


現時点では価格が「未定」なのだが、ブースの担当者に伺ったところ、効果の弱・中・強3枚セットで、13000円くらいを予定しているというお話を伺えたぞ! あくまで予定なので、変わる可能性に留意を。


・SIGMAの15㎜ F1.4

ということで、今年の夏はソフトフィルター祭り待ったなし! さて、夏の星景写真と言えば天の川だが……なんと、SIGMAからはより天の川を撮りたくなる魅力的なレンズが登場する。

それが『15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art』。


星景写真において、素晴らしい性能を発揮するSIGMAの超広角レンズと言えば、『14mm F1.4 DG DN | Art』と『20mm F1.4 DG DN | Art』が大好評だ。

そこに、新たに15㎜の対角魚眼レンズが加わることとなった。F1.4という明るさで180度の画角は、民生用フルサイズ対応レンズとしては世界初だそう。

データの持ち帰りもOKということで、SIGMAブースにて天井を撮影。魚眼特有の歪みを活かした、ダイナミックな表現が可能!


このシリーズの描写力の凄まじさは、ただひたすらに脅威的だ。この15㎜もきっと伝説になることだろう。リア側にはフィルターホルダーも備わっているので、『Kenko リア プロソフトン』とセットで最強になろう。

星景写真を未経験な方にとっても、最高の始め時と言っても過言ではない。今年の夏の夜は、SIGMAとケンコー・トキナーのおかげでアツいものとなりそうだ。


参考リンク:ケンコー・トキナーSIGMACP+
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.



▼小さい星に正確にピントを合わせるのは難しい。そこで役立つのが『ナイトフォーカス』。角形ホルダー用アダプターもあるので、魚眼でも使用できます。


5月には、ねじ込み式フィルターをマグネット式に変換できるリング『マグネティック・マウント・システム』も登場予定! これでフィルターを素早く脱着可能に。


▼15㎜ F1.4のレンズキャップはこのタイプ。