私(耕平)は、新年早々ブチ切れている。そして、今まで数々の福袋を購入してきたが、こんなに残念な気分になったことは初めてだ。その原因は、今年のいきなりステーキ「2023福袋」にある。

私はこの福袋が大好きで2021年2022年と、自宅で店舗の味が再現できる贅沢なセットとして充実した中身だった。そして昨今はコロナ禍の影響もあり店舗に足を運ぶことが減ったことから、このセットを自宅で食べることが個人的な年末年始の風物詩になりかけていた。

ところが今年の福袋の情報が目に飛び込んできた時、その内容に愕然とした。正直、なぜそうしたのかを運営元に問い合わせたいと思ったくらいだ。そこまで思わせる、衝撃の内容とは果たして……。

・今年は販売されないと思っていた

いきなりステーキの福袋は、例年通りだと12月上旬から中旬くらいに受付が開始されており、だいたい12月下旬までには自宅に配送されていた。


もちろん今年もGETしようと、12月に入り毎日販売開始のリリースが出るか楽しみにしていた。しかし今年は12月中旬を過ぎても、一向にリリースが無い。そして気が付いたら、あっという間に大晦日。ここまで来ると何かしらの理由で、今年の販売は無いものだと思っていた。

しかし、年が明けた2023年1月1日。外出先でネットを調べていたところ、諦めかけてた福袋の販売開始のリリースを目にする!


その内容は例年のようなネット販売ではなく、なんと店舗販売。しかも、85店舗限定とのことだ。この情報を目にした瞬間、外出先の最寄りの店舗、千葉県にある「イオンモール津田沼店」に足を運んだ。


・福袋という名の割引券


店舗を見渡すとリリースの通り、福袋が販売されていた。


しかも、支払いは現金のみ。


そして、気になる中身は……

はぁ?


まず自分の目を疑った。何なら二度見した。だが、何度見ても「3000円で3900円分の割引チケットで900円分お得になる」という内容に揺るぎは無かった。なんだこれ……もはや「袋」でも何でもない。ふざけてるのか?

ただ百歩譲って「900円分お得」というのは、ありがたい。近々店舗に行って3900円分ギリギリの注文でガッツリ食べるぞ! と思った矢先、この割引チケットに潜む罠に愕然とすることになる。


・使用条件が酷すぎ

とりあえず、3000円払って購入。「福袋」と大きく書かれた、ただの封筒が目の前にある。


その中に割引チケットが13枚。


そして改めてチケットを確認すると、右上に「裏面販売店のみ有効」と目立つ感じで書かれている。

ん? ちょっと待て。


その記載の下に目をやると、細かい条件が書かれている。


要約すると……

「1商品に1枚しか割引チケットは使えない」
「使用できる店舗は、購入した店舗に限定」
「有効期限は3ヶ月間(2023年3月31日まで)」


つまり、この時期の福袋に多い「モスバーガー」のような、お食事補助券だけで商品を購入できて、なおかつ全店舗共通で使えるわけではなく、あくまで限定された店舗で1商品に1枚だけ300円の割引券が使えるというもの。

しかも、期限は3ヶ月。ということは、これを1人で使い切ろうとすると、最低でも週に1回ペースで購入した店舗に足を運ばなくてはならない。それを3ヶ月間続けることになる。これが4人家族でも、1ヶ月に1回は家族全員で店舗に足を運ぶ必要がある。


なので、この福袋という名の割引券の恩恵を受けられるのは、前述の行動が可能な人だけだ。私の場合たまたま外出先から近い店舗で購入してしまったため、自宅から電車で移動しないと辿り着けないこの店舗に通うとなると、交通費だけで割引分が相殺されてしまう。

確かにこのことは店舗の看板にも、よく見たら最下部に書いてあるし、ホームページも見返してみたら、ちゃんと記載はあった。


それにしても、これはやり過ぎではないだろうか? もしかして、これでリピート戦略を狙った? だとしたら、マーケティングの素人の私から見ても、あまりに浅はかに見えてしまうくらいの愚策だ。


──以上。

これが、私が新年早々ブチ切れた理由である。そしてこの記事の執筆日現在、ネットではこの福袋に対して残念ながら悪評しか目につかない。そんなわけで、いきなりステーキの運営元の方々には上から目線で申し訳ないが、今一度考え直してもらいたいと思った次第だ。また店舗で、あの美味しいメニューの数々を笑顔で堪能できるその日まで……。

参考リンク:いきなりステーキ 
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.