前回の記事でも書いたが、僕はなんと念願の日本へ帰ることができたのだ。一週間だけだが、この一週間という貴重な機会を与えてくれた両親、Apie、Apnic、慶應義塾大学とその他の皆さんに心から感謝。
外国人、さらにムスリムという何かと制限が多いこの身にとって、日本は本当に新しいことばかりだ。小学生の頃に3年間住んでいたことがあるこの身でも、だ。
そう言うわけで、その視点で日本を語っていきたいと思う。(ちょっと文多めだからゆっくり読んでってね~)
・青空が綺麗すぎる件
7時間以上のフライトを経て、着陸した日本の空は晴天だった。雲一つなく、太陽は冬の風にさらされた身をぽかぽか暖かく照らしてくれた。
日本の青空はなぜか自分の国(インドネシア)の青空より青く、気持ちよく見えた。冬だからかもしれないが、本当にものすごーく気持ちよく見えた。
青空を背にそびえ立つ建物もキレイで、見ていて心もキレイになる気分だった。
これはなぜだか本当に分からん、とにかく日本の青空を母国に持って帰りたいほどだった(持って帰っていいかな)。
・大学内が静か過ぎる件
僕が訪れたのは日吉にある慶應義塾大学。日本トップ大学の1つなのもあって、色々といい意味ですごかった(語彙不足)。
エリートな大学だからか知らないけど、一日中本当に静か。人はちゃんと居るしよく見かけるけど、人の数が僕の大学より圧倒的に少なく、本当にとっても静か。昼になれば風が吹く音だけが聞こえるし、夕方過ぎになるとカラスの鳴き声だけが聞こえて人の音も聞こえなくなる。
実はこれ慶應義塾大学に限った話ではない。僕のお父さんが通った九州工業大学もそんな感じだった。外を歩く人の数は少なく、夕方過ぎになると人が誰も居なくなる。
僕の大学だと本当に人が多い。朝昼晩ずっと人で溢れているし、乗り物もよく通過する。夜遅くになっても学生がまだ居ることが多い。フリーWi-Fiだったりグループ作業だったりと色んな理由で学生が夜遅くまで残ることが多いのだ。
何なら猫もいる(ぬこかあえぇぇ)
僕も真夜中に何やってんだろう
僕の大学が賑やか過ぎるか、日本の大学が静か過ぎるか、もうよう分からん。でも僕はやっぱり静かな日本の大学が好きだな(騒がし過ぎるのちょっと苦手)。
・どこもかしこも綺麗すぎる件
いや、これは僕の国がめっちゃ汚れてるだけか、日本めっちゃキレイなのよー。一応ゴミのポイ捨て(置き捨て)も時々見かけるけど、インドネシアと比べたらまぁwww(インドネシア人よ日本人を真似ろぉ)
でも思ったけど、ゴミ箱がなぜか少ない。たぶん地域によってゴミ箱の数が違うと思うけど、日吉ではあまりっていうか全然見かけない。だからゴミは部屋まで持って帰らないといけなかった。
・時間を大切にする
昔日本に住んでいたとき自分はまだ小学生だから分からなかったが、今来てみると日本人がいかに時間を守っているか実感できた。
授業が始まる5分、いや10分前にはもうクラスに来てるし。電車とか決まった時間に決まった位置に止まって決まった時間に出発するし。てか普通に決まった時間に到着して決まった位置に止まる電車って普通に考えてすごくない???
インドネシアではなぜか遅刻するのが普通なようで、普通に約束時間から1時間遅れて来るやついるし(僕もそうだけど、テヘっ)、5分遅れてまだまだ待たされることが多いし(教授が全然来なかったりすることも)、交通機関とかも遅れるのが普通で何時に目的地に着けるか神のみぞ知る状態。
心に余裕が生まれるけど、これじゃダメだよね。時は金なり。
・バイクが少なすぎる
東京の道路を見て気になってしまうことがある、それはバイクの少なさだ。
道路を見渡すと車かバスしか見かけない、その代わり車の種類がインドネシアより多い。バイクは極稀にしか見かけない。公共交通機関が充実してるからだろうか、たしかに電車やバスといった交通機関を使ったほうが楽だし環境に良いんだけども。
それに比べてインドネシアはバイクの数が本当に多い。家に1台以上あることも(僕の家はバイクが3台もある)。日本に比べてインドネシアの公共交通機関はそれほど充実してないため、自ら移動手段を用意しなければならない。バイクは車より安いので、必要じゃない限りほとんどの人がバイクを選んで購入する。
僕の大学の駐車場もこの通り
ガソリンスタンドもめっちゃ混む
それにしても変だな、ここの道路を通るバイクは大半が日本製なのに(ホンダ、ヤマハ、スズキ、ダイハツ等など)、なぜ日本ではあまり見かけないのだろう……。
・思いやりもおもてなし
日本人のすごいところは、面倒見っていうか準備っていうか、いい言葉が見つからないけど
一週間だけの滞在なのに、僕たちに簡単な日本語を教えてくれたり、非常事態に備えて避難訓練を施してくれたりと、本当に僕たちのことを思ってくれている。自然災害の怖さを知っているからこそ、他の皆に安全に生きてほしいという願いが伝わって感動した。
インドネシアではどうだろう
・渋谷のスクランブル交差点が凄い件
渋谷のスクランブル交差点、色々とすごかった。
まずは人の数。これがもう本当にすごくて、一つの交差点にこれほどの人が集まるのを見るのは正直初めてだ(僕が田舎者だけなのかも)。信号が青になると四方八方から人が道を渡ろうと歩き出す。
JR渋谷駅前まで行くと、なんと売り子(?)がコスプレをして並んでいるではないか。なぜかよく分からないが、これが「The Japan」過ぎてちょっと感動した。
