栃木県鹿沼市といえば全国有数のいちごの産地だ。2016年には「いちご市」を宣言。とにかく「いちご」でシティプロモーションに取り組む “いちごのまち” なのだが……同市出身の有名人で最初に思い浮かぶのは、いちごのイメージとはかけ離れたあの方である。

あの方とはもちろん、アジア人初となる元WBC世界ライト級チャンピオンに輝き、以後5度に渡ってチャンピオン防衛に成功した元プロボクサー・ガッツ石松さんのこと。いきなりだが今回は、鹿沼市の観光名所である「ガッツ石松さんの生前墓」を見学してきたので報告したい。

・生前墓

生前墓とは、名前のとおり「生きているうちに自分で建てるお墓」のこと。中国では生前にお墓を建てることで長寿を招くと考えられているらしい。最近では日本でも終活ブームの影響で、生前墓への関心も高まっているそうだ。


……となると「おっさんサイト」から「じいさんサイト」へと変貌を遂げつつあるロケットニュース24もそろそろ扱うべきテーマなのかもしれない。


どうやらガッツ石松さんの生前墓はあまりにも個性豊かであるため、地元では知らない人がいないレベルの観光スポットとなっているという。たまたま近くに用事があり、そんな話を聞いたので、ガッツ石松さんが建てたお墓を見学してみようと思ったわけである。

噂の生前墓があるのは、鹿沼市の「さつき霊園」。東武日光鉄道「樅山(もみやま)駅」から車で5分ほどの場所にある。なんでも霊園を運営している地元の石材業者が、CMキャラクターとしてガッツ石松さんを起用したことがきっかけで建てられたのだとか。


・OK牧場

たしかに「ガッツ家の墓」はド派手だった。しかし生前墓とはこういうものなのだろう。自分が生きた証を後世に伝えるべく、あれこれと悩んだ末にたどり着いたデザインだと思われる。まず正面にはガッツ石松さんの代表的なギャグ「OK牧場」が刻まれていて……


雨に濡れてわかりづらいのだが、よく見ると「ガッツ石松さんの顔」も貼り付けてあった。とても穏やかな表情である。


正面向かって左側には「栄光の戦績(タイトル戦などの)」、そしてチャンピオンベルトとボクシンググローブのオブジェが展示されている。さすが世界のガッツ。

そして右側には「ボクシンググローブ型の名刺受」と「ガッツ石松さんの熱いメッセージがつづられた石板」が設置されている。「みんな親孝行してるかい」と、お墓に訪れる人に親孝行の大切さを伝える石板。親思いの人柄がよく表れている素敵な言葉だった。

地元の観光地となるほど有名なガッツ石松さんの生前墓。興味のある方はマナーを守って見学してみてほしい。インパクトがあるので少しビックリするかもしれないが、全体的にOK牧場な雰囲気なのできっと穏やかな気持ちになるだろう。


・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名:ガッツ家の墓(さつき霊園)
住所:栃木県鹿沼市西沢町字犬塚300-1

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.