この混迷を極める世界に咲いた一輪の花。それが『ごろチキ』こと松屋の『ごろごろ煮込みチキンカレー』だ。今年5月に奇跡のレギュラーメニュー入りを果たした『ごろチキ神』は、いつでも会いに行ける神として、今この瞬間も我々『ごろチキ信者』の心の拠り所となっている。


ところが……!


そんな『ごろチキ』の名を騙(かた)る不届きな輩が最近になって現れたというのだ。罪人の名は、なんとネットカフェ「快活CLUB」。ネカフェに『ごろチキ』だと……? 疑問に思った私は、そのニセチキについて調査すべく店舗へと向かった。

・疑惑のごろチキ

快活CLUBが2022年9月20日にスタートした「快活の秋グルメ」なるキャンペーン(一部店舗を除く・11月20日まで)。食欲の秋にふさわしい期間限定メニューが顔を揃える中、先述した『ごろチキ』もどきもそこに名を連ねているという。

とは言え、さすがに『ごろチキ』ほど知名度の高い人気商品を、そのまんまの形で再現するなんてことは考えにくい。おそらくは伝聞を繰り返すことによって情報がねじ曲がり、別にそこまで『ごろチキ』っぽくはないのに、『ごろチキ』みたいと呼ばれるように……


いや『ごろチキ』やないか!

・思ったより本人

そう、ブースに運ばれてきたのは、『ごろチキ』みたいな色をして『ごろチキ』みたいな皿に盛られた『ごろチキ』みたいなカレーだった。いやもう、ただの『ごろチキ』だろコレ。上にパセリがかかっているという点以外は驚くほど『ごろチキ』に酷似している。しかも商品名が……


『ごろごろチキンカレー』。

・真っ向勝負

ほ、ほんげェェェェエエエエ! ノーひねりィィィィィィイイイイ!! そこはせめて『ごろっとチキンカレー』とかでお茶を濁せよ! 完全ノーガードの体勢でぐいぐい相手との距離を詰めていく快活CLUB。ニヤリと笑みを浮かべる様は天才ボクサー、ナジーム・ハメドを彷彿とさせなくもない。

ちなみに価格は通常のカレーだと税込750円。プレミアムカレーだと税込940円だ。快活初心者のためあまり違いが分からないのだが、せっかくなので今回はプレミアムにしておいたぞ。ネカフェ価格とは言え、なかなかのお値段である。


さて、肝心の味についてだが、一口食べてまずチキンに驚いてしまった。マジかよこの鶏、ただのチキンじゃないぞ。炭火焼チキンだ! カレーの奥側でそこはかとなく漂う炭火の香り。ふっくら柔らかく、それでいて鶏肉特有の臭みは少ない。もしかするとこれは……松屋よりもウマいのでは?

・本家に肉薄

我らが至宝『ごろチキ神』が、ネカフェのカレーを前にまさかの敗北を喫す……。そんな不条理がまかり通っていいのか? お前には信仰心が足りない……! 怒りに震える『ごろチキ信者』もおられるだろうが、どうか信じてほしい。それだけ快活CLUBは本気なのだ。

ただね、結論を申し上げると、それでも『ごろチキ神』の完全勝利である。快活『ごろチキ』はチキンはもちろん、カレールーが想像以上に濃厚で、辛さも非常にパンチが効いている。が、『ごろチキ神』が纏(まと)いし、あの激しく狂暴なまでの中毒性は残念ながら感じられなかった。

・惜しかった

臆面もなく『ごろチキ』を名乗るだけあって、たしかに快活CLUBの『ごろチキ』はウマい。食べてみる価値は大いにあるだろう。ただし、元祖『ごろチキ』に比肩しうるかと聞かれたら、個人的にはNOだ。両者の間にはいかんともしがたい壁が存在すると言わざるを得ない。

名前も色も皿も似ているのに、何かが決定的に違う──。改めて『ごろチキ』の奥深さと恐ろしさを思い知った次第である。カレーをキレイにたいらげた私は、デザートのソフトクリームもしっかり楽しみ、店を後にしたのだった。

参考リンク:快活CLUB(販売店舗はこちらから)
執筆:ごろチキ信者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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