電車だったり車だったりさまざまだが、我々が福袋企画で買い物をすると、両手いっぱいにショップバッグを提げることになる。

「この棚、全部ちょうだい」的なハリウッドセレブも顔負けの光景なのだが、セレブの場合は付き人が荷物を持ってくれるだろうからちょっと違うか。

ともかく「あの人、どんだけ買うの?」という大荷物になるのが常だ。そんな正月のある日、ペッパーランチで福袋を買った筆者は目が点になった。


・2023年 ホットパレットの福袋(税込2000円)

いや、たしかに袋ですよ? 最近じゃ箱とか缶とか、なんならパッケージが存在しなくても「福袋」と呼んでますから、これも呼べないこともないでしょう。でもこれ……封筒じゃないかい!!!!

中には想像どおり、ペラペラしたペーパーアイテムばかり入っている。しかし内容をよくよく確認した筆者は、再び目が点になったのだった。

2023年 ホットパレットの福袋(税込2000円)

・お食事券2500円分(500円券 × 5枚)
・ドリンク(M)パスポート × 1枚
・お肉たっぷりになる券 × 2枚
・サラダ(M)無料券 × 1枚

順に見ていこう。まずはお食事券2500円分(500円券 × 5枚)が入っている。


…………ん?


2500円分?


割引券の合計が2500円分になるとかじゃなくて、金券のように複数枚使えるチケットが2500円分!?


この時点で購入金額を500円超えている! 当サイトでもいくつかご覧いただいたかもしれないが、飲食店の福袋は<購入金額と同額の食事券>+<オリジナルグッズ>が定番の形である。

グッズのぶん損はしていないが、そのグッズやキャラクターに興味がない人にとっては普通に現金で飲食するのとまったく変わらない。なんならグッズを持て余したり、捨てたりすることさえあるかもしれない。


購入金額超えをうたっているのは、だいたい「1会計につき1枚だけ使用可」といった割引券のパターンだ。結構な頻度で来店しないと使い切れないから、最大割引金額に達するのはごく一部の人だと思う。

ところがペッパーランチでは、「購入店舗のみで使用可」という制限はあるものの、購入金額以上の食事券が確約されているのである! これがいかに異常事態かおわかりだろうか。

続いて2023年6月30日まで有効のドリンクパスポート1枚。こ、こ、これ、Mサイズのドリンクが期間内であれば何度でも無料!

もちろんメイン商品を注文した場合に限り、という制限はあるが、半年間ドリンクがフリーなのである。普通、Mサイズドリンクは税込180円だぞ?

さらに「ビーフペッパーライスM」が「お肉たっぷりビーフペッパーライスM」にメタモルフォーゼする券が2枚。

そしてサラダ(M)無料券が1枚ついてくる。このふたつはパスポートではなく、使ったら手元からなくなる券だ。いずれも有効期限は2023年3月31日まで。

ペッパーランチによると、期間中6回ドリンクパスポートを使ったと仮定して、クーポンの総額は4120円相当。それを税込2000円で販売って言うんだから、どうかしてる!

これペッパーランチ大丈夫? ほかの飲食店がこれをやらずオリジナルグッズに流れるのは「そのほうが店側にとって得だから」だと思うよ?

もし全飲食店がこれをやったら……日本は福袋戦国時代に突入するであろう。


・行きやすい店舗で購入すべし

販売は2023年1月1日からで、なくなり次第終了。ペッパーランチ、ペッパーランチダイナー、クニズ、武蔵ハンバーグの各店舗で取り扱っている。

ただし、裏面に店舗印が押されており、福袋購入店舗でのみ利用可能なので、普段行かない店舗では買わないように注意して欲しい。


参考リンク:ペッパーランチ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.