あなたは “神様” と聞いて誰のことを思い出すだろうか? イエス・キリストを連想する人もいれば、サッカーファンならばペレを思い返すかもしれない。そして熱狂的なプロレスファンならば『カール・ゴッチ』の名が頭によぎることだろう。

2007年に82歳で亡くなったカール・ゴッチ氏だが、あれから約10年の時を経た2017年7月、日本に同氏の墓が建立された。今回はプロレスファンならば一度は足を運ぶべき、カール・ゴッチ氏のお墓についてご紹介したい。

・カール・ゴッチとは

まずは簡単に、カール・ゴッチ氏について説明しよう。レスリングのベルギー代表としてロンドンオリンピックに出場しているカール・ゴッチ氏。プロレスデビューは1950年で、あの力道山とも試合をした日本のプロレス創生期のレジェンドレスラーである。

実はカール・ゴッチ氏、アメリカではそこまでの成功を収めておらず、評価も決して高くはない。同氏が尊敬されているのはむしろ日本で、アントニオ猪木を始めとする多くのプロレスラーが卓越した技術を持つゴッチ氏に心酔し、過酷なトレーニングに励んだ。ちなみに、あの「ジャーマン・スープレックス」もゴッチ氏が開発した技である。

日本でゴッチ氏が尊敬されている最大の理由は「ガチで強かったから」であろう。その手の伝説を数えあげたらキリがないが、多くのレスラーが「ゴッチさんはヤバかった」と証言しており、特に強さを追い求めた新日本プロレスやUWF系の選手たちの多くは、通称 “ゴッチ道場” で修業した経験を持つ。

・荒川区の回向院

そんなゴッチ氏の墓が、没後10年の時を経て日本に建立された。日刊スポーツによれば、ゴッチ氏が亡くなった直後から、日本での墓の建立計画はあったという。9割はゴッチ氏の遺志に従い海に散骨、残りの1割の骨を弟子のジョー・マレンコが保管しており、それが日本の墓に納められたらしい。

墓があるのは東京都荒川区、南千住駅から徒歩2分ほどのところにある回向院(えこういん)だ。実はこの回向院、吉田松陰を始めとする幕末の志士たちを始め、ねずみ小僧の墓まで建っている非常に由緒正しいお寺である。今回足を運んだが、ゴッチ氏と吉田松陰の墓は目と鼻の先であった。

いざ目にしたカール・ゴッチ氏のお墓には「カール・ゴッチ之墓」と力強く刻まれており、プロレスファンが会いに来たのだろうか、ゴッチ氏が好んだとされる赤ワインも多く供えられていた。これだけでも、いかにゴッチ氏が日本で尊敬されていたかわかるというものだ。


文京区議会議員でゴッチの弟子・西村修はファンに対し「ゴッチさんに会いに、お墓に線香でもお持ちになって参拝していただきたい」と語っているから、プロレスファンはぜひ一度回向院に足を運んでみてはいかがだろうか。きっと思うことがあるハズだ。

最後に、墓石に刻まれた “ゴッチ氏の教え” をご紹介して、この記事を締めくくりたい。

「Never lie , never cheat , never quit. 技術と精神は常に一緒だ。決して嘘をつくな、決してごまかすな、決して放棄するな」

・回向院の詳細データ

住所 東京都荒川区南千住5-33-13
参拝時間 09:00~16:30

参照元:日刊スポーツ回向院
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼由緒正しい回向院。こちらはねずみ小僧のお墓。

▼南千住駅のすぐそばだ。

▼プロレスファンは1度足を運んでみよう。

日本、〒116-0003 東京都荒川区南千住5丁目33−13