学校でおそらく最初に習う立ち技である「気をつけ」。最初の頃はあの立ち方をするだけでなんだか楽しかった。鏡の前で練習したりして。しかし、時が経つにつれ、キラキラした新鮮味は次第に消えていく。ただただ流れ作業のように気をつけをこなす日々

気をつけたいのに、体が言うことを聞かねえんだ……。俺たち、もう終わっちまったのかな? もっと気をつけさせてくれよォォォオオオ! そんなあなたに教えよう。気をつけを超えた立ち技の奥義『気をつけFSH/FF135°』のやり方を。

・諸刃の剣

当然だが、これは初心者はやってはいけない。それだけ気をつけなければならない立ち方だからだ。もし、安易にやろうとすると、その威力は自分に跳ね返ってくるだろう。気をつけ歴30年以上の筆者だからこそできる必殺技であることを肝に銘じてくれ。

ただし、必殺技と言った通り、成功した時の威力もまた並の気をつけの比ではない。おそらく、周りからも一目置かれるだろう。

・やり方

それでは具体的にやり方をレクチャーしていこう。やることは非常にシンプルだが、体の使い方がちょっと難しいので、頭の中で人体と床をイメージしながら読み進めて欲しい。


1. 普通の気をつけをする。顔はしっかり前を向き、地面から生える一本の杭のようにピンと立つ。


2. そこから腰を軸に体全体を135度前方に回す。


3. 135度をキープしつつ横を向く。

以上、名付けて『気をつけFSH/FF135°(フロンサイドハーフフロントフリップワンハンドレッドサーティーファイブ)』だ。

・コツ

基本的にはある程度のパワーと体幹が必要なこの技だが、あえて重要な点をあげるなら重心だ。頭と腕で体重を支えることになるため、体を前方135度に倒した時に、頭にしっかりと体重が乗っていることが感じられないと絶対に横を向くことはできない。

・練習の仕方

したがって、修練は2の状態をキープできるようになることから始めよう。この段階で、肘を入れる位置と頭に体重が乗る感覚を覚えるのだ。で、それが余裕でできるようになったら、次は足をついて横向きの練習。

体の側面で肘を入れるポイントを探り、体重が乗りやすい位置を見つけたら体を丸めて重心を頭側に持っていく。後は、背中側に体を倒す感覚で重心を移動すると、自然と足が浮くはず


そこから手と足を伸ばせば完成だ

どちらの感覚も覚えたならあとは繋げるだけ。体を浮かせながら重心を移動させるのはそれはそれで難関ではあるものの、ここまでたどり着いた人なら練習したらできるに違いない

尋常じゃなく体力を消耗する『気をつけFSH/FF135°』。私も1日に1度成功すれば良い方であり、出した後は肩と上腕二頭筋が死ぬ。ただし、成功した時の気をつけ力は普段の5倍~10倍ほどに跳ね上がるから、気をつけに飽き飽きしている人も、きっと気をつけることができるはず。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.