先日、パイナップルが苦手である私(佐藤)はパイナップル入り酢豚発祥の店「南国酒家」の伊勢丹新宿店を訪ねた。酢豚のパイナップルを食べる気満々だったのだが、残念ながらこのお店はパイナップルを入れていなかった。
それならば! と、パイナップル酢豚の起源にあたる原宿本店を訪ねて酢豚を注文してみた。今度は本当に入っていた!! ……のだが、思わぬ先制パンチを食らう格好になってしまった……。
・パイナップル酢豚の起源
改めて紹介しておくと、南国酒家の公式ページには酢豚に関して次のような記載がある。
「創業時に誕生した「かにの玉子入りふかのひれ」や、パイナップル入り酢豚のはじまりと言われる「広東風酢豚」、 「五目あんかけやきそば」、「たらば蟹とレタスのチャーハン」など、オリジナリティあふれるメニューが誕生しました」
とある。この文脈から察するに、南国酒家の広東風酢豚はパイナップル酢豚の起源と考えて差し支えないだろう。
ってことで、すべてが始まった原宿本店にやってきた。
入店して案内された席に着きメニューを見ると……。ちょっと待って、メニューがすごいデカくない?
このグランドメニューは図鑑かと思うほど厚くて重い。さすが老舗中の老舗である。
厚いページを慎重にめくっていくと……、あった! 豚肉の項目に「国産豚肉の広東風酢豚」(税別1800円)。かなり良いお値段がしますね。
伊勢丹新宿店の「黒酢酢豚」が税込で1210円だったので、そのはるか上を行っている。ちなみにこのお店では10パーセントのサービス料もついてくる。同じ系列でも本店は格が違うな。酢豚と焼き餃子(5個税別600円)と白飯(税別300円)も一緒に頼んだ。
なお、メニューについている青印は欠品を意味している。その数は1個や2個ではなかったので、諸事情で食材の調達が難しくなってきているのかな? と感じた。
・パイナップルかと思ったら……
さあ、来ました! 今度こそ正真正銘のパイナップル酢豚です!!
いるな、パイナップルいるな! 見ただけでわかるぞ。あちこちに散りばめられた黄色っぽい塊。パイナップルと見て間違いないだろう。
では早速食べてみましょう。元祖のパイナップルは、パイナップル嫌いを満足させられるのかな?
口の中に放り込んでみると…………、シャリっとした! え!? シャリ? この食感、パイナップルか? 噛むと口の中にジュワリと果汁がほとばしる。「シャリ + ジュワリ」、この感触は秋の定番果物のアレじゃないのか?
コ、コレは……、この味は………
梨! これ梨だろ!! パイナップルじゃねえええええええええ!
ああ、もう食べる前の口はパイナップルになっていたのにな! チキショーッ!! まさか、梨が入っているとは全然予想していなかった。完全に先制パンチを食らったみたいだよ。「梨が入ってます」と言っておいてくれたらよかったのに~~!
改めてよく観察すると、パイナップルはこっちだな。間違いなくパイナップルだ。もう騙されないぞ!
今度こそ、パイナップルの迎撃態勢を整えて口の中に入れてみると……、甘い! とっても甘い!! じっくりと火入れした果肉は柔らかくて、あの独特の酸味は全然感じない。
甘辛い餡との相性も良くてこれなら食える! さすが元祖にして名店の味。この味ならパイナップル嫌いを克服できそうだな。
・最後はりんごで締め
ついでに餃子についても触れておこう。伊勢丹新宿店には蒸し餃子しかなかったけど、ここは焼き餃子も提供している。
オリジナルたれにつけて食べてみると、噛んだ瞬間に肉汁が炸裂した! まるで小籠包でも食べたかのように、ドバっと汁があふれだしてきたぞ。繊細な味を想像していたけど、意外にもパワフルな食べ応えで驚いた。
そして最後はご飯の上に酢豚をのっけて頂きました。もちろんパイナップルも一緒にね!
梨で始まったパイナップル酢豚は、最後にりんごが出現して再びビックリしてしまった。キウイが入っていることもあるらしい。老舗の酢豚は気まぐれに果物が出現する自由な料理だった……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 南国酒家 原宿本店
住所 東京都渋谷区神宮前6-35-3 コープオリンピア内
時間 11:30~15:30、17:00~21:30 金曜11:30~15:30、17:00~22:00
土曜祝前11:30~22:00 日祝11:30~21:30
定休日 不定休、年末年始