ちなみに一緒に写真を撮ろうとして聞いてみたらダメだった(そりゃそう)。代わりにパンフレットもらった、メイドカフェだった。
・アニメ広告の多さ
いや、もうねえ、アニメの広告が多すぎるのよ(嬉)。ビルだろうと、駅だろうと、探さずともアニメの(かアニメキャラを使った)広告をたくさん見つけることができる。インドネシアではあまり見ない光景だ。
アニオタの僕には嬉しい仕様、ぜひインドネシアでも流行って欲しい(悲願)
・食の難しさ
ムスリムにとって、他国で生きる2番目の壁は「食」である。説明しよう、ムスリムは「ハラール」食品しか口にしてはいけないのだ。
この「ハラール」が結構難しく、酒と豚はもちろんダメで、鶏肉でも牛肉でもイスラム教のルールに従って摂らないとだめ(イスラム教徒がちゃんと鋭い包丁で神様の名の下で切らないといけない、血も全部抜かないといけない)、ハラール肉でも豚肉を調理したあとの道具(洗ってない)を使ってもダメ、血もダメなどと食に対する規制が結構厳しい。
だから僕たちイスラム教徒は食品を買う前に原料を細かくチェックしないといけない。正直言うと本当にめんどくさいのだ。字が細かくて読みにくいことも多いし。
一番めんどくさいのが大丈夫そうに見える食べ物が調べてみると豚を含んでいたりすること。例えばこの塩ラーメンのカップ麺、何も知らない人からすると大丈夫そうに見えるじゃないか
残念、豚でしたー(怒)
とまぁこんな風に、何かと規制が多い僕たちは満足に日本食を味わうことができないのだ。ハラール肉を扱う店も日本には一応あるが、場所が限られているし値段もちょっと高め。一部のムスリムは規制をゆるくしている者もいる(僕自身は豚肉が直接入っていなければ気にせず食べるよ。原料は一応確認するけど、気にする部分は豚肉のみ) 。
家からカップ麺を持ってきて良かった
・夜の街の怖さ
一週間だけの滞在だが、東京のいろんなところに行ったよ。渋谷、新宿、秋葉原……大きい街しか行けてないや。
とまあ、時間の都合で夜にしか散歩できなかったが、夜の街はめっちゃ良かったよ。広告が、ライトが、ギラギラに輝いて街を照らしている。夜遅くになっても活気が感じられてすごかった(自分が田舎者なだけか)。
当たり前だが、夜の街を散歩してるとヤバイものに出くわすこともあった。特に新宿では、結構やばかった。
新宿の歌舞伎町通りを歩いてみると、こりゃまぁ本当に「大人の街」って感じがする(詳細は省く)。ライト、看板、広告、もう何もかもがギラッギラに輝いていて何もかもすごかった。
それと、歌舞伎町通りでは怖そうな男の人たちが道の端に立って通る人を見物したりスマホいじってたりした。てか道のど真ん中に立つ者もいた。とにかく何かを狙っているようで本当に怖かった。ターゲットになりたくなくてスマホを出すことさえ怖かった。写真めっちゃ撮りたかったのに……
客引きにも遭遇した、料金をぼったくられる店に連れ込まれると友達に聞いた。ありゃ何も知らない外国人が客引きに出くわしたらと思うと……
あと、「大人の」お店も結構発見したよー、やっぱりあるんだなぁ。
・抹茶塩が美味い件
これね、ランチのおべんとうについてたんだけど、正直最初はびっくりした。「なんで塩に抹茶混ぜるねん」と思った、本当になんで抹茶なの?
いやー美味かった、天ぷらにつけると塩味が効いてて本当に美味いなこの「謎の粉」。なんで抹茶なのか今でも分からないが。
・秋葉原が夢の街すぎる件
秋葉原、夢の街すぎるだろー!!! アニメグッズも売ってるし、ゲームもあるし、家電商品もここなら揃ってそうだし、ジャンク品もリサイクル品も中古品めっちゃあるし。なんやこれインドネシアにも欲しいわこんな街ぇ(泣)
こんな場所にいつでも行ける日本人が羨ましすぎだろーあああああああああああああああ
アニメイトに行くともうこりゃ天国。アニメグッズは色々計算したら高いけど安い!!! 全部買って帰りたい(壊
・なんでストロー
これ僕が行ったコンビニだけかもしれないけど、でっかいパックの飲み物を買ったらなぜかストローを一本もらった(感謝)、しかもでっかいパックにちょうど良いぐらいの長いストロー。
そういうものなのかな。いや、でっかいパックの飲み物をそのままストローさして飲むような人じゃないからね僕ぁ??
・18禁コーナー
小学生の頃は入れなかったあのコーナー、カーテン(?)に仕切られて奥が見えないあのコーナーに恐怖を感じて興味なかった。しかし今20歳、人生で初めて入ることになった(研究目的で入ったのであってそれ以上はない)。
いやーすごいっすね。色んな意味で凄かったです、はい。インドネシアでこんなコーナーはあり得ないからね、家族が通うようなスーパーやデパートでは特に。子供なんて普通に出入りすると思うし、苦情がめっちゃ来るだろう。
カップルでこのコーナーに来る人もおった。ただただ爆ぜろと思った。
・〆
当たり前だけど、外国に行くと新しい発見ばかりで楽しいな。良い発見も悪い発見も外国旅行の1つの楽しみ、途上国から先進国に行くとなおさら新鮮さが増す。自分の国と比べて改良点を見つけられる良い機会だ。
いつかまた日本に行けたらなぁ。でも今度はヨーロッパ行きたいかも(ドイツ、オランダ、スウェーデン行ってみたい)。
執筆:アキル
Photo:RocketNews24