いまどき、若者たちの流行はSNSからスタートするのが当たり前。大人からすると知らないうちにブームが始まって、知らないうちに廃れている状態だ。
ドイツ生まれのお菓子『Knabber ESSPAPiER(クナバーエスパピアー)』通称 “食べられる紙” もそのひとつで、2021年ごろからASMRやモッパン(韓国語で食べ物を食べる動画のこと)で人気を集めているらしい。
さぞかし不思議な味がするのだろうと思いながら食べてみたところ……この味、この食感、知ってるぞ! 案外日本人受けがいいお菓子な気がするのでご紹介したい。
・小中学生を中心に人気らしい
バラエティショップの前を通った時のこと。はじめに目に留まったのは、コーヒーやココアに浮かべて食べるというマシュマロで出来た犬だ。
「可愛い~~~!!」と近づいたところ……右にある妙に主張が強いネズミと目が合ってしまった。
その名も『Knabber ESSPAPiER(クナバーエスパピアー)』
ハガキでも入っていそうなサイズ感のパッケージのお菓子で、売り場にはあと2個しか残っていなかった。
店員のお姉さんに話を聞いてみたところ、
「動画で人気みたいで 小中学生の子供がよく買っていきますよ。入荷の予定はまだないので、今売り場にある分で最後です」
とのこと。
売り切れるほど美味しいのか? 犬のマシュマロそっちのけで1つ買ってみることにした。価格は税込299円。子供のお小遣いで買うにはちょっと高価かもしれないな。
・あの和菓子に似ている!
クナバーエスパピアーはドイツのお菓子で、直訳するとスナックペーパーという意味なのだそう。
名前の通り、中には厚紙のようなものが10枚ほど入っている。
近くでマジマジと見ると思い当たった。コレ、たぶん最中の皮的な食べ物だ!
予想は的中した。バリリと音を立てながら嚙みついてみると、まさに平たくて甘い最中の皮だったのである……が。
え、コレがバズるの?
たしかにクナバーエスパピアーは「パリパパリっ」と軽快な音を立てて割れた。
しかしそれを加味しても、動画にしたところでなにがウケるのかよくわからないのだ。これが歳をとるということか。
──ただ、お菓子としては悪くない。というか、むしろ癖になる感じでそこそこ美味しい。
最中の皮の食感は多くの日本人になじみがあるだろうし、あんこナシで皮だけ食べたいな~なんて思ったことがある人間は筆者だけじゃないだろう。
人工的ながらも控えめな甘ったるさと香りは、他の輸入菓子と一線を画す。原稿を書いている現在も、手が伸びてはパリパリ食べるのを繰り返しているほどだ。
・あの童謡を再現できる
ここまで読めば、クナバーエスパピアーがどういったお菓子なのかは伝わったことだろう。
せっかくなので、最後に筆者なりに考えた “食べる紙” ならではの楽しみ方もご紹介して記事を締めさせてもらおう。
用意したのはダイソーで購入したチョコペン。
文字を書けば……こうなりました!
表面が平たくツルツルしているので、本物の紙みたいに書きやすい。メッセージやイラストを書いてもよし、いろんな色のチョコペンでデコレーションしてもよし。
工作の延長線上で遊びつつ、最後にお菓子としていただくというのはおおいにアリだと思う。
さらには、こうだ!
♪しろやぎさんから おてがみ ついた
くろやぎさんたら よまずに たべた
しかたがないので おてがみ かいた
さっきのてがみの ごようじ なあに♪
童謡『やぎさんゆうびん』の内容を実写化したい方には、クナバーエスパピアーはこれ以上ないほどのアイテムである。やぎさんになりたい人はぜひお試しあれ!
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
▼やぎさんに敬意を込めて、筆者も読まずに食べさせてもらいました
▼分厚さは0.9mm。すべて均等でまったいらなところにドイツ人の職人気質を感じる
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