
子供の頃は「大人になれば色々なものが手に入る」と思っていたが、実際になってみると失うものも多い。その筆頭が「ねるねるねるね」である。練れば練るほど美味しい、あの有名な菓子のことである。
コンビニやスーパーで無邪気に「ねるねるねるね」に手を伸ばしていた子供の頃とは事情が違う。今うかつに手を伸ばして、もし周囲から「あの年になってまだ練っているのか」などと後ろ指を指されようものなら、三日三晩は寝込む。そんな羞恥心が芽生えてしまった。
しかし、その羞恥心を救済するかのような商品がこのたび登場した。それが今回紹介する、「大人のねるねるねるね」である。
2022年9月5日に新発売となった「大人のねるねるねるね」は、「ねるねるねるね」シリーズとしては史上初の、名前の通り大人もターゲットにとらえた商品である。参考価格は194円となっている。
販売元であるクラシエの公式HPによれば、コンコード種の赤ぶどう果汁と、シャルドネ種の白ぶどう果汁が入っているとのこと。なんとソムリエが「ねるねるねるね」に合うワインを選出したらしい。ソムリエと「ねるねるねるね」が交わる未来を誰が予測できただろうか。
ともあれ、まさしく「ねるねるねるね」に手を伸ばせなくなった大人に手を差し伸べるような、アダルトな雰囲気の新商品だ。筆者が矢も楯もたまらず購入したことは言うまでもない。パッケージの「大人も楽しんでいい」の文字が、いたく心に沁みる。
早速そのパッケージを開けてみると、中からは様々なアイテムがお出ましした。容器とスプーン、「白1ばん」「白2ばん」の粉、「赤1ばん」「赤2ばん」の粉、そしてトッピングと書かれた袋である。
ああ、「ねるねるねるね」と言えばこれだ、という懐かしさがこみ上げる。この材料たちを組み合わせる、さながら小さな化学実験のような工程を、子供ながらに楽しんだものだ。
詳しい手順はパッケージ裏に載っていた。「大人のねるねるねるね」であっても、「手をあらってから作ろう」「切り取りにくいときは、ハサミを使ってね」などと、限りなく平易な文章が書かれている。こんなに優しい言葉をかけられたのは久しぶりなので涙が出そうになる。
手順に従い、最初に「白1ばん」の粉をトレイに出し、付属の三角カップで水を加えていく。この時点でフルーティーな香りがふわりと漂ってきた。
「白1ばん」の粉と水を混ぜたのち、「白2ばん」の粉も投入し、さらにかき混ぜる。
誰に恥じるでもなく、堂々と練られる喜びを噛み締める。
「白」を作り終えたら、「赤」の粉の方も同様に混ぜていく。途中、地球外生命の体液のような色に変じたのでいささか驚いたが、手は止めない。
パッケージの写真のような色になったのを確認し、最後にスパークリングトッピングを振りかけて完成。ああ、これだ、と再び思う。このカラフルな光景。これほど原色入り乱れる食べ物を摂取する機会は、大人になってからめっきり減った。
なんだか立て続けに感情を揺さぶられている。すでに食べる前から満足度が高い。とはいえ、肝心なのはやはり味である。
ここまでで存分に童心には浸れた。ここからは「大人」を楽しむ時間だ──そんな期待感とともに、まず「白」を口に含んだ筆者を、衝撃が襲った。
白ぶどうの匂いは香ばしく、口当たりも通常の「ねるねるねるね」より幾分軽く、甘さも控えめだ。が、べたつくような激しい酸味が、いかにも「ねるねるねるね」らしいパンチのあるアクの強さが、ノーガードの顎を容赦なく殴ってきた。
思っていたのと違う。もっと落ち着いたテイストなのかと想像していたが、気持ちいいくらいに真逆だった。スパークリングトッピングのシュワシュワ感も相まって、むしろ通常の「ねるねるねるね」より口内の収拾がつかない。カーニバルだ。
常に舌の上で何かが踊っている。はしゃぐ子供に振り回されるかのような疲れが、一口ごとに伴う。全く落ち着かない。
「赤」の方は落ち着いているかもしれないという甘えた予測も、口に入れるや裏切られる。こちらはこちらで激しい。嚥下(えんげ)のたびに濃厚な喉越しと、刺激物が胃に落ち込んでいく感覚を味わう。食べる前は少なめに思っていた分量が、やけに大盛りに見えてくる。
しかし、苦しいかと言われれば、全くもってノーである。不思議と美味しい。やけに楽しい。それはそうだ、何故なら「ねるねるねるね」なのだから。単に筆者が思い違いをしていただけなのだから。
「大人のねるねるねるね」とは、大人の味を楽しむ「ねるねるねるね」ではない。大人を「子供」に引きずり込む「ねるねるねるね」だ。ソムリエうんぬんは、ほぼほぼ撒き餌にすぎない。プレミアムな品質であっても、結局は「ねるねるねるね」なのだ。

巧妙である。されど同時に、光明でもある。大人が「子供」に戻ることのできる場所が、確かにここにあるのだ。その事実がどれだけの大人たちを救うことだろう。少なくとも筆者は この商品と出会えてよかったと心から思っている。
興味の湧いた方は、騙されたと思って飛び込んでみてはいかがだろうか。この練りに練られた、「大人のねるねるねるね」という魅惑の罠に。
参考リンク:クラシエ「大人のねるねるねるね」ニュースリリース
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
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西本大紀












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