“せんべろ” という言葉が広く使われるようになって久しいが、たった1~2杯飲んだ程度で “せんべろ” と騒ぐ輩は一体何を考えているのか。そんなん全然 “べろ” じゃねぇよ。3杯や──。最低でも3杯は持ってこんかい。話はそれからだろう。

そんなあなたにオススメしたいのが、都内を中心に展開する中華料理チェーン「中華食堂 一番館」である。東京で暮らす “せんべろ戦士” にとってはもはや常識だが、その実力はサイゼリヤ、日高屋をも凌駕していると言っていい。知らなかったという人は、ぜひ覚えて帰っていただきたい。

・最強せんべろチェーン

居酒屋としても有能な飲食チェーンによく名前が挙がるサイゼリヤと日高屋。特にサイゼの “せんべろ力” には目を見張るものがあるが、お酒に関してはワイン以外あまり安くないというウィークポイントも抱えている。その点、一番館は多岐にわたって強いぞ。以下すべて税込価格だ。

まずビールは『プレミアムモルツ』のジョッキが300円だが、こういう店は220円の『金麦』で十分ではなかろうか。いや、むしろその方が風情がある。ジョッキで流し込みゃ何だって同じよ! というある種の鈍感さが、一番館飲みには必要不可欠と知るべし。そして……

さあ、早くも本日のクライマックスといこう。先ほど、一番館のお酒は多岐にわたって強いと書いたが、特にヤバイのがハイボールと酎ハイだ。聞いて驚け……なんと1杯120円である! やっす!!! もはやソフトドリンクやないか!

・100円台が基本

実際、これは日高屋の『コカ・コーラ』1杯と同じ値段である(2023年2月14日時点)。なので “せんべろ” 的にはコイツを8杯飲めばいい話なんだけど、さすがにそれでは芸がないのでもう少し頑張ってみよう。

一番館には通常のハイボールの他に『角ハイボール』と『ジムビームハイボール』があり、それぞれ1杯180円だ。これでも十分すぎるほど安いが、注目は容量約2倍の『メガジョッキ』で、こちらは『角ハイボール』『ジムビームハイボール』『こだわり酒場のレモンサワー』が1杯280円と超激安。


無論、しっかりメガである。

これにより、実質3杯頼んだことになるワケだが……皆さんお気付きかな? 先ほどの『金麦』と合わせても、まだたったの500円であるという驚愕の事実に。それではさらなる “一番せんべろ” の真髄をお見せしよう。まず冷菜から190円の『押し豆腐』をチョイス。

これは麺のように細く切った干し豆腐の上にキュウリとネギをのっけた料理で、やや味が薄いから酢などを軽くかけて食べる。ハッキリ言って、特にウマくはない。しかしマズくもない。酒のつまみにはちょうどいい。そんなヤツだ。


で、メガジョッキを空にしたら……



シメの『かけらーめん』(290円)でフィニッシュ。


諸君、これで合計980円である。“せんべろ” の形は様々あれど、3杯飲んだ後にラーメンまで食べて1000円以下というケースは稀ではなかろうか。もちろん上で紹介したのはただの一例であり、その組み合わせ方は無限(インフィニティ)。自由度の高さも “一番せんべろ” の特徴だ。

・辺境の魅力

一番館はいつ行っても他の飲食チェーンにはない異様な場末感が店内全体に漂っており、何時だろうとどこかしらでオッチャンが酒盛りをしているカオスな場所である。しかし、個人的にはそういった空気も含めて一番館だなという気がしている。

よりハイレベルな “せんべろ” を楽しめるという意味において、一番館は飲食チェーンの中でも最高峰だろう。名前だけでも覚えておいて損はないはずだ。ただし……分かってると思うが、絶対に初デートとかでは行くなよ。一番館は時に激しく人を選ぶ。同行者の見極めには細心の注意を払うように。約束だッ。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼ちなみに『焼き餃子 6個』は220円。10円オーバーするが、『押し豆腐』OUTの『焼き餃子』INでもいいかもしれない。