本日2022年10月14日、実写版『耳をすませば』が公開される……らしい。そんな話をしてきたのは、大の『耳をすませば』ファンである亀沢記者。そう言えば実写版の話あったな。すっかり忘れていた。

『耳をすませば』と言えば、1995年に公開されたスタジオジブリ映画版は我々アラフォーにとって青春。同じ年くらいの月島雫と天沢聖司の甘酸っぱい感じに、絶妙な恥ずかしさを感じながらも憧れたものだ。思い出したらにわかに気持ちが盛り上がってきたので、ティザー映像とか一切見てないけど誘われるままに観に行ってみた。

・ビッグタイトル

しかし、あの我々世代なら知らない者がいない『耳をすませば』の実写化である。正直、アニメ実写化の中でもかなりのビッグタイトルではないだろうか? なにせ、世代を作った作品と言っても過言ではないのだから。

会場には行列ができ、なんならバロンのコスプレをする人だっているに違いない。というわけで、私(中澤)も天沢聖司のコスプレで行ってみた

・悲報

さらには、どうせなら公開一発目がいいだろう。耳をすませば世代でごった返す映画館が楽しみだぜ! 全員で胸キュンを思い出そうぜ!! と思いきや……


客が8人しかいねェェェエエエ

え? あのみんな大好き『耳をすませば』だよ? しかし、事実、新宿バルト9の10月14日10時55分からのシアター2には、我々を除いて8人しかいなかった。そう、これはディスでもなんでもなく、ただの事実である。

・耳をすませばというより

アニメ実写化って俳優の追っかけとかで売り切れるものではなかったのか。公開1発目の新宿バルト9でこの光景は衝撃と言わざるを得ない。ポップコーンを食べる音が響き渡る。私の気持ちは耳をすませばというより息を殺せばだ。

これ誰が得をするのかという状況にはちょっとビビったが、逆に言うと、映画を見る環境としては良かったのかもしれない。映画が始まると割と気を使わずに見ることができた。

・正直レビュー

で、結論から言うなら、正直、エンタメと捉えるならそんなに悪くはなかった。もちろん、スタジオジブリ版が好きなら「は?」と思う箇所は死ぬほどある。天沢聖司がチェロ奏者になってることとか、そもそも2人の10年後の話なこととか。

でも、前情報ゼロで観に来た私でも、開始7秒くらいでスタジオジブリ版を求めてはいけないことに気づかせてくれる設計は親切だ。そして、冒頭でそれに気づいたら、全部面白く見えてくる。例えば、さんま御殿とかの再現ドラマってなんちゃって感がちょっと面白いと思うのだが、そういう類の面白みがあった。

結果として、大ファンである亀沢記者はブチギレていたが、見終わった後の感想戦はそれだけ盛り上がったので良しとしたい。見た人にちょっとした同士感が芽生える。実写版『耳をすませば』はそんな映画であった。

というわけで、実写版『耳をすませば』は数人で観ると絆が生まれそうな映画。良いクソゲーみたいな感じである。まあ、1900円払って2時間観る価値があるかはまた別の話だが

参考リンク:映画『耳をすませば』
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼本予告映像。「翼をください」のアレンジメントは素晴らしいと思った。