東京お台場の商業施設「パレットタウン」は2022年8月31日をもって終了する。すでに併設施設の「メガウェブ」「Zepp Tokyo」「ヴィーナスフォート」は終了し、一部は解体作業が始まっている。

施設の象徴でもあった大観覧車もこの日に営業を終えることになる。名残り惜しいので最後に観覧車に乗ってみたら、ゴンドラからしか見ることのできないささやかな贈り物を発見した。

・さよなら大観覧車

ヴィーナスフォートが営業を終了したのは、約半年前の3月27日だ。この一帯で人が出入りしているのは、大観覧車とチームラボボーダレスだけとなった。どちらももうあと1週間で終わりを迎える。


大観覧車の営業終了は8月31日の19時、その時間を持って受付終了になる。もし最後に乗っておきたいとお考えの人のために、観覧車への行き方をお伝えしておきたい。

というのも、観覧車の目の前にあったメガウェブのエリアは解体工事の真っ最中で立ち入ることができず、りんかい線の東京テレポート駅から行くと、遠回りしなければいけないのである。


東京テレポート駅の方からパレットタウンのエスカレーターを上がると、案内表示があり「大観覧車380m」「TeamLab ★ Borderless(チームラボボーダレス)510m」とあるけど、2つの施設の入り口は同じところにある。

距離は違うが行く着く先は同じなのだ。ちょっと距離はあるけど、ずっと平坦な道が続くチームラボのルートの方が楽なので、そちらをオススメしておきたい。


そういう私(佐藤)は大観覧車ルートを通ってしまったのでその道のりを紹介しておこう。矢印にしたがって進むと、ヴィーナスフォートの円形広場を横切って真っすぐゆりかもめ青海駅の方に行く。そこで階段を降りる。


階段を降りたら左に曲がって真っすぐに進む。すると「220m」の看板が見えるはずだ。

なおも直進して左に曲がると観覧車の真裏に出る。この道を進むとようやくチケット売り場にたどり着く。


・ささやかな贈り物

料金は大人税込1000円、小学生以下は税込500円、3歳以下は無料となっている。エアコン付きのシースルーと、エアコンのないカラーの2種類のゴンドラがあり、シースルーの方が台数が少ないので待ち時間が長い

公式ページで各ゴンドラの待ち時間が確認できるので、参考にすると良いだろう。


私は多少暑くても構わないのでカラーゴンドラに搭乗した。エアコンはないがゴンドラには格子付きの窓があって全然暑い。ちなみに今夏の猛暑日はシースルーゴンドラのみで運行していたそうだ。


ゆっくりゆっくりと上がっていくにつれて、周辺の様子が見えてきた。「Zepp Tokyo」があったあたりは完全に更地になっている。Zeppの2階にあったイベント会場「東京カルチャーカルチャー」には何度も来てたんだよなあ。イベントでステージに登壇させて頂いたこともあったなあ。


瓦礫が積み上げられている。この場所で多くのアーティストがライブをやってきたはずなんだけど、その痕跡すら残っていない……。フジテレビまでの間の景色をさえぎるものがなくなった。


メガウェブは解体途中の廃墟みたいだ。むき出しのコンクリートが生々しい。まるで何の惨事に見舞われたあとのようにも見える。


ヴィーナスフォートは完全にもぬけの殻、夜はきっと真っ暗なんだろうな。中の様子を想像するとちょっと怖い……。


ゴンドラ内のアナウンスが最高地点に到達することを告げている。ふと見ると、フジテレビよりも高い位置にまで来ている。115mの高さからの景色は全部がちっぽけだ。


まるで何もかもがオモチャみたいに見える。ジオラマみたいだな。


なぜかわからないけど気分がいい。素晴らしい景色を見て気持ちがおおらかになっているのかもね。こんなステキな施設がなくなってしまうなんて本当に残念だよ。

そういえば、パレットタウン駐車場の屋上にささやかな贈り物を見つけた


元からあったものなのか、それとも営業終了に合わせて設置されたものかはわからないけど、私はそれを「ありがとう」の印だと思った。


1999年に開業した大観覧車は22年の歴史に幕を閉じる。お台場のランドマークがひとつ消えるのはさみしいね。しかしこの跡地には新しい商業施設が建設予定なのだとか。この大観覧車のように、人の気持ちを豊かにしてくれるようなものが出来上がることを祈っている。


・今回訪問した施設の情報

名称 パレットタウン大観覧車
住所 東京都江東区青海1丁目3-10
営業期間 2022年8月31日まで

参考リンク:パレットタウン大観覧車
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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